予期せぬニアミス…
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
カランカラ~ン♪
相変わらずのノスタルジックな鐘の音…
とても落ち着く、もはや我が家に帰宅したかのよ
うな安心感(笑)
(いらっしゃい!お!?珍しいね、今日は1人?)
〈そうなんです、買い物に出かけてて、お昼まだ
なんです、、もうペコペコ…〉
(嬉しいねぇ♪うちを選んでくれたんだ)
〈えぇ、美味しい物が食べたくって!〉
(ま~かしといて!決まったら呼んでよ!)
そう言ってマスターはお冷とおしぼりを置いてカ
ウンターへと戻ってゆく
〈何にしようかな~♪〉
ついつい小さめながら声が出てしまう、ここに来
るとなんだか気分が上がる、慣れ親しんだホーム
のようになったこの店…
メニューをめくりながら腕を組んで悩み込む…
”う~ん、ミキちゃんが食べてたインディアンス
パも興味あるし、由貴さんが食べてたミックス
フライも美味しそうだった!”
などと悩んでいると入り口の鐘が勢いよく鳴った
カランカラ~ン♪
(いらっしゃい!また来たね)
マスターの威勢の良い声を背中に聞きながら、晴
子は1人2択を迫られていた、と、そこへ…
〘アレ!?ハルちゃん??〙
不意に声をかけられビックリして振り向くと、そ
こには浜崎が立っていた
〈え??ハマちゃん?どうして??〉
〘どうして?って教習帰りだよ(笑)遅めの昼ご
飯食べに…〙
(ホイ、お冷とおしぼりね、って待ち合わせだっ
たかい?)
〈い、いえ、、偶然なんですよ…〉
〘えぇ、ビックリしました!?〙
(お兄さんは最近よく来てくれるもんな!)
〘そうですね(笑)晩ゴハンここで済ます事が
増えました!〙
〈そうなの??〉
〘うん、1人暮らしだしね、教習通ってる間はま
だまだお世話になりそうだよ〙
(ところで決まったかな?お嬢さん)
〈インディアンとミックスフライで悩んでて…〉
〘インディアンにしなよ、ミックスフライは僕
が頼むから、気になったのがあったらあげる
よ〙
〈じゃあお言葉に甘えて♡インディアンスパと
ミックスフライ定食で!〉
(はいよ~、ちょっと待っててね)
注文が決まるとマスターは飛ぶようにカウン
ターに戻って行った
〘ところでハルちゃんはどうしてここに?〙
晴子は買い物に出かけた経緯と、ケトルに合わ
せて携帯コンロを買いたかった旨を説明した
〘ん~、物を見てないから4,980円が高いか安
いかは分からないなぁ…〙
〈ちょっと即決は怖くって、、帰ってから良く
調べてみようかな~って〉
〘ホームセンターは行ってみた?〙
〈うぅん、行ってみてない!〉
〘なら行ってみた方が良いね、あのアウトド
アショップはちょっと高級志向だから多分
置いてる物はお高いよ〙
晴子は不意に手に取ったレインウェアの値札
を思い出した…
〈いずれにせよ、今日は止めとこうかな、も
っと調べてみてからにする…〉
〘あぁそうだ!明日の帰りがけにでも見に行
こうか?〙
思っても無い申し出、だが非常に都合が良い
浜崎も事情に詳しそうだしお願いしよう!
〈良いの?ハマちゃん〉
〘もちろん良いよ!ちなみに僕のコンロはキ
ャプテンスタッグのやつだけど、コールマ
ンのが一般的で汎用性高いかもね〙
〈へ~、何か違うの?〉
〘今どきはみんなボンベって共通なんだけど
ね、一番流通してるイワタニと相性が良い
んだよ、ちなみにキャプテンスタッグは相
性が今イチらしいからちゃんとキャプテン
スタッグのボンベを買ってる…〙
(ホイお待ち!鉄板熱いから気を付けてね)
そう言うとマスターは晴子の前にインディア
ンスパをスッと差し出す
〈わぁ♪ありがとうございます〉
(ホイ、ミックスフライね!)
〘ありがとうございいます!〙
アッと言う間にテーブルの上が華やかに姿を
変えた
〈気になってたのよね~コレ!〉
〘美味しかったよソレ…〙
〈もう食べたの!?〉
〘僕もミキちゃんの見て気になってたから…〙
少し照れた様子で顔を伏せる浜崎、照れ隠しか
自身のミックスフライについて語り出す
〘ミックスフライ定食も気になってたんだ、こ
っちは初めて食べるよ〙
〈全部ハマちゃん食べてよ、アタシはそのうち
試すから〉
〘え、良いの?ホントに〙
〈インディアンだって食べきれるか、ってぐら
いあるのにフライまで食べられないよ(笑)〉
〘ここって盛りが大きいもんね…〙
〈そうそう♪だから遠慮せず食べましょう〉
〈〘いただきま~す♪〙〉
2人同時に手を合わせて小さく声をハモらす…
どちらともなしにやった事だがお互いに絶妙な
タイミングで、思わず顔を見合わせた
晴子のインディアンスパは熱々だった、ハフハフ
言いながらクルクルとパスタを巻いていると、向
かいで浜崎がフライをカリッと小気味良い音を立
ててかぶりつく
〘あ、白身魚か!?美味しいなコレ〙
〈こっちは玉子が最高♪〉
カレーソースのかかったパスタに玉子焼きと薄切
りの玉ねぎを一緒にして頬張ると、何とも言えな
い充足感だった
上に乗っているカツの半身とウィンナーがまた良
い仕事をしている
〘イカリングとそれからこれは…〙
〈待った!!今度食べるから言っちゃダメ〉
〘分かった、言わないでおくよ…〙
食べながら浜崎は呼び出しのボタンを押した…
(ホイよ、注文かな?)
〘食後にアイスを下さい、ハルちゃんも何か頼
む?〙
〈あ、アタシもアイスコーヒーで…〉
(ハイよ!アイス二つね~♪)
その後は黙々と食べ進め、あれよあれよと食べ
終わってしまった
〈あ~美味しかった~、これはリピ確実かな…〉
〘ミックスフライも良かったよ、気になるメニ
ューを制覇したらまた食べそうだ〙
(ホイよ、アイスお待ちね~♪)
食べ終わるのを待っていたかのようなタイミン
グでマスターがアイスコーヒーを持ってきた
小皿にはブロックのチーズが添えられている
〈そういやなんでチーズなんだろ?〉
〘たぶん食事の脂分とかをチーズでスッキリさ
せてコーヒーを味わえ、って事じゃないかな?〙
〈へ~~~!〉
知らなかった、小皿に添えられたチーズにはそ
んな意味があったのか!?
(それもあるが、コーヒーとチーズってのは相
性が良い物なんだよ)
いつの間にかマスターが後ろに立っていた
〘そうなんですか?〙
マスターは2人のコップにお冷を満たすと語り
出した
(カフェオスト、ってコーヒーにはチーズが入
れてあるんだ、またはコーヒーにチーズをデ
ィップして食べたりと、実はコーヒーとチー
ズは相性が良いんだよ)
〈全然知らなかったです!〉
〘僕もです…〙
(まぁ知らないのが普通だよ、家でもコーヒー
に拘りたい!って思ったら相談においで…)
〘また是非聞かせて下さい!〙
〈拘り出したら止まらなそうですね…〉
(奥が深いからね~!ハマったら抜けられない
よ(笑))
コーヒーか?ハマってみるのも悪くないかも…
〈お昼のインスタントをツーリングに持ち歩こ
うと思ってたけど…ドリップバッグにしよう
かな…〉
〘僕は釣りの時に携帯のコンロで湯を沸かし
てカップ麺を食べるけど、食後にはドリッ
プでコーヒー入れてるよ〙
〈やっぱり味の違いを楽しみたくて?〉
〘それもあるんだけど、せっかく解放感のある
所でコーヒー飲むんだからちょっと良いのが
飲みたいじゃない…〙
〈最近だとコンビニでもドリップバッグ売って
るもんね〉
〘そうそう、釣りに行く時は都合良い分だけ買
ってるよ〙
〈そう言えば川本さんもツーリングの時ティー
バッグとか色んなの持ってたな~〉
やはり携帯コンロはあると便利だな、と言う結
論に落ち着いた
〈ごちそうさまでした~〉
〘ごちそうさまでした〙
(あいよ~毎度ありがとうね、お会計はどうする
?)
〈別々でお願いします〉
〘ハルちゃん良いのに…〙
〈ダ~メ!こないだもおごってもらったでしょう
…〉
〘…………〙
晴子は自身の分を清算すると ”また来ます” と
マスターに告げ店を出た…
〘それじゃまた~〙
同様に会計を済ますと浜崎も鐘を鳴らしながら
店を出てきた
〘ハルちゃん………??〙
〈ん?なぁに??〉
〘何か怒って、る??〙
浜崎がそう思うのも無理なかった…これは晴子の
勝手な憤り、、、明日デートだと言うのに何も考
えずこの店に来てしまい浜崎とバッティングした
少し考えればこうなる可能性には思い当たったで
あろうに、思慮に欠けていた…
〈別に、何も怒ってないよ…〉
うっすらと微笑みながらそう返す晴子だが、浜崎
としては釈然としない物があった…
明らかに不機嫌な晴子、、、原因は自分なのだろ
うか?と…
〈ちょっと自分に幻滅してただけ…〉
〘幻滅??〙
晴子の言葉の真意が分からず、浜崎はただただ困
惑するばかりだった
〈せっかく明日デートなのに、今日ここで会っち
ゃったから…〉
楽しみに気分を盛り上げて盛り上げて、明日会い
たかった、そんな勝手な想い、、、、、、、
それで浜崎を困らせてはいけない!
晴子は満面の笑みで言った
俯いた浜崎が顔を上げるとこう言った
〘楽しみにしてくれてたんだ!素直に嬉しいよ…〙
〈うん、だから今日はここでお別れ、、、明日待
ってるから!〉
そう言うと、急いでAPEに跨りヘルメットを被る
〘楽しみにしてて!頑張って立てたプランだから
!!〙
その言葉に大きく頷くとキックスターターを蹴り
込む
一発で指導したAPEを直ちに発進させた…
居心地の良い喫茶店、何度も訪れたくなる店だ、
当然の事、いま教習に通っている浜崎も同じ気持
ちなのだろう…
〈シャトレーゼにでも行こうっと!!〉
今日はヤケ食いだ!そう決め込んだ晴子に、もは
や迷いは無かった
今日は今日!明日は明日!きっと楽しいデートに
なる!!
大好きな洋菓子の待つシャトレーゼへと
APEはひた走る…。
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




