デートの終焉…
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
〘良い時間になっちゃったね~急ごうか!〙
〈もう目的は果たしたんだから急がなくっても…〉
〘携帯コンロ見に行くんじゃないの??〙
〈あ、、忘れてた(笑)〉
バイクの魅力にすっかりやられてもう一つの目標
をすっかり失念していた…
〘すぐ近くにジャンボエンチョー(ホームセンタ
ー)があるからそこへ行こう!〙
そう言いつつ浜崎はやや細い道を左折した
少し走ると中程度の大きさのホームセンターらし
き建物が見えてくる
夕方という事もあり、駐車場はガラガラだった
〘ここは工具とか多めのホームセンターだからき
っと品揃えは良いと思うよ〙
〈なんでエンチョーなんだろ??〉
晴子は素朴な疑問を投げかけた、すると…
〘あ、それね!前に調べてみた事があるんだ、実
は創業者の名前らしいよ、遠藤長太郎さんって
言うらしい〙
〈へ~~~!!って調べてみたんだ!?〉
〘うん、気になったからね(笑)〙
そんな話をしながら店内へと足を運ぶと、雑多な
売り物の山が所狭し、と並べられ、レジ回りには
生活必需品、端へ向かうほど玄人向け、となって
いる感じの陳列のようだ
天井の表示板を頼りに”キャンプ用品” ”アウトド
ア用品” といった売り場を探す、程なく”レジャ
ー関連” といった表示の区画に、箱詰めの炭を
発見した
〈炭売ってる!〉
〘多分この近辺だね!〙
そんなやり取りをしつつ、目を皿のようにして探
していると
〘あったあった!ここだ〙
と浜崎が目的の商品を探し出した
展示品を見ると ”こんなに!?” と思う程の商
品がズラリと展示されていた
〘プリムス、コールマン、キャプテンスタッグ、
アイリスオーヤマ、まぁほとんどのメーカーは
網羅してるね…〙
〈いっぱい種類があるんだね!?〉
〘あの店ではどうだった?〙
〈いっぱいあったけど、あの時はあんまり予備知
識がなくって…〉
〘まぁ普通は知らないよね(笑)、昨日はあれか
ら調べてみた?〙
〈うん、なんかハマちゃん言ってたみたいにコー
ルマンってのがおススメで多かった…〉
〘プリムスも間違いないよ、あのカセットコンロ
で有名なイワタニだよ…〙
〈あ、あの一番よく見るカセットコンロのガスボ
ンベの所?〉
〘そうそう!まぁ今どきは何処のメーカー買って
も間違いないけど、後は携行性とかデザインと
か価格の問題だよ〙
しばらくジッと売り場を眺める、正直どれがどう
、というのは今イチ眺めていてもピンと来ない…
その様子を察したのか、浜崎が解説し出す
〘たとえばこのキャプテンスタッグだと、折りた
たんで仕舞うとこの丸い筒状のケースに収まっ
てこの大きさになる〙
そう言って浜崎が見せたコンロの本体は、お弁当
のライスジャー程度の大きさだった
〈へ~!!こんなコンパクトになるんだね!?〉
〘他のメーカーも携行性には努力してるからね、
似たようなコンパクトサイズだよ〙
各メーカーを手に取って比べてみる、確かに大き
な差は感じられなかった
〘ただ、ここからボンベが必要で、更には沸かす
水はペットボトルで持って行かないとならない
し、ケトルも要るだろう、リュックの大きさと
も相談しなきゃならないね!〙
〈お湯沸かすセットとカッパを持ってったらタン
クバッグがパンパンになりそう…〉
〘まぁ由貴さんのハーレーみたいにサイドバッグ
付けるのもアリだよね…〙
なるほど!それもアリなのか?思ってもいない手
段だった
〈あれって後で付けれるの?〉
〘もちろん!ただハーレーとかは車体にバシッと
似合う純正品があるんだけどね、CB223Sの純正
ってのはどうだかは把握してないな…〙
サイドバッグか、、常にカッパを入れておけば安
心出来るな…
おっと、肝心のコンロを吟味しなくては…
一瞬よそ事に気を取られた隙にも、浜崎は真面目
に商品を吟味してくれている
〘正直言ってどれを買っても、そうそう差が出る
、といった類の物じゃないよ、だからデザイン
が気に入った、とか、なんならボンベの柄が好
き、とかでも良いんだよ、僕はもう7年ほど使
ってるけど壊れた事全然ないから〙
〈そんな丈夫なの?〉
〘使用頻度が少ないって事もあるだろうけど、あ
まり壊れたりする物じゃないから…〙
つまり、長く使う!と言う事だ、気に入らない物
を買ってしまうと後悔しそうだ…
更に目を皿のようにして商品とにらめっこする
ん?ボンベの柄??
ふとボンベに注目すると、イワタニの黄色、コー
ルマンとキャプテンスタッグの緑、アイリスの黒
と書くメーカーの個性が見えて来た…
好み、好み…この中ならこれかな!?
晴子はキャプテンスタッグのボンベを手に取ると
コンロと合わせてみる
うん!カッコ良い!!
〈アタシコレが好きかも!!〉
〘お!?キャプテンスタッグ、やっぱりボンベの
ロゴがカッコ良いよね?〙
〈ハマちゃんもそれだった?(笑)〉
照れ臭そうにコクリとうなづく…本人が言ったよ
うに、こういった物を選ぶ基準は単純な事が多い
価格は4,580円、奇しくも昨日見た携帯コンロと変
わらない値段だ
〈値段も手頃だし、何よりちょっとビビッときた
感じだしね…〉
〘ならそれで決めても問題ないね、お揃いのキャ
プテンスタッグってのも悪くない…〙
こういう時は臆面もなくサラッと言えるのだな?
と浜崎の照れの基準に疑問を抱きつつ、コンロと
ボンベを手に取ってレジへと向かう
会計を済ませた後、隣の建物にペットコーナーが
ある事を思い出した浜崎が
〘そういやペットコーナーがあるよ、ホラそこ〙
と、晴子に告げた
大の動物好きの晴子は
〈見たい!見たい!〉
とすぐに食いついた…
(どんな動物がいるのかな??)
ワクワクしながら向かう晴子の足取りは、まる
でスキップするかのように軽い
想像していたよりはるかに多種なペットを扱っ
ているようだ、犬、猫はもちろんの事、カメ、熱
帯魚、フェレット、ウサギまでいる…
〈キャ~見てみてこの子、ちっこい!まだ生後1
ヶ月半だって!〉
アビシニアンの子のケースの前で大騒ぎする晴子
をよそに、浜崎は少し離れた売り場で何かに足を
止めていた…
〈何見てるのハマちゃん!?わ!可愛い!!〉
浜崎が見とれていたのはミニウサギだった、よく
見知ったウサギ、といった姿なのだが、これが小
さくて非常に可愛らしい
〘ウサギ好きなんだよ~小学校の頃学校に居てさ
、皆で可愛がってたんだけど、エサあげすぎで
丸まる太っちゃって…〙
〈うちの学校はニワトリだったなぁ、エサ当番だ
と手を突かれて痛かった覚えが…〉
〘でもニワトリって懐くよねぇ、1週間ぐらい当
番だと3日目ぐらいからエサあげる時に膝に乗
ってきたりさ…〙
〈え、、そうなの!?全然懐かれなかった…〉
晴子が少しヘコんでいると
〘まぁ女の子からしたらまずは怖いよね、うちの
学校のニワトリは抱っこしても暴れなかったな
ぁ…〙
〈え?ニワトリって抱っこ出来るの?〉
〘僕は余裕だったね、最初は突かれたけど、うち
の学校のニワトリが特別だったのかなぁ?皆懐
かれてたよ〙
ニワトリを抱っこするなど聞いた事もない…エサ
入れを置くときに突かれた覚えしかない…
〘基本的に鳥は人懐っこいって言うね…〙
そう言いながらすぐ横にあるカゴの中のオカメイ
ンコに指を伸ばす浜崎…
噛まれるかと思ったら、オカメインコは軽く浜崎
の指をついばんだ後に ”チュッ” と一声鳴いて
浜崎を見つめている
〘オカメは可愛いね~ついばまれたところで何て
事もないし(笑)〙
たしかに!オカメインコなら晴子も怖くはない…
試しに晴子も指を出してみると、カゴの隙間から
晴子の指をかるくついばんで ”チュチュッ” と
鳴く
〈ホントだ、全然痛くない…〉
〘うちで昔飼ってたインコは朝 ”おはよう” っ
て挨拶してたら ”おはよう” って返って来る
ようになったな〙
〈やっぱ教えると喋るようになるの?〉
〘教えてはいないんだけど ”おはよう” と ”
ただいま” は勝手に覚えちゃった…〙
家に帰ってインコに「ただいま」と言い「おかえ
り」などと返って来る生活…
想像すると少しニヤけてしまう
〈アタシ動物は全般的に好きだけど、1人暮らし
でペットって飼えないよねぇ…〉
〘仕事行ってる間お留守番とか可哀そうだよね…〙
〈そうだよね、、、〉
そうなのだ、もし病気で入院などしたら…
そう思うと安易にペットは飼えないのだ、こうし
て眺めているだけで満足するしかない…
〘まぁ今どきは自動給餌気とかペットモニターと
かもあるけど、それでも孤独にさせるのは可哀
そうだよね…〙
犬を飼えば可能な限り散歩に連れて行き、猫を飼
えば快適であろう空間とお世話をする気持ちはあ
る、だが、それでもやはり気が引けてしまう…
その後も浜崎と、あれやこれやのペットを眺めて
は、黄色い声を上げる晴子…
〈あ~みんな可愛かったなぁ♡〉
眼福眼福♪可愛いペットたちを見て、今日一日の
疲れも吹っ飛ぶ気持ちだった
〘ハルちゃんは犬派?猫派?〙
〈どっちも大好きだけど、おんなじくらい…強い
て言うならビビッと来た子が良いかな!〉
〘そっか~、基本動物好きなんだね?〙
〈そうそう!大きい子も小さい子もみんな好き
だよ!〉
〘なら名古屋に行けばドッグカフェや猫カフェ、
フクロウやタカとかハリネズミなんか触れるカ
フェがあるよ、ツーリングで目指すと良いかも
ね!〙
〈ハリネズミ!?そんなのあるんだ?〉
知らなかった…今どきは色んなカフェがある事は
知っていた
だがハリネズミカフェまであるのか…?
そんな話をしながらハイラックスに乗り込む…
楽しかったデートも大詰め、いよいよ帰路に着い
てしまう
少し物悲しく思いながらも、今日一日の道のりを
思い出しては笑みが自然と浮かんでしまう
(楽しかったなぁ…カートも、釣り堀も、レッド
バロンも、、、ホームセンターだって…)
晴子の気持ちとは裏腹に、帰り道はさしたる混雑
もなく、また浜崎の辿ったルートが絶妙で、渋滞
らしき渋滞にもハマらずに
待ち合わせをしたコンビニに着いてしまう…
どうやら浜崎は優秀なドライバーのようだ…
〘今日一日どうでしたか?ハルちゃん…〙
少しかしこまった様子で尋ねる浜崎…本当に晴子
が楽しめたかを気にしているのだろう
晴子は少し微笑んでから1タメすると
〈すっっっっっ、、、、、、、、、、、〉
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




