行先はクレーバーの町
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待て、待て待て待て。この世界はあれか? ぶっ壊れ召喚士の世界か? そりゃあゲーム時代はなんでこんなバグが残っているんだよって言われたくらいにはおかしかったぞ? もしかしなくても、原作準拠したらそうなった? ……まあ、召喚士が最強というのは解った。解ったけど、INT極振りは馬鹿としか言いようがない。そもそも無属性魔法のエナジーバレットを使わせようという時点で馬鹿なんだ。無属性魔法は、全属性であって、そうじゃないから、問題しか起きないんだよ。無属性魔法はそういう悪いとこを全部取りましたって感じの魔法だから。普通は使えないから。
「いいか! 5年後! INTを伸ばして極まった君たちを、宮廷魔導士団は歓迎しよう。では、諸君らの栄光を祈る!」
「ねえねえ、宮廷魔導士団だって。そんな所に入ってもいいのかな?」
「いい訳がないだろ、このお馬鹿。普通に考えろ。INT極振りなんて死んで来いって言っているようなものじゃないか。普通に考えて、特化させる訳がないだろ? ステータスは満遍なく上げていくんだよ。全部INTに振ったら、1発食らったら死ぬぞ?」
「そうなの? でも宮廷魔導士団だよ? お給料は一杯貰えるんじゃないかな?」
「……沢山もらえるんだろうな。それで? 死んだら金をどう使うんだ? 年中戦争やってる国だぞ? 普通に死地に行くようなものだ。責めて特化させるならMNDだ。死なない様にしないといけないからな。まあ、そんな事はともかく、これからレベルを上げないといけない訳なんだがな」
「そうだよ。でも、ステータスってどうやって振るの? 職業が決まったからSUPも貰えたけど、それをどうやって使えば良いのか解らなくて……」
「どうやってって、最強になるために振っていくんだから、満遍なく育てるのはそうなんだが……。そうだな。この村からだと、クレーバーの町が拠点になるな。流石にもう実家には居られないんだろう? 俺もそうだし。それなら、ここからクレーバーの町に移動しよう」
クレーバーの町。まあ、ゲーム時代にもあったんだが、そこがまずは経験値スポットである。初期リスはターリアの村だったから、隣の町であるクレーバーの町ならここから何とか歩いて行ける。とりあえず、歩きながら色々と説明した方が良さそうだな。
「アーリアはゴブリンを素手で殴れるか? まずはそこから決めないといけないんだが」
「殴るのは簡単でいいよね。武器を持った方が難しそうだよ」
「そうなると、初期のSTRはいくつだ?」
「もういっその事ステータス全部見てよ。その方が早いじゃん」
ステータスは人に見せるものじゃないんだがな……。まあ、いいや。とりあえず、アーリアの今後がかかっているんだ。いい感じに育てていけばいいとは思う。
――――――――――
名前:アーリア
職業:召喚士
Lv:0
HP:66
MP:76
SUP:10
STR:11
VIT:12
INT:14
MND:10
DEX:6
AGI:9
――――――――――
「いい感じの初期ステだな。こうなってくると、STRに9、INTに1だな。STRは20で止める。INTも20で止める。これが基本だ。殴るのが得意なら、STRを先に20にまでする」
「その後はどうしたらいいの?」
「その後はVITとMNDを上げていくんだ。どっちも死ににくくするためのステータス上げになる。そもそもINT極振りなんて馬鹿のする事だからな。ステータスを無限に上げられる召喚士なんだから、特化するならMND全振りだ。それが解っていないのが本当に馬鹿だ。死んだら元も子もないんだ。生き残ることに全振りした方がいい。というか、召喚士なんだから、魔物で戦うんだ。召喚できる魔物は……。あれ? それもバグが修正されていないのか? となると、召喚制限は無い事になるんだけど……。それも試してみない事には解らないな。まあ、とにかく、ステ振りが決まったらさっさと振る。話はそれからだ」
「な、なんか解らないけど、解った。振るね?」
そんな訳で、振った後のステータスがこちら。
――――――――――
名前:アーリア
職業:召喚士
Lv:0
HP:66
MP:80
SUP:0
STR:20
VIT:12
INT:15
MND:10
DEX:6
AGI:9
――――――――――
これで良し。とりあえず、攻撃に使うSTRかINTを20まで上げる。それが鉄則だ。これからゴブリンの森で徹底的に使うからな。本当はSTRを20まで上げた方がいい。んだが、殴るのが下手なら、INTを上げた方がいいんだよな。……問題はMPが直ぐに尽きるし、ヒールにMPを回したいから、STRを上げた方がいいんだが。
それで、俺のステータスがこちら。
――――――――――
名前:ベルン
職業:召喚士
Lv:0
HP:60
MP:92
SUP:10
STR:10
VIT:8
INT:17
MND:12
DEX:7
AGI:11
――――――――――
ギリギリSTRが20になるので、全突っ張する。
――――――――――
名前:ベルン
職業:召喚士
Lv:0
HP:60
MP:92
SUP:0
STR:20
VIT:8
INT:17
MND:12
DEX:7
AGI:11
――――――――――
これで良し。これでチュートリアルは何とかなる。何とかならない場合は、リセマラ、と言いたい所なんだけど、普通に契約に失敗してもいいので、とりあえずレベルを上げることに専念した方が良いとは思う。
「とりあえず、今日はクレーバーの町で1泊するからな。そのくらいの金は貰ってきているだろ?」
「うん。10日は生活できるんじゃないかって言われているよ。ベル君もそのくらい貰ってるの?」
「大体同じくらいだな。まあ、明日以降は金額が増えていくだけになるから、そこの所は心配しなくても大丈夫だ。そもそも宿なしなら、何とかなるんだし」
「お宿が無いのは困るよ。寝るところが無いのは駄目だよ? 食べるものも無いのは駄目なんだよ?」
「まあ、そのくらいは稼ぎましょうって話だな。ゴブリンの討伐報酬で食っていけるから安心しろ。そこまで難しい事じゃないしな」
「本当かなあ」
ゲームの通りなら、な。ゲームでは、クレーバーの町は、ゴブリンの森と、精霊の泉がある。どちらもゴブリンか、最下級精霊が出てくる場所だ。初心者ならそこで狩りをするのが鉄板だ。まあ、どっちでもいいんだが、物理攻撃が効かない精霊を相手にする方が面倒なんだよな。最下級精霊から、物理無効のスキルを持っているからな。普通に序盤で出していい魔物じゃねえだろとは思うんだが、これはゲームなりの優しさなんだ。序盤から相性を考えて経験値を稼げよという、運営の優しさ、だと思っていたんだけどな。……現実に即したら、そんなゲームになりましたって感が強くなってきているような気がするんだよな。となると、契約のスキルも、ちょっと、いや、地雷スキルになるのか? 拒否デスとか言われた仕様になってるんだろうか。それだと非常に面倒なんだけどな。
因みに、召喚士のスキルは、どれだけレベルを上げても6つしか覚えない。契約、召喚、送還、交配、ヒール、エナジーバレットの6種類だ。何をどうあがいてもこれだけしか使えない。INT極振りにしたら、碌に戦えない召喚士が出来上がるだけなんだがな。それならまだSTRの方が汎用性がある。まあ、極振りするならMNDの1択ではあるんだけどな。HPとMPを確保しつつ、物理攻撃を何とかHPで耐えてヒールで回復するって方法がまだ何とかなる。
そもそも召喚士に攻撃を求めるなとは思うんだけどな。メインは召喚なんだ。魔物を戦わせるのが召喚士の基本なんだから。死なない様に立ち回るのが普通なんだ。エナジーバレットでどうにかしようだなんて、片腹痛い。普通に無理だから。あり得ないから。あり得ないことを、平然とやれと言っていた軍の馬鹿野郎が居たが、そんなのは無視だ。死ななければいいんだよ。5年間の兵役で、死ななければいいのである。死ななければ、軍から解放されるんだ。そして、未開地に行こうかなとは思っている。戦争よりもよっぽど有意義だとは思うぞ。




