遅めの昼ご飯②
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
テーブルに運ばれてきた定食はシンプルな物で、ご
飯と赤だし、漬物の乗った小皿と、主役の鶏の半身
焼き、しかしそのビジュアルは破壊力が大きく、圧
倒的な存在感を放っていた
店員が食べやすい様に切って提供出来ますよ、と進
言してきたのだが
<半身のままの方が写真映えするし、食べるのも楽
しいよ♪>
と言ったので、エミ達3人もその言葉に従ったのだ
が…
切ってもらえば良かったか…と少し後悔している
『すご~い!!ワイルドな見た目♪』
〈これは食べ応えありそうね…〉
そんなやり取りをしながらミキと晴子はバシバシと
写真を撮っていた
〖きたきた!これが美味いんだよね~♪〗
食べた事のある伸一などは、いささかも怯む事無く
トングすら使わず足の骨を掴んでかぶりつく
【まぁお上品に食べてると進まないから、適当にか
ぶりついちゃうのが良いよ】
と助言する須賀の横で、佳澄はトングを使い見事に
食べやすく加工しながら
❝そんな訳にいかないわよね~、お化粧だって崩れ
ちゃうしね…❞
と、せっせとバラす、なんとも見事な手並みだった
エミも見よう見まねで挑んだがなかなか上手くいか
ず苦戦していると
〈どうやってバラしました?〉
と晴子が佳澄に尋ねたのを契機に、佳澄が
❝ちょっと貸して…❞
と、解体をやって見せてくれた、食べやすいサイズ
にカットされた鶏は非常に美味しそうだ
❝こんな感じ♪❞
〈わぁ、ありがとうございます!〉
『やって見せてもらうと分かりやすいですね…』
とミキもそれなりな形に切り分けられた肉にありつ
き出した
エミもなんとか形になった肉を頬張ると…
「わぁ!皮がパリパリしてて、でも肉はしっとり」
<そうそう、皮が美味しいのよね~♪>
〈結構スパイス効いてますね、でも鶏の肉の本来の味
で勝負って感じ?シンプル目な味付けですね〉
【何度も来てるけど唐揚げもテリヤキも美味かった
よ!】
『わ、食べてみたい!』
<また来れば良いじゃない、近いんだしね>
❝そうそう、バイクならすぐよ❞
〖夕方来ると半身は売り切れちゃってるんだよね~
、オレもそれで前、唐揚げ頼んだもの〗
「でも唐揚げも美味しかったんでしょ?」
〖うん、あれもおススメだね〗
【ホルモンとかも美味いらしいが、まぁ今度だな】
などと盛り上がっているうちに、気づけばペロリと
皆が完食した
〈なんか、あれだけ大きかったのにアッサリ食べら
れちゃった〉
『美味しい物は別腹ですね♪』
「由貴さんとは食べに出てばっかりだね!」
〖ホントだ(笑)〗
<いいじゃないの!食べる事は人生最大の楽しみ
よ>
などと言いながら皆でご馳走様を言い店を後にした
【皆はこれからどうするんだい?】
「アタシと伸ちゃんはこれから100円ショップを見
に行きます」
〖あと業務スーパーも行きたいね〗
〈何買うの??〉
「インスタントコーヒー類とそれを入れる入れ物
とかバッグとか」
『あ!!行きたい行きたい!』
〈アタシもご一緒して良いかな?〉
<アタシもヒマだから良いかな?>
❝アラアラ、楽しそうね♪❞
〖会社の休憩用にドリップコーヒーとかが欲しく
てね〗
〈そうそう、倹約して趣味にお金まわすんです!〉
【なるほど、良い心がけだ】
❝まぁ途中までは一緒だよね?エミさんと晴子さ
んで先頭お願いできるかしら?❞
不意の佳澄の申し出、だがエミも晴子も異存はな
かった
「ペースとかバラバラだったらすみません…」
<好きに走りなさい、合わせるから(笑)>
晴子と顔を見合わせると、クスリと笑ってお互い
がどちらともなく頷いた
由貴のエンジン始動を皮切りに、各々がそれぞれ
エンジンを始動した
晴子が、須賀が、佳澄がキックを蹴り見事に始動
してゆく
エミと晴子はお互い頷くと、やや先に晴子が、続
いてエミが、駐車場から発進した
下り道、自然と速度が上がってしまいそうになる
が、うまい具合に前走車がペースを作ってくれて
いた、ミニクーパーだったが、行楽を終えての帰
路だろうか?非常に心地よいペースで前走してお
り、一行は容易に並んで走行する事が出来た
後ろの車がジリジリと対向車線へ近づき、時折バ
ックミラーの中でウロウロしている
「なんか行きたそうね~」
〈ホントだね~大丈夫なのかな?〉
などと話していると
〖全然問題ないからそのまま進んで~〗
と伸一がアドバイスをくれた、どうやら問題ない
ようだ、長めのトンネルを抜けてしばらく下ると
行きに渡った橋が左方に見えた
〖行きは由貴さんがわざわざ香嵐渓通ってくれた
んだよ〗
そうなのか!?さすがライダー歴が違う、恐らく
は何度も通った事があるのだろう
〖追分の信号が来たら今度は左から行こうか
、Kヶ池の方から帰れるよ〗
Kヶ池………伸一とお互いの気持ちを確かめ合った
場所、、今後も何度か訪れる事になりそうな予
感がする
追分の信号に達すると、ペースを作ってくれてい
たミニクーパーが右折して言ってしまった
ここからは自分達でペースを作って行かねばなら
ない、と、対向車線に多数のバイクの集団が見え
てきた、数は20台はいそうだ
すると、先頭のレーサーレプリカがピースサイン
を送ってよこしたのを皮切りに、後続のライダー
たちが次々とヤエーを繰り返した
ずっと6速固定で走行していた事もあり、エミと
晴子にもピースを返す余裕があった
だが、どうも集団の注目を集めているバイクがい
た、何を隠そう由貴だ、やはりハーレーの存在感
は絶大なのだろう、ベテランライダーの由貴は余
裕シャクシャクといった体で細かにヤエーを返し
ており、集団からは嬉しそうなリアクションが返
ってきていた
晴子にも感じられたようで
〈由貴さんモテモテだね~(笑)〉
「やっぱそう見えた?(笑)」
などと話しながら走っていると、アッという間に
Kヶ池に到着した
なんとなくエミが駐車場に入ると、皆も続いて駐
車場へと滑り込んだ
「はぁ~お疲れ様です、一旦休憩っと…」
〈先頭ってちょっと気を使うね…〉
<そう?バッチシだったけど>
『ですね~余裕でピースしてるように見えました』
〖さっきの集団は台数多かったね~〗
【由貴ちゃんのハーレーが注目浴びてたよね】
❝アラ、みんな注目されてたみたいよ、言ったでし
ょ、バイク女子はメイクサボってる場合じゃな
いって、ホラ、今だって…❞
佳澄が顎をしゃくった先には、1BOXカーで乗り合
わせてきたと思われる男子集団が5人、好奇の目で
こちらを見やっていた
<やっぱ注目浴びるよね~>
❝由貴さんは特にでしょう?ハーレーは目立つもの
ね❞
<え~、モテますよ、おじさま方にね…>
由貴の言葉に一同がドッと笑い声を上げた
【みんなは何処の100円ショップ行くのか知らない
けど、このまま流れ解散で良いかな?】
「今日はありがとうございました、また何かあれ
ば連絡しますね」
〈このAPE、大切に乗らせて頂きます〉
エミと晴子は須賀夫婦にペコリとお辞儀した
『コレありがとうございます、大事に使います』
<アタシも、とっても気に入りました、ツーリン
グの際にはもれなく使わせて頂きます>
ミキと由貴もペコリとお辞儀をする
〖あ、綾太、明日9時30頃迎えに行くからメット
用意して待ってな〗
⦅え?伸兄ちゃん迎えに来てくれるの?⦆
〖実家に寄るようなもんだろ?(笑)〗
⦅うわ、助かる、ありがとう!⦆
【ちゃんと代金と手数料用意しとけよ!】
⦅たった今でも持ってるよ(笑)⦆
❝よ~し、じゃあ解散しましょうか!今日はおつ
かれさまね~❞
『〈「<おつかれさまで~す>」〉』
〖おつかれ~〗
⦅また明日ね~~⦆
そう言うとそれぞれがエンジンを始動する、総
勢7台のハーモニーが奏でられると、一つの方向
へ向かって流れてゆく
やがて、よく似た2つの音とハーレーの爆音が遠
ざかるとエミ達は次の目的地へと向かうのだった
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




