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大胆なのか天然なのか!?

 〈っっっっっごい楽しかったっ!!ありがとうハマ

  ちゃん♪〉

 その言葉を聞いた浜崎は大いに顔を綻ばせると喜び

 と安堵の入り混じった、なんとも複雑な表情で

 〘良かった~~!!〙

 とたった一言安心の言葉を述べた

 〈知らない事、行った事ない所ばかり!自分1人だ

  ったら一生体験出来なかったかもしれない貴重な

  体験だったよ、ありがとうございました…〉

 そう言って深々と頭を下げる

 晴子のかしこまった礼を両手で制しながら

 〘止してよ、僕がハルちゃんに楽しんで欲しくって

  計画したんだから!お礼なんてそんなの良いよ〙

 〈それでも今度、何かお礼させてよね!〉

 〘そんなの良いよ~ハルちゃんには感謝しっぱなし

  だし〙

 〈残業の件ならもう良いのに…〉

 〘それだけじゃないよ…〙

 〈え???〉

 〘何よりバイクに目覚めさせてくれた!ハルちゃ

  んに言われてなきゃ、きっと一生バイクの免許

  取ろうなんて思ってなかったからね!おかげで

  今、毎日がすごく楽しいんだ!〙

 嬉しそうに語る浜崎の表情から、心底バイクにハ

 マっている現状が見て取れる、見ていて眩しいぐ

 らいのその笑顔に、思わず照れながらも

 〈アタシも四輪に興味がわいたよ(笑)〉

 と、茶化して返すのが精一杯だった

 何か言わなきゃ、、、、、

 この時間が終わってしまう…

 、、、、、、、、、、、、、、、

 〈と、ところでハマちゃん、、、、〉

 〘ん?どうしたの?〙

 〈今日、アタシ…その、、、どうだった?〉

 〘え???〙

 浜崎にはいまいちピンと来てないようだ…

 仕方ない!!

 〈その、何て言うか、、さ、、あるでしょ

  、こう…可愛かった~とか、、、さぁ…〉

 思わずストレートな質問になってしまい、派手に

 赤面する晴子… 

 だが、意外な事に浜崎は一向に動じる事なく

 〘ハルちゃんは朝来た時から今までず~っと可愛

  かったよ♪〙

 !!!!!

 何の臆面もなくサラリと言い放つ浜崎…

 脇で聞いていた自転車に跨る女子高生が、思わず

 目を向いて浜崎の後頭部を凝視している

 その空気に耐えられなくなり、晴子は

 〈ホント!?あ、あ、、、ありがとう…〉

 消え入りそうな声で礼を言うのがやっとだった…

 自転車の女子高生は晴子を一瞥すると、ムフフと

 いった表情でペコリと軽く頭を下げ ”ごちそう

 さまでした” とでも言いたそうに自転車を漕いで

 去って行った

 〘それじゃまた会社で!バイバイ♪〙

 〈あ、バイバイ!〉

 いささかも照れた様子もなく軽く手を振って車に

 乗り込む浜崎…

 ハイラックスが走り去るまで、後ろ姿に小さく手

 を振り続ける晴子…

 浜崎は他意があってかそれとも天然なのか?こち

 らがドキリとするほどのド直球な発言で驚かせて

 くれる

 (純粋なんだろうな…)

 晴子はそう結論づけた、舞い上がりすぎも良くな

 い、浜崎に限って遊ばれてしまう、などと言う事

 はないだろうが、それにしても、こちらが思って

 いる事と浜崎の考えには乖離があるのかも知れな

 い

 とは言え帰路の間、終始ニコニコだった事を晴子

 本人は知らない

 〈一日可愛かったってさ~APEちゃん♡〉

 意味なくAPEに跨ると、訳の分からない独り言を

 言いながらタンクを撫でる

 傍から見たら不審者の様な行動だ…

 ガチャリと玄関を開けると

 〈ただいま~♪〉

 と機嫌よく独り言を屋内に呼びかけ、スニーカーを

 脱ぎ捨てる

 そのまま洗面所へと駆け付け、靴下を脱ぎ居間に直

 行、ドサリとソファーに身を預ける…

 時刻は夕方5時30分…

 じきに夕食の準備をしなければならない…

 〈あ~楽しかったなぁ…〉

 目を閉じて今日一日の出来事を頭の中で反芻する

 初めていったサーキット、様々なスポーツカーが駐

 車場に並び、およそ自分とは縁のない世界かに思わ

 れたが、自分でも関われる世界だと浜崎が教えてく

 れた、自動車ではなくカート、だがまぎれもなく四

 輪車、その初走行は、決して順調でも快適でもなか

 った……だが!楽しかった!

 二輪とはまた違った操作感、カートならではの独特

 な解放感は、バイクのそれにほど近いのだが、それ

 でも十分に四輪、としての運転を味わう事が出来た

 思い出してみても、またあの新鮮なワクワクが蘇っ

 てくる!

 釣り堀も良かった!釣りなど、本当に幼かった頃、

 父に連れられてコイの釣り堀に行って以来だった…

 釣った魚を食す事など勿論なく、自らが竿を持って

 釣る事もほぼ無かった

 コイはサイズが大きく力も強い、万が一引き込まれ

 でもしたら大変だ、という父の配慮であったのだろ

 うが、それが幼心に ”釣りなど退屈” という偏見

 を植え付けていた

 浜崎のチョイスはニジマスの管理釣り堀、サイズも

 絶妙で女性でも安心して釣る事が出来る

 しかも、釣った魚を食す事が出来たのだ!

 塩焼きもフライも美味しかった♡

 そしてレッドバロン…

 前から興味のあった車種に色々出会えた…

 中でも浜崎が興味を示していた車種の数々は、自身

 の興味と酷似していた部分が多く、色々と参考にな

 った、GB350は晴子も興味があった車種、車検があ

 り、価格もSRと変わらない事から ”どうせ買うな

 らSR” となってしまうのだが、色々と知りたい事

 は知れた、FTRもやはりバイク屋さんの店員の目か

 ら見ても魅力的な車種のようだ、ギリギリまで候補

 で悩んでみるのも良いだろう…

 ハーレーのX350 …

 〈由貴さんの下っ端みたい…か、フフフ〉

 つい独り言で笑いがこみ上げる

 CB400SS…カッコ良いバイクだった、ただこれもま

 た、どうせ車検アリを買うのならSRを買うだろう…

 などと物思いに耽っていると

 ピーッピーッピーッ

 と、炊飯ジャーが炊き上がりを告げるアラームを鳴

 らした

 炊き上がりは6時にセットしておいた…

 〈もう6時か~〉

 晴子はガバッと身体を起こすと、おもむろにスマホ

 で検索を始める

 ワードは ”タルタルソース” ”レシピ” だ、今日

 はニジマスのフライが持ち帰ってある

 あの釣り堀ではソースで食べたが ”これはタルタ

 ルソース” だな!と晴子は思っていた

 あるある♪美味しそうなレシピが…玉ねぎはみじん

 切りにした物がすでに冷凍してある、あとは玉子

 を茹でて、マッシャーを出すまでもない、スプーン

 で潰せてしまうだろう…と……

 ん?らっきょうのタルタルソース!?何だろコレ?

 らっきょうなら確か…

 急いで冷蔵庫の中を確認すると

 〈あった!!!〉

 瓶のラッキョウの食べかけ、ちょうど半分程度残っ

 ている、十分だ!これで行こう

 とたんにやる気が出てきた!そのまま鍋に玉と水を

 入れると、火にかけて他の者を準備する

 塩、砂糖、酢、マヨネーズ…

 正直タルタルは玉子を潰して混ぜるだけだ…

 そう思い味噌汁作りに取りかかる

 (何が良いかな~♪)

 機嫌よく冷凍室の中身とにらめっこしていると、下

 ごしらえした大根が見つかった、油揚げもある!

 あとは豆腐を切って入れれば完成だ…幸い豆腐も今朝

 使った残りが半分ある

 いつも使う小さめの手鍋に水と出汁の元、具材を入れ

 てクツクツと沸かせば、あとは味噌を溶かし込むだけ

 ほとんど手間をかけずにニジマスのフライ定食が完成

 した、少し緑が寂しいので、これまた冷凍してあるホ

 ウレンソウの御浸しとニンジンしりしりで良いだろう

 これらを作っている間に玉子が茹で上がったようだ…

 鍋のお湯を捨て、水を入れて冷ます…

 粗熱を取ってやらないとマヨネーズが分離してしまう

 のだ

 〈あ~そうだ!メイク落とさなきゃ!?〉

 玉子を冷ましてる間にメイクを落とす、佳澄のおスス

 メのメイク落としは非常にメイクの浮きが良く、洗顔

 するとすっかりスッピンとなる、しかも肌に残りにく

 いのだ

 すかさず化粧水で保湿!乳液でコート!佳澄の教えを

 忠実にこなし、今日も美肌へ一直線!と言いたい所だ

 が、帰宅後すぐに洗顔するつもりがすっかり物思いに

 耽ってしまった…まぁ帰宅がそれだけ分遅くなったと

 思えば良いだろう…

 気を取り直してキッチンへ戻ると、味噌汁の良い香り

 が漂っている

 下ごしらえしてから冷凍するようになって、味噌汁を

 作るのが格段に速くなった!

 エミの教えのおかげなのだが、毎朝作ってもまるで苦

 にならない、何せ10分かからず、しかもほぼ鍋に入れ

 るだけなのだから… 

 水を入れた鍋から玉子を取り出し、殻を剥いてる最中

 もずっと冷凍の仕込み食材の事を考えていた

 スプーンで玉子をマッシュしながら、お弁当作りに励

 むようになった経緯を思い出す

 1人だったらずっと社食のままだったろう、例えばバ

 イクに乗っていなかったら、買おうと思っていなけれ

 ば、今日の様な日はウーバーイーツで済ませたかもし

 れない…

 少しでも倹約したい、趣味にお金をかけたい!と、始

 めたお弁当、今ではすっかり皆と楽しんで作っている

 今出ている御浸しも、以前なら買ってきたスーパーの

 出来合いの物だったであろう、キンピラも冷凍庫に仕

 込んである、唐揚げなんかもイチイチ油を使うのは面

 倒だった、冷凍保存に目覚めてからは、一度にまとま

 った数を作り、あとは解凍の日々である…

 タルタルに胡椒を振りながらそんな思いに耽っていた

 (ずいぶん生活が変わったなぁ…♪)

 だがこれは、明らかな向上!最近では料理も楽しんで

 作る事が出来るようになった、一人暮らしでの食事の

 用意は苦痛な場面が多いが、楽しんで料理が出来ると

 言うのは本当に幸せだった…

 〈出来たっ!!〉

 刻んだらっきょうで作るタルタルソースの完成だ!

 少し酢が甘いのがタルタルになるとどうなるのだろう

 か?

 ニジマスのフライのパックをレンジにかけ、味噌汁を

 椀によそう、皿にはホウレンソウの御浸しとニンジン

 しりしりが主役を待っている…

 チーン♪ 電子レンジが主役の登場を告げる

 〈アチチチ…〉

 パックの余熱に指を火傷しそうになりながら取り出し

 て更に盛り付ける

 テーブルに全て並ぶと、余りにも良い出来に思わずス

 マホで画像を撮影する

 〈うん!まるで定食屋さんみたい…〉

 自画自賛すると皆にも見て欲しくなり、すぐに”作戦

 会議”にメッセージと共にアップする

 ”いただきまーす♪” と銘打ったその画像に、皆がす

 ぐさま反応する

 『わぁ~フライ美味しそう!タルタル良いですね』

 「手が込んでるね!」

 <定食屋さんだ!>

 ❝あら~美味しそうね!うちも今度フライにしようっ

  と♪❞

 〈フライは出来合いの物だけど、タルタルとかは自

  家製だよ(らっきょう)〉

 とメッセージを残し、冷めないうちに食べる事とした

 〈いっただっきま~す♪〉

 ちゃんと手を合わせ、いただきますの後に早速フライ

 にかぶりつく、すると…

 〈美味しい!何コレ!?〉

 ニジマスのフライにタルタルは合う!晴子の予想通り

 ではあったのだが、それ以上にらっきょうのタルタル

 ソースがフライに絶妙に合う!

 らっきょうの甘酸っぱさ、それが甘くなり過ぎず、且

 つ酸っぱくもなりすぎない絶妙なライン、ネットのレ

 シピを考えてわざわざ情報を上げているだけの事はあ

 る、レシピの主に感謝しつつ、このタルタルは晴子の

 心に、新たなレシピとして深く刻まれた

 フライならこれだな!と…

 今日と言う楽しかった日、恐らくは今後も忘れる事の

 出来ない思い出…

 その一日を締めくくる大事な食事にピッタリな

 美味しい晩ゴハンだった…。

 

















 





















































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