もののついで…
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
〘ふわぁ~~、、、〙
駐車場からの道すがら、大きな欠伸をしながら歩く
浜崎、いつものように駐輪場の前を通ると、クスク
ス笑う晴子と出くわした
〈おはようハマちゃん!すごい欠伸してたね〉
〘おはようハルちゃん!そうなんだよ~ちょっと夜
更かしが過ぎたみたいだ…〙
〈何かあったの?〉
心配そうに尋ねる晴子に、浜崎は昨夜の由貴とのや
り取りを説明した
〈なるほどね~、まぁ急いで決める必要もないんだ
から徐々にで良いんじゃない〉
〘そうは思うんだけどね~、調べ出したらキリがな
くってね…僕はエミさんのTWのようなストリート
やオンロードバイクをダート向けにしたスクラン
ブラー、あとクラシックなんかも好きだなぁ…〙
熱く語る浜崎をニコニコと見守る晴子、その視線に
気づいた浜崎が疑問を投げる
〘どうしたのハルちゃん??〙
〈うぅん、何だかとっても楽しそうだから随分バイ
クにハマってるんだなぁって…〉
〘うん!今とっても充実してるんだ、勧めてくれて
本当にありがとうハルちゃん!〙
エミに失恋した事など、とうの昔の事のようにすっ
かり前向きになった浜崎の笑顔がなんだか眩しかっ
た
”今日の外回りは長くなる” 事前に言っていた通り
その日は川本も浜崎も2人揃って、昼休憩にも食堂
に現れなかった
川本曰く
【浜崎と新規のお客さんの各店舗への挨拶周りへ】
との言葉通り、昼休憩にも帰社せずあくせくと各
店舗を巡っているのだろう
久々の大手御新規さん、こないだ太田が対応した
際には、豪華な菓子折りが持ち込まれ晴子たちの
職場でも各自が舌鼓を打った
今後は川本と浜崎の2人が各種対応に奔走するのだ
ろうか?
(大丈夫かなハマちゃん??)
微かな心配が晴子の胸をよぎる、だが大丈夫だろ
う、浜崎はあぁ見えて仕事に関しては、管理も手
腕も十分に備えている、そして人見知りなだけで
コミュ力もそこそこ高い
『今日は川本さんも浜崎さんも戻ってきませんね
~』
「長くなる、って言ってたからね、なんか出張所
同士が結構離れてるらしいよ…」
〈な~るほど、でも社内で担当するのは川本さん
と浜崎さん2人だから別れて挨拶にも行けない
訳か…〉
「そうみたい、二手に分かれればすぐなのにな~
って伸ちゃんも言ってた」
【そうなんだよ~なかなか時間かかったね】
『〈おつかれさまです〉』
「あ、おつかれさま、何軒回ったの?」
〘4軒です、でもなんかワザとか、ってぐらいト
ヨタ市の端から端って感じで…〙
【そうそう、あれは参ったな…まぁ今後は北と南
で2軒ずつ浜崎と別れて対応だな】
〘そうですね、差し替えとか出したらとんでもな
い手間がかかっちゃいそうですから、慎重に精
査して臨まないとですね…〙
『新しいお客さんのとこは何屋さんなんですか?』
【イベント関連なんだよ、だから掲示物やPOP、
事前広告とか販促の印刷物や各種さまざまな受
注が予想されてる、ミキちゃんにもご協力願う
だろうね】
『うわ!頑張ります!』
〘北と南で綺麗に設営と企画部が2軒ずつだから、
イベントが催される場所によって管轄が変わる
みたいだよ〙
【でも、スタジアムとか大きな所でやる時には総
出で臨むって言ってたから管理が難しいかもな】
《N企画さんか?》
〘あ、部長!お疲れ様です〙
『〈「【おつかれさまで~す】」〉』
《おつかれ、で、どんな感じだった?》
【各支部にご挨拶に伺いましたが、大きいとこで
すね、企業HPも力の入った感じですし、イベン
トPRも大々的だと予想されます、大きなイベン
トの際には事前にアルバイトの募集広告もお願
いするかも、と言ってましたし…】
《そうか、名古屋の本社の社長さんがうちの社長
と知り合いらしくてな、これから忙しくなるか
もな、皆もよろしく頼むぞ!》
『じゃあ浜崎さんちゃっちゃと教習終わらせない
と、ですね…』
〘そうだね、、呑気に教習通えなくなるかも…〙
《まぁ仕事が忙しいのは良い事だ、浜崎の教習も
極力影響が出ないよう配慮はするが、すまない
がもしもの時はよろしく頼む》
〘もちろんです!〙
浜崎はあぁ答えてはいるがエミには自身が感じた
焦燥がリアルに思い出されていた
「伸ちゃん伸ちゃん!!」
【どしたのエミちゃん小声で??】
「浜崎さんはあぁ言ってたけど、なるべくなら伸
ちゃんが出来る事はやってあげてね、アタシも
手伝うから!」
【もちろん!影響出させないようにするさ】
その日の帰り際、駐輪所で三人でおしゃべりして
いると、浜崎が通りがかった
〘みんなおつかれさま!〙
〈『「おつかれさまです!」』〉
『浜崎さんはこれから教習ですか?』
〘そうそう、今日は学科が一つと実技が一つ、な
かなか順調に進んでるよ〙
〈もう2段階ですよね?〉
〘2段階ももう2回目だね、あと6回だ、、、〙
「え~!?早いですね?」
〘車の免許持ってると教習の時間が随分違うみた
いだね…〙
『そうなんだ!?でも早く進んじゃうと慣れるの
大変じゃないですか?』
【僕の場合は車もMTだしあんまり困った事はな
いかな、半クラのコツさえ掴んじゃえば後は楽
なもんだったよ】
〈やっぱり車でMT乗ってると随分アドバンテー
ジが大きいんですね〉
〘そう思う、特にこれといってマゴつく所もなか
ったからね…〙
「アタシたちもいずれ車の免許必要だろうけどM
Tで取った方が良いのかな?」
〘必要があれば?だろうけど車も乗るだけじゃツ
マんない!って言うならMTで取れば良いんじゃ
ないかな?〙
『車の免許取る!ってなったら皆でまた悩んでみ
ましょうか』
「そうだね、また違った楽しみが見つかるかもだ
しね!」
〘みんな前向きで良いね!バイクの免許、取って
良かった?〙
『「〈ハイ!!〉」』
〘あははは!それじゃ僕も頑張って来るよ!〙
「頑張って下さい!応援してます」
『合格したら何かお祝いしましょう』
〈バイク、何買うか決まったら教えて下さいね〉
晴子の言葉に、浜崎はピクリと反応しながら答え
た
〘そう言えば、伊藤さん今日ってヒマかな?〙
〈特にこれといって用はない、けど…?〉
〘じゃあまたあの喫茶店で晩御飯食べない?オゴ
るからさ〙
『おっと!?デートのお誘いですか?』
ミキが浜崎を冷やかすと
〘ん~、実はさ、、今日由貴さんに答えを返す日
なんだけど、1人じゃ何か照れ臭くってさ…〙
〈あ、例のテーマってやつです、か?〉
〘そうなんだ!自分なりのテーマらしき物?は見
つかったつもりなんだけど…〙
『何だか面白そうですね??』
「由貴さん来るならアタシも行きたい!」
〘良いけど、、20時までは教習だからそれからだ
よ?お腹空かない?〙
『それぐらい待ちますよ!ね??』
ミキがあわてて晴子とエミに同意を求める、晴子
としても皆と浜崎が仲良くしている事は好ましか
った、断る理由がない…
〈アタシは良いけど…〉
「浜崎さんが良ければ、だけど?」
〘僕は構わない、けど…〙
『じゃあ決まりっ!今日は何食べようかな~♪』
実はあの喫茶店に行く口実が欲しかっただけじゃ
ないのか?と皆が勘ぐる中、なんだか妙な流れで
話が進んでしまった
「〈『こんばんは~♪』〉」
⁅〝いらっしゃいませ♪〟⁆
磯山と前原が元気よく3人を迎える
「お久しぶりです!」
⁅ちょっとちょっと!!聞きましたよエミさん、
彼氏さんの事⁆
〝店長のご近所さんだったんですって!?〟
「アタシもビックリしたんですけど、そうだった
みたいです…」
⁅元々縁があったのね~!運命だわぁ…⁆
〝それよりエミさんを連れてきたあの人…まさか
店長の旦那さんだったなんて…〟
❝そうよね~アタシもビックリしたし!❞
「〈『お久しぶりですっ!!』〉」
❝いらっしゃい皆さん!あれからバイクはどう?❞
「絶好調です!」
〈とっても快適です♪〉
『アタシのもです!』
❝そうなの?それなら良かったわ、今日はメイク
のご相談?❞
〈実は…〉
晴子は伸一の後輩の浜崎が教習を始めた事、その
後皆で食事の予定がある事、時間があるので皆で
寄った旨を、かいつまんで説明した
❝アラ、良いわね大型、機会と余裕があったら若
いうちに取っておくといいかもね❞
『佳澄さんは大型取らないんですか?』
❝アラ、言って無かったっけ?アタシも幸太さん
も大型持ってるわよ❞
〈『「⁅〝えぇぇぇぇぇぇ~~!?〟⁆」』〉
これにはエミたち3人どころか磯山前原の2人も
驚いた
『すでに持ってたんですか!?』
〈カッコ良い!!〉
❝前にボーナス使って幸太さんと仲良く取りに行
ったのよ❞
「楽しそうですね、それ♪」
❝夫婦で趣味が共通って良いものよ❞
(きっと楽しいだろうな…)
エミも密かに伸一との大型取得などを妄想してみ
た…
『アタシも彼氏作るなら趣味が合う人にしよ~っ
と!ねぇ晴子さん?』
〈そうだね、、、きっとそれが良いと思う…〉
晴子は内心驚いていた、趣味が共通の彼氏…
そう言われて思い浮かべたのは、、、、
〝⁅❝ありがとうございました~❞⁆〟
「それじゃあまた~♪」
〈また来ますね~〉
『勝負する機会が来るように祈ってて下さい!』
三者三様の挨拶を残して店を後にする、結局3人
共になんやかやと買い込んでしまうのであった
『アタシってクレンジング強すぎだったみたいで
す~』
〈若いから気にしてなかったんでしょ、アタシな
んてガシガシやり過ぎるとすぐカサカサになっ
ちゃうから丁寧にやるクセが自然についちゃっ
てる…〉
「アタシも…強くやり過ぎるとすぐパサついちゃ
う…」
『肌年齢測定で年齢より若かったじゃないですか
~』
「でも…」
〈ねぇ…〉
二人とも沈黙してしまった、言いたい事はミキも
分かっていた
『確かに…佳澄さんには敵いませんよねぇ…』
そうなのだ、佳澄は30代なりたて、と言われても
誰も疑問を抱かない、それほどの美魔女ぶりだ…
「心底あぁなりたいわ!!」
〈ホンっ~~~トにそう思うわ!!〉
『良いじゃないですか?目指しましょうよ、努力
して』
「そうだね!羨んでるばっかじゃツマんないし」
〈そうそう、頑張るのは無駄じゃない!〉
『あ~すっかり忘れてた!?浜崎さん見に行かな
きゃ!!』
ドッと笑いが起きる、他愛ない会話、打ち込める
趣味、仲間との関わり、日々が充実し、仕事すら
が欠けがえのない時間となっている、このままず
っと居られたら、3人が同じ事を思っていた…
〈行こっか!教習所へ〉
「うん!!」
『行きましょう!!』
「何食べるかは決まった??」
『もう一回メニューとにらめっこしてから決めま
す!!』
力強く答えたミキがエンジンを始動する、それに
倣ったかのように2人も続いてエンジンを始動し
た、今や3人ともにすっかりバイク乗りだ!
『いっきますよ~!!』
バイザーを勢いよく下ろすと元気よくミキが発進
する、続いてエミが、晴子が、エンジン音を響か
せて後に続く
すっかり緊張もしなくなったが、まだまだ運転す
るのが楽しい3人だった…
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




