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アスタロト、隠居を始める

新作投稿しました。

ここには神達、または、神格を保有していない者が住まう聖域。【神界】と呼ばれている。


神界には、それこそ数え切れないほどの神が住んでいる。階級に分けられており、【無神格者】【最下級】【下級】【中級】【上級】【最上級】【超級】に分けられており、【超級】は5名のみ存在している。



まず、【精霊界】を創造し、全ての妖精、精霊を束ねる【精霊神ラフラシア】性別はメス。


全てを破壊せんとする闘争心を有し、神界を狙わんとする混沌を破壊する【破壊神ゼビア】。性別はオス。


時空を除く全てを創造し、生命から星に至るまでを創造した【創造神ビュノン】。性別はオス。


善悪を司り、災ある者に天罰を、祝福ある者に善意を施す【六道神ミクス】。性別はメス。


そして最後に、時間と空間を操り、囚われたものは時空ごとねじ切られると噂の【時空神アスタロト】。性別はオス。


超級神族は己の思うがままに行動する。


そんな超級神族はたまに会議をする…のだが。


「またアスタロトのやつは欠席か。」と創造神が。


「いつもの事だよね〜。」と精霊神が。


「どこをほっつき歩いてんだよ。あの野郎。」と破壊神が。


「そろそろ処すか?」と六道神が。


「まぁよい。今宵も会議を始める。まぁ会議とはいえないがな。」


「ただ集まっただけだもんねー。」


「ゼビアですら毎回来てんのにな。」


「俺ですらってなんだおいミクスこの野郎。」


「おだいを話すぞ。今年も神学の入学式が近づいておる。前回は最上級神のやつに挨拶してもらったが今回は我々のうちの誰かがやる事になった。」


「1人欠けた状態でそれ決めんのか?」


「私何回やったか忘れたなぁ〜。」


「俺もかなりの回数やったな…。」


「ミクスもまぁまぁやってるぞー。」


「ワシもそれなりにやっとる。」


「あいつやってるとこ見た事あるか?」


ゼビアの発言に対し、他の3人は無言だ。


「仮にあいつに決めたところで神出鬼没だから来ないかもしれないぞ。」


「さ、流石にやってくれるんじゃないかなぁ〜。」


「しっかし、あいつの移動手段である空間移動が神界でも行けるってやべぇな。」


「基本的に神界って空間いじれないですもんね…。」


「もしかして、下界に行ってる可能性があったりして…。」


「冥界の可能性もありうるな。」


「今回はあやつにやらせる事にしよう。わしは決めたぞ。」


「「「賛成。」」」


本人の与り知らぬところで決定した。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■





一方、アスタロトはというと…。


「暇だな…。」



アスタロトは冥界に居た。冥界の最上級神ハデスが貯蔵しているワインを飲んでいた。


「ハデス、暇だからなんかしよう。」


「私でよろしいのですか。」


「あぁ、そうだな…。近くに混沌溜まりがあるだろ。」


「はい、確かにありますね。」


「一撃だけでどんだけ削れるか勝負でもするか?」


「えぇ…それは私に勝ち目なくないですか。」


「別に何かを賭けるわけじゃないんだし問題ないだろ。」


「まぁ、混沌溜まりを減らすのは我々の使命でもありますからね…。」


「ほら、いくぞ。」


アスタロトはハデスの肩を持ち、転移する。


着いたのはハデスのいた神域から数十kmほど離れたところにある混沌溜まりだ。


「前回見た時からだいぶ大きくなったここ。」


「一応配下の者達に排除させてはいるんですがここ最近排除量を上回るペースて増殖してまして。」


「なら、俺から行くぞ。」


すると、アスタロトは適当に混沌溜まりにある場所の空間を指定して削除する。そこに出来たブラックホールを周囲の空間を際限なく引き伸ばすことでこちらへの影響を無効化した。


「ほい終わり。次ハデスの番ね。」


しかし、ハデスから返事がない。


「おいどしたー。」


「いや、私のやる分が残ってないんですが。」


「あ、全部消しちまった。よし、別の場所に移動だ。」


そしてアスタロトはハデスとともに近くの混沌溜まりに転移した。転移先も先程と同規模の混沌溜まりがある。


「お、ちょうどいいな。やっちまえ。」


「はぁ、分かりました。」


ハデスは手を伸ばし、拳を握る動作をとる。


すると、混沌溜まりの周りに黒いモヤが生成され、そのモヤが混沌溜まりを握りつぶす。


「お、ハデスも全部出来てんじゃん。」


「これは引き分けですかね。」


「だな。しかし、これだけだとさらに暇だな。よし、ハデス。俺ちょっと神界の中でも田舎の方に行ってくるわ。」


「あ、またふらっとどこかに行くんですね。分かりました。他の4人の誰かが来たら言っておきます。」


「頼んだ。」


アスタロトは転移する。その手際の良さはハデスから見ても一目瞭然だ。


そして、アスタロトは田舎の方にやってきた。


ここには神格保持者はほとんどおらず居るのは、中級神の筋肉神アベトだけだ。


どうやらアベトが辺りの警備なんかをしてるようだ。もちろん遠目に観察した限りではあるが。


田舎の神域内に入る。


中には質素な家が並び、無神格者が大勢いる。


子供達の声が聞こえる。


アスタロトが歩いていると、1人の子供に声を掛けられた。


「なぁ、そこの兄ちゃん、何しに来たんだ?」


「ん?あぁ、ぶらつきにきただけだ。」


「ふーん、兄ちゃんって神格持ってるのか?」


「持ってるぞ。」


「すげぇ!何級なんだ!?」


「今は言えないな。」


「ちぇー。」


「それよりもここはのどかだな。近くに混沌溜まりも無いのがいい。」


「ここは住みやすいぜ!」


「そうかそうか。なら俺もここに住んでみるか。」


「なら他のやつに言ってくるぜ!」


そうして子供は大人の所へ走っていった。


暇になり外に置いてある椅子に座り、服の中にしまっていた本を読み始めた。


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□





この俺、筋肉神アベトは神界の中でもかなり端の方にある村で生まれた。才能があると見込まれ学園に行き、見事神格を獲得した。


そして、鍛え始めて140年ほど、筋肉神という神格に変わったのだ。なんと中級だった。階級的には真ん中ではあるが育った村の用心棒として過ごすのも悪くない。それにいつ混沌溜まりが現れるか分からない。村での戦力はあるに越したことはない。


だがある日、村の子供であるシペから、一人の男が村に住み始めると聞いた。


なんでもその男も神格を持っているらしく友好関係を結びたいものだ。


いざ、男の居るだろうところに向かう。


シペに案内されて向かったところは空き家となっているところだ。そのベランダの椅子に男が座っていた。灰色の髪に赤と青の目をしたローブを着た男が椅子に座り本を見ている。


「お、あんたが村に住み始めるっつうやつか?」


すると、男は片手で本を閉じ、懐に本をしまうとこちらを見た。


「そうだ。あんたは小僧が言っていたアベトというやつだな。」


「そうだな。まさかこんな辺境の村に神格者が来るなんて思ってなかったけどな。」


「隠居するのに手頃な村を探していただけだ。ここなら落ち着けそうだとな。」


「それならその後ろにある家を使ってくれ。今そこは空き家でな。前の住人が居なくなって200年ほど経ってるんだ。ぜひ使ってやってくれ。まぁ、家はボロっちいが。」


すると、男は「ふむ。」と頷いたのち、家の方に向かって手を伸ばす。


(何をするんだ…?)


すると、突然家が修復?されていく。そして新居と見間違うほどまで治った。それだけではなく辺り一帯の地面や枯れた畑すら治っていた。


(いや…。これは修復なんかじゃない…!巻き戻しだ!だとするならこの男は上級以上はある…!)


「名前を聞きたい…。」


「俺はアスタロト。神格名は言わん。勝手に予想でもつけておけ。」


(なんと、神話でも聞いた事のあるような名前だ…。神格名は言ってくれなかったが、明らかに時間に干渉するタイプの神だ。それだけじゃない。空間にも干渉している節がある。まさか…。)


すると、アスタロトはその部屋に入っていった。


あの男に対して、絶対に対応に気をつけなくては…。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



最初、アベトという中級神が挨拶に来た。どうやら村出身の用心棒らしい。神格からして一応戦闘系だろう。混沌溜まりが発生した時に実力を見てみるのもいいかもしれない。


そうして夜になったので俺は空間からベッドを取りだして就寝した。


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