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バグのある召喚士  作者: ルケア


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大将首2つ

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「良く来たな。早速だが、作戦を通達する。諸君らは右から回り込み、側面を叩け。そこから一気に押し上げろ。そうしたらこっちが全軍を持って仕掛ける。いいか? 右から突撃しろ。以上だ」


 やっぱり、こんな命令に恐怖しない方が間違っているよな。普通は恐怖する。俺たちは生き残れるのかって疑問が出てもおかしくない。けど、そんな疑問は出ない。何故か。洗脳されているからだ。そうした方が自然だろうな。何が目的なのかははっきりとしている分だけ有難いとは思うけど。恐怖していたら、戦場になんて来れないだろうからな。


 さて、少しでも生き残れるようにしてやらないといけないとは思う訳で。まあ、今回も俺とアーリア以外は死ぬんだろうけどな。それでもいいやと思わないといけない。人の死に関わってはいけない。余計な情は邪魔になる。それでも、助かるのであれば、それで良い。その為には、俺たちが先頭に立ってやらないといけない。右から大きく回り込んで、側面へと突っ込んでいく。今回もやってやるぞこらあ!


「突撃いいいいい!! 一番槍は貰ったあああ!!」


 一気に加速して、一気に殴り込みに行く。今回は召喚獣を使わないって、アーリアと約束しているんだ。召喚獣だけで勝ててしまいそうだから。だから、負けることも考えて置かないといけないって事で、召喚獣は使わない。俺とアーリアだけの武力で何とかする。エナジーバレットを乱射しながら敵軍に突っ込んでいく。


 そうだよな。普通なら周りが敵だらけになって、恐怖しか感じないはずなのに、恐怖なんて微塵も感じない。これはやられてるな。いくら俺でも解る。ゲーム脳では説明が出来ないレベルになっている。まあ、それでも良いんだけどな。今の事を考えれば、そういう洗脳が無ければ、恐怖で足が止まっているだろうし。何時頃洗脳が解けるのかは知らないが、知らないで良い事もあるとは思う。そう言う事もあるんだって思うようにしないとな。


 殴る蹴るエナジーバレットを乱射する。それで一気に敵陣が崩れた。すかさず味方がなだれ込む。そして、本格的な乱戦が始まると思った。……味方後方からエナジーバレットの雨が降り注いできた。ああ、なるほどな。これが宮廷魔導士団のやることなのか。敵味方関係なくの掃射。これは、普通の精神状態なら出来ないだろう。味方に当たらないなんて保証は何処にもないんだからな。本当の意味で、俺たちは捨て駒にされているんだな。まあ、俺とアーリアに関しては、当たっても死なないんだけど。MNDが高すぎるからというよりは、全属性を70%カットしているからな。無属性魔法は効かないんだ。だから、当たっても問題ない。生き残れはする。


 ただ、やっていることは外道のそれだとは思うけどな。マジで敵味方容赦なく攻撃してさ。敵が良い装備で固めていたら、味方が無駄死にするだけだろうに。無駄には死んでやらないが。どんどんと敵兵を討ち取っていく。そして、今回も後方にまで抜けきった。


「敵大将は何処だ? 首は貰っていくぞ」


 敵大将を探さないといけない。エナジーバレットの雨を無視しながら、どんどんと敵を討伐していく。だが、敵大将が見えない。前線に居るのか? そんな事は無いと思うが。死んだにしても、死体は残るからな。それとも、逃げたか?


「いや、居た! 敵大将首を貰い受ける!」


 敵陣右翼の指揮を取っていたらしい。大将が真ん中に居ない場合もあるのか。なるほどなあ。だから右から回り込めって言ったのか。初めから知っていたんだな。まあ、見つけたのであれば関係ないが。敵大将首は貰っていくぞ。また第15部隊の部隊長のお土産が出来るな。まーた何かを言われるんだろうとは思うが。大将首を狙った方が効果的なんだから、積極的に狙うのは当然の事だよな。その方が早く終わるんだから。


「敵将、討ち取ったり!」


 首を高らかに上げる。敵の士気を下げるには、こうした方が良い事もある。さて、敵は壊走するだろう。指揮官が討たれたんだからな。


 そうしていると、味方が押し込んでいって、敵右翼から壊走が始まった。まあ、こんなものだろうな。このまま一気に追撃戦を行う。追撃しながら、敵陣地を占領し、そこで俺たちの仕事は終わりのはずだ。だから、敵陣まで一気に雪崩れ込む。だが、それではつまらない。面白くない。なので、誰よりも先に、敵陣地へと向かった。狙うは指揮官だ。指揮官が1人な訳がない。交代するにも何人か来ている筈だ。それを襲撃する。敵大将首は多い方が良いからな。待っていろよ。俺がその首を貰ってやるからな。


 天幕をぶち壊し、中に入っていく。多分だけど、豪華な天幕があれば、それが大将首だ。それを探して走りまわる。ついでに敵兵もなぎ倒していく。死んでないのかもしれないが、パンチで一気にHPを減らしていく。まあ、運よく生きていても、後で殺されるんだから一緒だよな。早いか遅いかの違いしかない。


「鎮まれ! 何事だ!」


「敵大将首いいいい!! 貰ったああああ!!」


「ぐはぁあ!?」


 出て来てくれるなんて、なんて優しい首なんだ。出て来てくれて助かったよ。お陰でむやみやたらに走り回らないでも済んだからな。そんな訳で、2個目の首をゲットだぜ。槍に突きさして、2つとも掲げる。倒してやったぞ。敵将、討ち取ったり!



 そんな事をして遊んでいると、逃亡する敵兵と、それを追いかける味方の軍勢がやってきた。さあ、終幕だ。ここを占拠したら、俺たちは帰って良い事になっているからな。とっとと占拠してくれないと困るんだよ。まあ、こんな場所を占領しても、何の意味もないとは思うけどな。こんな守りにくい場所に陣地を置いてどうしようって言うんだ。まあ、徐々に戦線を上げるのであれば、仕方がない事だとは思うけどさ。


「あー! ベル君またやってる!」


「はっはっは! 見ろ! 今度は2つも取ったぞ!」


「私だって結構殴り飛ばしたんだからね!」


「弱兵なんぞ恐るるに足りんなあ。弱すぎてどうにかなってしまうぞ。召喚獣も使わなかったのに」


「ねー。皆を使えば、もっと楽に勝てたよね? なんで使わなかったの?」


「戦力がバレると、ずっとここに留め置かれるからだ。よし。今がチャンスだ。帰るぞ」


「まあ、終わったからねえ。順当に敵さんも片付いたし、帰っても良いよね?」


「いいとも。俺たちの役割は囮なんだから。役目が終わったんだから帰るぞ」


「はあい。もうちょっと強いと良いんだけどね」


「もうちょっと強ければ、こっちが負けているだろうからな。今くらいで丁度良いとは思うぞ。まあ、歯ごたえが無いのはその通りなんだけどな」


「もうちょっと強ければねえ。何というか、楽しくないんだよ。それならヴァンパイアカウントと戦ってた方が楽しかったよ」


「後4年と少しの辛抱だ。兵役が終われば、遊びに行こうな?」


「ほんとだよね。お口直しが必要だよ」


 ヴァンパイアカウント君は犠牲になるのだ。相手国の兵士が弱すぎるから。それの犠牲になるのだよ。何とも可哀そうな理由ではあるが、本当に弱いんだから仕方がないんだよな。俺だってもうちょっと歯ごたえがある敵と戦いたい。


 まあ、当分先にはなるんだろうけどな。吸血鬼の町に戻れるのは何時になるやらだ。こっちで戦争を始めてしまったんだから、暫くは帰れない。帰れるのは、全部終わった後なんだよな。残酷である。これだったら、まだアーリアと模擬戦をしている時の方が楽しいからな。敵が弱すぎるのがいけない。なんでこんなに弱いんだろうか。まあ、味方もなんだけどな。

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― 新着の感想 ―
教官や指揮官系の職があって、 洗脳スキルというか戦意昂揚能力と、成長力バフや、普通のバフ能力がある職はあってもおかしくないな ヴァンパイアカウントでも主人公たちの守備力は抜けないだろうし速度もそこま…
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