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頑張れお昼ご飯!?

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 〈あ~楽しかった!!これまた来てみたいなぁ♪〉

 〘今度はトヨタのに行こうか、近いしコースも違う

  からまた新鮮な楽しみがあるよ〙

 〈カートは同じ感じなの?〉

 〘そうだね、ほとんど同じ感じ、だけどあっちは

  子供を英才教育してる親御さんとかが良く来て

  るから…〙

 〈から??〉

 〘中学生とかにバンバン抜かれるよ(笑)〙

 〈え~~!!ヤダッ!!!!〉

 〘あはははは、ハルちゃんは負けず嫌いだからな

  ぁ(笑)〙

 カートなど存在を知ってはいても、まさか自分が

 乗る機会が来るなどとは思ってもいなかった…

 もはや慣れた感じでハイラックスに乗り込む晴子

 それを見ながら嬉しそうに満足げな笑みを浮かべ

 る浜崎に気づき、晴子は

 〈どうしたの??〉

 と、問うのだが

 〘いや、ハルちゃんが思いのほか楽しそうだった

  からここに来て良かったなぁって…〙

 〈うん!とっても楽しかった、今度はもっと大人

  数で来たいかな〉

 〘いいね!川本主任とかエミさんもミキちゃんも

  、由貴さんだって!〙

 〈あ~でも、由貴さん負けるとすごく怒りそう…〉

 2人で大いに笑って話は弾む…

 浜崎にもらった緑茶を飲みながら、あれやこれや

 と想像を膨らませる

 エミやミキや由貴といる時も、もちろん心の底か

 ら楽しいのだが、今日はまた違った楽しさがある

 最近、川本と付き合いだしてエミの表情がそれま

 でと違って、少し穏やかな、何と言うか菩薩じみ

 た表情に感じられる時が多々ある

 (エミちゃんもこんな感じなのだろうか?)

 恋人が出来たエミの心境を想像するに、今の自分

 の心境がそれにほど近いのではないか?と思い至

 る…

 以前に何かのドラマで、それまで表情が乏しく、

 何の演技をしていてもあまり共感出来なかった

 女優が、ある作品の途中から、急に表情豊かにな

 り、作品が完結した後、恋人役と熱愛が報じられ

 た事があった

 晴子も ”あぁやっぱり!” と思ったものだが

 自分にも同じような事が起こっているのだろうか

 だとしたら、あの3人には自分の気持ちが気づか

 れるのも時間の問題だろう…

 〘ちょっと急ぐよ…〙

 そう言うと浜崎はスピードをやや上げた、何か急

 いでいる様子が見て取れる

 〈どうかしたの?ハマちゃん〉

 〘いや、お昼ご飯がね、、頑張らないと遅くなっ

  ちゃうんだ…〙

 〈遅くなる?無くなるとか売れちゃうとかじゃな

  くって?〉

 訳が分からない、遅くなるとはどういう事なのだ

 ろうか?

 〘行けば分かるよ…〙

 〈またナイショなのね…(笑)〉

 〘そうそう、ゴメンね…〙

 〈いいよ、楽しそうだしね♪〉

 何だろう?全然想像がつかないが、なんだかちょ

 っぴり楽しい予感がする、いや!きっと楽しいだ

 ろう 

 晴子のしらない世界を浜崎がまた見せてくれる

 そんな気がするのだ

 行き道で浜崎にあぁでもないこうでもない、とカ

 ートの乗り方について質問攻めにする

 〘ステアリングワークには ”コジる” って概念

  があって、それをすると ”アンダーステア” 

  と言って前輪がグリップせずにアウト側へ膨ら

  んでしまう現象が起きるんだ〙

 〈それって悪い事なの?〉

 〘そうだね、早くコーナーを曲がりたいんだった

  ら絶対に避けるべき挙動だよ、もうこれ以上は

  タイヤのグリップが限界だ、って所から更に無

  理やりステアリングを切り込む事、とでも言え

  ば良いのかな…表現が難しいんだけども…〙

 〈なんだか難しいんだね…〉

 〘コジってる人は傍目に見てても一発で見分けら

  れるよ〙

 〈そうなの!?〉

 〘街中で運転してる車でも ”あ、コジった” っ

  てすぐ分かるよ(笑)〙

 〈そういう感覚的な物なんだね…〉

 〘そうそう、ハルちゃんなら車の免許取れば意外

  とすぐに ”あぁこういう事か” って分かると

  思うよ〙

 浜崎は見てわかるというステアリングを ”コジ

 る” と言う感覚

 一朝一夕では身につかないだろう…

 パーシャルの時はエミのおかげで由貴の実演を交

 えて理解する事が出来た…

 今でも日常的に使っているテクニック、、、汎用

 性が高く、渋滞時には無意識に行っている

 改めて世の中には本当にまだまだ自分が知らない

 世界があり、未知の競技や技術に溢れている

 浜崎に出会ってから、また新たな世界を垣間見た

 車の免許は当面取得する予定は無いが、もし取る

 となったらその時は……

 バイクの免許を取ってから本当に世界が変わった

 そして浜崎が更に新しい世界へ連れて行ってくれ

 た、今日初めて踏み込んだの4輪の世界…

 楽しかった!夢中になった!時を忘れて、3度も

 挑んでしまった…

 気づけば1人でニヤニヤしている晴子を、浜崎が

 横からニンマリと覗き込んでいた…

 〈あ、、、、〉

 〘よっぽど楽しかったんだね?〙

 〈そ、そうだよ…だって初めて乗った4輪なんだ

  から!!〉

 〘そうだね~僕も初めて乗った時はそんな感じ

  だったよ、もっと乗りたい!!ってさ〙

 気づくとまたも浜崎は山深い峠道を走っている

 〈また山道っぽい所に入ってくね?〉

 〘もうすぐそこだよ?ホラ、あそこが入り口!〙

 そう言って浜崎は砂利道を通り、20台ほどが停

 められる駐車場へと車を滑り込ませた

 〘着いたよ、行こうか…〙

 浜崎に続いて砂利の駐車場から続く生垣の間の

 小路を進むと、開けた場所にある大きな日本家

 屋と、その手前にある大きなひょうたん型の池

 に多くの人々が釣り糸を垂れていた

 そう、ここは釣り堀なのだ!

 〘受付はあっちだよ〙

 そう言う浜崎の後に続くと小さな受付台に、年

 の頃は70を超えていそうなお婆さんがちょこん

 と座っていた

 〘2人です〙

 浜崎がそれだけ告げるとサッと料金を払い、部

 屋の角の竿立てから竹竿を2本持ち出す

 ⁽ハイ、エサはこれね…⁾

 消え入りそうな声で透明な丸皿に乗ったイクラ

 を渡してくる

 〘さ、お昼ご飯を頑張って釣ろうか!!〙

 〈え!?釣るの??〉

 〘そうだよ!釣った魚を調理してもらうんだ〙

 なんと!?自分で釣らないと食べられないのか

 ?お昼ご飯が遅くなる、とはこの事だったのだ

 だが、それより…

 〈ハマちゃん、さっきも全部出してもらったし

  、こんなのダメだよ、、アタシ払うから、い

  くらだった?〉

 と、サイフを出す晴子を浜崎は手をかざして制

 した

 〘いいんだよハルちゃん、今日は僕からのお礼

  だから…〙

 お礼??何か礼をされるような事をしただろう

 か?全然ピンと来ない…

 〈でも、、、〉

 〘ハルちゃんがどのくらいの給料かは把握して

  ないけども、18:00前から深夜の1時前まで

  の残業、、あの日ハルちゃんタイムカードも

  押した後でサービス残業だったでしょ?あれ

  だけの残業手当、普通なら2万近くいくんじ

  ゃないかな?〙

 入校式の前の日のあれか!?あんなの…

 〈アレはアタシが勝手にっ!?〉

 そう言う晴子を制して浜崎が口を開く

 〘あの時は本当に助かった!来てくれてすごく

  嬉しかった、だからせめて今日は、気兼ねな

  く楽しんでよ!〙  

 自分が浜崎を助けてあげたくて手伝っただけ、

 でも浜崎は嬉しかったと言う…それもすごく…

 〈ホントにいいの…??〉

 〘うん!どうか気兼ねなく楽しんでよ!〙

 〈じゃあそうする!頑張ってお昼ご飯釣ろう

  か!!〉

 本当に几帳面!義理堅くてお人良し…でも…

 晴子の浜崎への印象がまた変わった!

 こうなったら頑張って大きいのを釣らなくちゃ

 〈どうやって釣ればよいの?〉

 尋ねる晴子に浜崎は丁寧にエサの付け方から、

 仕掛けの投げ入れ方まで説明し、実演してくれ

 る

 〘エサの上を持って竿をこう構えたら、手を離

  す…〙

 そう言った浜崎のエサはスーッと水面ギリギリ

 をかすめて狙った場所へと進んでゆく

 〘で、落としたい所で竿を下ろしてやると…〙

 ポチョン…という音と共にイクラが水面へと着

 水する、イクラの重みで糸が下がってゆくと、

 ウキの部分でピタリと止まる

 〘さ、やってみて!〙

 〈う、うん!?〉

 見よう見まねだが、竿を立てて糸を張り、パッ

 とエサを離して、、、

 先ほどの浜崎と同様にエサは水面のほど近くを

 移動してゆく

 〈ここ!!〉

 スッと竿を下ろすと、ポチャリとイクラは水面

 に着水した、浜崎の時と同様に糸が沈んでゆく

 〘やった事あるの!?〙

 と驚いた声を出す浜崎に

 〈全然ないよ!?どうだった〉

 〘100点だよ100点!すごい上手かった(笑)〙

 浜崎の言う通りにやっただけなのだが、良かっ

 たと言うなら浜崎の教え方が完璧だったのだろ

 う…と!!

 〘ハルちゃん引いてる引いてる!!〙

 浜崎に言われてウキを見ると、ツンツンとウキ

 が引き込まれている

 〈え??どうすれば良いのコレ??〉

 アタリが来た時どうするかまで、まだレクチャ

 ーを受けていなかった 

 〘アタリを取るんだ!竿をこうクッと2~30㎝

  ぐらい持ち上げて〙

 そう身振りで示す浜崎の言う通りに竿を動かし

 てはみた、、が…

 残念ながら魚はかかっていなかった

 〘多分エサは取られてるね、1度上げて見て〙

 浜崎に言われるまま糸を上げると、案の定イク

 ラはついていなかった…

 〈エサ取られちゃった…〉

 落ち込んでいると

 〘良くある事だよ、ゴメン、アタリの取り方ま

  だ教えてなかったね、あ!!!見てて〙

 そう言う浜崎の方を見ると、ウキがピクピクと

 動いている!

 〈ハマちゃん!来てる??〉

 〘ここで、、こうっ!〙

 そう言いつつバシッ!と手首を返して竿を鋭く

 持ち上げた浜崎の竿は、魚がかかって見事にし

 なっていた

 〈わ!すご~い〉

 〘ちょっと大きめだね、良いサイズだ〙

 言いながら事も無げに魚を引き寄せるとタモで

 サッと掬い上げ晴子に見せる

 〘30㎝ちょっとって所だね、ちょうど食べごろ〙

 〈この魚はなに?〉

 〘マスだよ、ニジマス!焼いてもフライでも美

  味しいよ♪〙

 〈いいな~アタシも釣りたい!〉

 〘すぐ釣れるさ!さっきの調子ならね、合わせ

  方はだいたい分かった?〙

 〈うん、でも…かかった後はどうしたら良いの

  か?〉

 〘ここはバレても魚が死んじゃわないように針

  にカエシが無いから力を緩めるとすぐ外れち

  ゃうんだよ、かかったらとにかく竿を立てて

  糸を張って!〙

 〈うん、、やってみる!!〉

 いそいそとイクラを付け直し、いざ!先ほどの

 要領でスッとイクラを放り込むとスーッとウキ

 まで糸が沈む

 〘なんか完全にコツを掴んでる感じだね…〙

 そうなのだろうか?簡単じゃないかな?これ…

 などと思っている間にウキが沈む

 〈こっコレ!来てるの??〉

 〘来てる来てる、次沈んだ時に合わせて!〙

 ピクピクしたウキがスッと沈んだ瞬間!

 ビシッ!浜崎のお手本通りに手首を上げて合わ

 せる、すると!

 確かな手応え!かかった!!

 〈か、かかった!かかったおハマちゃん!どう

  すれば良い??〉

 〘竿を立てて、絶対ゆるめちゃダメ!バレちゃ

  うよ…〙

 バレる、とは何だろう?今はそれどころじゃな

 い!

 晴子は精一杯竿を立てると徐々に引き寄せてゆ

 く、やがて浜崎が糸を掴むとグィッと引き上げ

 ながらタモを入れる

 バシャバシャッ!!尾びれが水面を元気よく叩

 く音がしてニジマスが姿を現した

 先ほどの浜崎のよりはやや小ぶりだが、紛れも

 ないニジマス!

 〘やったねハルちゃん!〙

 浜崎とハイタッチを交わし、網の中のニジマス

 を眺める

 自分で釣り上げたニジマス…生まれて初めてだ!

 〘お腹空いてるからね!ドンドン行こうか!〙

 〈うん!〉

 その後は夢中になって釣る事30分…気づけば魚

 籠の中には6匹のニジマスが泳いでいた

 〘釣れたね~!じゃあ持って行こうか〙

 〈持って行く??〉

 〘受付で頼めば調理して持って来てくれるんだ〙

 言うと浜崎は魚籠を引き上げ、元気よくバタつ

 くニジマスを受付で渡した

 ₍あちらの座敷でお待ちください₎

 プラスチックの黄色い札を渡され、お婆さんが

 指し示す座敷へ通される

 〘塩焼きとフライ、それと定食を頼んどいたか

  ら、ご飯と味噌汁も来るよ〙

 〈サラダは頼まなかったの?(笑)〉

 〘ここ、フライを頼むとキャベツがテンコ盛り

  で来るから…(笑)〙

 〈来た事あるんだね??〉

 〘何度も来てるよ、でも女の子と来たのは初め

  てだよ…〙

 〈そうなんだ…〉

 〘だから楽しいかどうか分かんなくってね?ど

  うだったかな?〙

 〈すごい楽しかったよ♪〉

 〘なら良かった!来た甲斐があったね♪〙

 浜崎はとても嬉しそうだ、自分が喜ぶのが見た

 かったのだろうか?

 なんだかもてなされてばかりだ…浜崎に申し訳

 ない気分だ…

 少し罪悪感に苛まれていたが、現金なもので、

 定食がテーブルに届くと一気にそんな気分も吹

 き飛んでしまった!

 〘さぁ食べよう!どれも美味しいから〙

 〈うん!見るからに美味しそう♪〉

 ちょっと遅めの昼ご飯!釣り堀だけど、自分で

 頑張って釣った魚たち… 

 ゴメンね…美味しく頂くからね…

 〈〘いただきま~す♪〙〉

 元気な声が座敷に響き渡った…。





 








  






 




 

























 








今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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