大将首2つ
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「良く来たな。早速だが、作戦を通達する。諸君らは右から回り込み、側面を叩け。そこから一気に押し上げろ。そうしたらこっちが全軍を持って仕掛ける。いいか? 右から突撃しろ。以上だ」
やっぱり、こんな命令に恐怖しない方が間違っているよな。普通は恐怖する。俺たちは生き残れるのかって疑問が出てもおかしくない。けど、そんな疑問は出ない。何故か。洗脳されているからだ。そうした方が自然だろうな。何が目的なのかははっきりとしている分だけ有難いとは思うけど。恐怖していたら、戦場になんて来れないだろうからな。
さて、少しでも生き残れるようにしてやらないといけないとは思う訳で。まあ、今回も俺とアーリア以外は死ぬんだろうけどな。それでもいいやと思わないといけない。人の死に関わってはいけない。余計な情は邪魔になる。それでも、助かるのであれば、それで良い。その為には、俺たちが先頭に立ってやらないといけない。右から大きく回り込んで、側面へと突っ込んでいく。今回もやってやるぞこらあ!
「突撃いいいいい!! 一番槍は貰ったあああ!!」
一気に加速して、一気に殴り込みに行く。今回は召喚獣を使わないって、アーリアと約束しているんだ。召喚獣だけで勝ててしまいそうだから。だから、負けることも考えて置かないといけないって事で、召喚獣は使わない。俺とアーリアだけの武力で何とかする。エナジーバレットを乱射しながら敵軍に突っ込んでいく。
そうだよな。普通なら周りが敵だらけになって、恐怖しか感じないはずなのに、恐怖なんて微塵も感じない。これはやられてるな。いくら俺でも解る。ゲーム脳では説明が出来ないレベルになっている。まあ、それでも良いんだけどな。今の事を考えれば、そういう洗脳が無ければ、恐怖で足が止まっているだろうし。何時頃洗脳が解けるのかは知らないが、知らないで良い事もあるとは思う。そう言う事もあるんだって思うようにしないとな。
殴る蹴るエナジーバレットを乱射する。それで一気に敵陣が崩れた。すかさず味方がなだれ込む。そして、本格的な乱戦が始まると思った。……味方後方からエナジーバレットの雨が降り注いできた。ああ、なるほどな。これが宮廷魔導士団のやることなのか。敵味方関係なくの掃射。これは、普通の精神状態なら出来ないだろう。味方に当たらないなんて保証は何処にもないんだからな。本当の意味で、俺たちは捨て駒にされているんだな。まあ、俺とアーリアに関しては、当たっても死なないんだけど。MNDが高すぎるからというよりは、全属性を70%カットしているからな。無属性魔法は効かないんだ。だから、当たっても問題ない。生き残れはする。
ただ、やっていることは外道のそれだとは思うけどな。マジで敵味方容赦なく攻撃してさ。敵が良い装備で固めていたら、味方が無駄死にするだけだろうに。無駄には死んでやらないが。どんどんと敵兵を討ち取っていく。そして、今回も後方にまで抜けきった。
「敵大将は何処だ? 首は貰っていくぞ」
敵大将を探さないといけない。エナジーバレットの雨を無視しながら、どんどんと敵を討伐していく。だが、敵大将が見えない。前線に居るのか? そんな事は無いと思うが。死んだにしても、死体は残るからな。それとも、逃げたか?
「いや、居た! 敵大将首を貰い受ける!」
敵陣右翼の指揮を取っていたらしい。大将が真ん中に居ない場合もあるのか。なるほどなあ。だから右から回り込めって言ったのか。初めから知っていたんだな。まあ、見つけたのであれば関係ないが。敵大将首は貰っていくぞ。また第15部隊の部隊長のお土産が出来るな。まーた何かを言われるんだろうとは思うが。大将首を狙った方が効果的なんだから、積極的に狙うのは当然の事だよな。その方が早く終わるんだから。
「敵将、討ち取ったり!」
首を高らかに上げる。敵の士気を下げるには、こうした方が良い事もある。さて、敵は壊走するだろう。指揮官が討たれたんだからな。
そうしていると、味方が押し込んでいって、敵右翼から壊走が始まった。まあ、こんなものだろうな。このまま一気に追撃戦を行う。追撃しながら、敵陣地を占領し、そこで俺たちの仕事は終わりのはずだ。だから、敵陣まで一気に雪崩れ込む。だが、それではつまらない。面白くない。なので、誰よりも先に、敵陣地へと向かった。狙うは指揮官だ。指揮官が1人な訳がない。交代するにも何人か来ている筈だ。それを襲撃する。敵大将首は多い方が良いからな。待っていろよ。俺がその首を貰ってやるからな。
天幕をぶち壊し、中に入っていく。多分だけど、豪華な天幕があれば、それが大将首だ。それを探して走りまわる。ついでに敵兵もなぎ倒していく。死んでないのかもしれないが、パンチで一気にHPを減らしていく。まあ、運よく生きていても、後で殺されるんだから一緒だよな。早いか遅いかの違いしかない。
「鎮まれ! 何事だ!」
「敵大将首いいいい!! 貰ったああああ!!」
「ぐはぁあ!?」
出て来てくれるなんて、なんて優しい首なんだ。出て来てくれて助かったよ。お陰でむやみやたらに走り回らないでも済んだからな。そんな訳で、2個目の首をゲットだぜ。槍に突きさして、2つとも掲げる。倒してやったぞ。敵将、討ち取ったり!
そんな事をして遊んでいると、逃亡する敵兵と、それを追いかける味方の軍勢がやってきた。さあ、終幕だ。ここを占拠したら、俺たちは帰って良い事になっているからな。とっとと占拠してくれないと困るんだよ。まあ、こんな場所を占領しても、何の意味もないとは思うけどな。こんな守りにくい場所に陣地を置いてどうしようって言うんだ。まあ、徐々に戦線を上げるのであれば、仕方がない事だとは思うけどさ。
「あー! ベル君またやってる!」
「はっはっは! 見ろ! 今度は2つも取ったぞ!」
「私だって結構殴り飛ばしたんだからね!」
「弱兵なんぞ恐るるに足りんなあ。弱すぎてどうにかなってしまうぞ。召喚獣も使わなかったのに」
「ねー。皆を使えば、もっと楽に勝てたよね? なんで使わなかったの?」
「戦力がバレると、ずっとここに留め置かれるからだ。よし。今がチャンスだ。帰るぞ」
「まあ、終わったからねえ。順当に敵さんも片付いたし、帰っても良いよね?」
「いいとも。俺たちの役割は囮なんだから。役目が終わったんだから帰るぞ」
「はあい。もうちょっと強いと良いんだけどね」
「もうちょっと強ければ、こっちが負けているだろうからな。今くらいで丁度良いとは思うぞ。まあ、歯ごたえが無いのはその通りなんだけどな」
「もうちょっと強ければねえ。何というか、楽しくないんだよ。それならヴァンパイアカウントと戦ってた方が楽しかったよ」
「後4年と少しの辛抱だ。兵役が終われば、遊びに行こうな?」
「ほんとだよね。お口直しが必要だよ」
ヴァンパイアカウント君は犠牲になるのだ。相手国の兵士が弱すぎるから。それの犠牲になるのだよ。何とも可哀そうな理由ではあるが、本当に弱いんだから仕方がないんだよな。俺だってもうちょっと歯ごたえがある敵と戦いたい。
まあ、当分先にはなるんだろうけどな。吸血鬼の町に戻れるのは何時になるやらだ。こっちで戦争を始めてしまったんだから、暫くは帰れない。帰れるのは、全部終わった後なんだよな。残酷である。これだったら、まだアーリアと模擬戦をしている時の方が楽しいからな。敵が弱すぎるのがいけない。なんでこんなに弱いんだろうか。まあ、味方もなんだけどな。




