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祝!全員合格、そして…

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 「おはようミキちゃん」

 『あ、おはようございますエミさん』

 「免許証見せて~」

 『アタシも見たいです~』

 そう言うとミキは昨日取ったばかりの免許証を差し

 出してきた、こちらも一昨日取ったばかりの免許証

 を差し出し、互いに名刺交換のように受け取った

 『わぁ写真写り良いですね!かなり研究しましたか

  ?』

 「ミキちゃんも相当時間かけたでしょ?トーンやア

  イメイクのバランスがかなり良い感じ」 

 『エヘヘ、早起きして1時間ぐらいかけました…』

 駐輪場でそんなやり取りをしていたら、伸一がセロ

 ーでやってきた

 〖お早う!エミちゃん、ミキちゃん〗

 『「おはよう(ございます)」』

 〖お!?ミキちゃん免許取得おめでとう、写真写り

  はどう?〗

 『頑張った甲斐あってバッチシです!』

 〖おお!ホントだメイク頑張ったんだね~〗

 『エヘヘ♪』

 メイクが苦手で派手メイクになりがちだったミキに

 とって、メイクを褒められるのは何より嬉しいのだ

 ろう

 〖ミキちゃんも住民票は取ってきた?〗

 『ハイ、ついでに今日レッドバロンで原付の査定し

  てもらってきます』

 〖あぁ、エミちゃんたちと一緒に行って査定しても

  らうの?〗

 「そうそう、ちょうど良いなって、ね」

 〖じゃあ日曜は原付に乗って来て、そのままセロー

  で帰れるね〗

 『ハイ、これ住民票です!』

 そう言って封筒を伸一に渡す

 〖確かに、預かりました、じゃあこれ持って近いう

  ち手続きに行ってくるよ〗

 『当日でいけるんですか?』

 〖問題ないと思うよ、認め印だけは持ってきてね〗

 話ながら歩いてる間に職場まで着いてしまった

 〖んじゃ今日も頑張ろう!晴子さんも今頃気合入れ

  てる頃だろうね〗

 「だね!応援の念を送っとこうっと!」

 『あ、アタシも!』

 〖じゃあ及ばずながらオレもっと…〗

 それぞれが更衣室の前の廊下で今日に手を合わせる

 シュールな構図だ…

 通り過ぎる社員たちは(何やってんだ?)と奇異な

 目で見てゆく

 『まぁアタシが受かったんだから晴子さんは絶対大

  丈夫ですよ』

 「うん!ハルちゃんはしっかりしてる上に努力家だ

  から!」

 〖昼前にはまた合格の報告が来るさ〗

 それぞれが晴子の健闘を祈りつつ、女子と男子の更

 衣室に消えて行った

 

 11時14分、”作戦会議” にその報告が入った

 〈無事合格しました!どうしよう…写真撮影だけど

  試験より緊張してきた(汗)〉

 「大丈夫!みんなで話した通り、濃すぎるメイクや

  陰影の薄いメイクしてなければ絶対いける!」

 『そうですよ!アタシもかなり写り良かったぐらい

  だから』

 〈言われたポイントは全部抑えたつもり、チークの

  メリハリや首筋との境目とかも、リップも薄めだ

  し、犯罪者顔にはなりにくいメイクな、、ハズ!〉

 思ったより自信の無さそうな晴子の様子に、エミは

 少し不安を覚えた、エミは知っている、ミスパーフ

 ェクトと呼ばれる晴子が、実は努力家で、石橋を叩

 いて渡る性格だという事を…ここで緊張させるよう

 な言葉はさらにマイナスだ…

 「ハルちゃん…」

 〈なぁに?〉

 「卒業検定を思い出して!」

 〈卒業検定?〉

 「そう、今さらメイクは変えられない、今からやれ

  る事はメイクを信じて表情を作るだけ、それだけ

  なのよ、卒業検定の方がよっぽど難しいでしょ?」

 しばしの沈黙、そして…

 〈そうだね、もうメイクいじってる暇ないし!開き

  直ろっと、ありがとねエミちゃん〉

 【おめでとう晴子ちゃん、ちょっと返事が遅くなっ

  たよ】

 〈ありがとうございます須賀さん!これで晴れてA

  PEを迎えに行けます〉

 【長く使う免許証だ、良い表情で写っておいで、大

  丈夫!なってったって晴子ちゃんは美人だから】

 〈うわぁ、このログずっと残しておこうっと…〉

 シレッとこういう事が言えるあたり、須賀と言う男

 は女慣れしてそうに思えるが、エミはそうは思って

 いなかった、これは須賀の人の良さの現れなのだ…

 仮にもエミ、晴子、ミキ、と若い娘3人との接点が

 出来ているにも関わらず、口説いたり誘ってきたり

 と、そういった類の行為は一切ない

 妻帯者特有の余裕もあろうが、そもそもからして須

 賀自身にその気がないように思える

 エミには大体の察しがついていた、須賀もまた今の

 エミと同様に日々が充実しているのだ、女にうつつ

 を抜かす、そんな必要が無い程に日々の目標、明日

 への期待、そんな充実した日々を過ごしているから

 こそ、この余裕なのだ、と結論づけていた

 (いけないいけない!仕事に集中しなくっちゃ)

 思わず今が修行中である事を忘れていた…

 エミが作業に手を戻すと、デスク脇に伸一がスッと

 現れ、小声で聞いてきた

 〖晴子さん結果どうだった?〗

 恐らくはエミとミキがスマホをいじっているのを見

 かけて、結果が報告された事を悟ったのだろう

 「無事合格!写真写りを気にしてた…(笑)」

 〖そっか!それなら良かった♪〗

 そう言い残すと、その場をサッと辞去してゆく

 なんとも出来る男の振舞いだった…

 (アタシはちょっと作業の手を止め過ぎかな~)

 なんて事を考えつつも、仕事中にある程度の文章を

 返信してくれていた伸一に改めて感謝した

 お昼の休憩、エミは今日からお弁当持参で来ていた

 テーブルに陣取ると、適当に見繕って100円ショッ

 プで購入した弁当箱にご飯、おかず、そして果物を

 分けて入れてきた弁当を広げる

 そこへB定食のトレーを引っ提げたミキがやってき

 た

 『わ!?エミさんのお弁当本格的ですね…』

 「本格的かどうかは分からないけど、基本的には仕

  込みが終わってる物だから調理はすぐだよ」

 『え~これで!?』

 唐揚げは昨日揚げたやつを入れるだけ冷蔵してあっ

 たし、ハンバーグも冷凍の作り置きだし…

 『え~~!!!市販品じゃないのこれ!?』

 「冷凍食品は使ってないよ…」

 『このキンピラも?キレイな卵焼きも?』

 「卵焼きは誰が作ってもキレイでしょう?(笑)」

 〝エミちゃんは謙虚なんだねぇ…〟

 横から小泉さんの声が飛んできた

 〝ここ座って良い?〟

 「どうぞ」

 小泉さんはちょこん、とエミの隣に座ると、お弁当

 を一瞥して一言

 〝あら~センスあるわね~、エミちゃんお料理得意

  なのね…〟

 「得意って程じゃないですけど…普段から仕込んで

  冷凍してる食材がありますから」

 〝あぁ、なるほどね!エミちゃんの仕事ぶりと同じ

  かぁ~〟

 「唐揚げ多めに詰めてきたんで食べてみて下さい、

  柿の種の衣が思いのほか美味しくって♪」

 そう言うとミキと小泉さんに唐揚げを振舞う

 2人は唐揚げを頬張ると口々に感嘆の声を上げた

 『わ!サックサクで美味しい!』

 〝知ってはいたけどやった事なかったわぁ、美味し

  いのねコレ〟

 「アタシもやってみてビックリでした、柿の種の子

  袋がまだ余ってるからそのうちまた作りそうです」

 〝うちの子たち喜びそう(笑)砕いてまとわせただ

  けなのコレ?〟

 「鶏肉の仕込みの時に調味料としょうがの所に卵も

  混ぜただけです、あとは砕いてまとわせたら揚げ

  るだけ!」

 〝あら~簡単♪今度作ろっと〟

 その後はミキと小泉さんと楽しく会話しながら昼休

 憩はアッと言う間に終わってしまった

 〝お弁当ってマンネリになりがちで困るわよね~、

  うちなんか…〟

 キーンコーンカーンコーン♪

 作業開始5分前の予鈴が鳴り響く、、、

 〝アラ残念、、休憩終わっちゃったね…〟

 「またご一緒しましょう!」

 『アタシもお弁当開始しますんで…』

 〝あらあら、それは楽しみね〟

 小泉さんに宣言したからには始めない訳にはいか

 ない、ミキはそんな感じに己を追い込んだように

 見えた…

 3時の休憩で、ミキは初めて見るお菓子を出して

 きた

 『今日はチョコスコーンです!』

 そう言ってミキが出してきたスコーンの量にエミ

 は驚いた

 『ホットケーキミックスがハンパな量余りそうだ

  ったんで全部使っちゃいまして…』

 それにしても多すぎる、エミと2人ではとても食

 べきれない程の量だ

 そこへ伸一が部長を伴ってやってきた

 《園田くん免許合格おめでとう!伊藤さんも受か

  ったそうだね》

 『ありがとうございます!部長も主任もチョコマ

  フィンどうぞ』

 〖ミキちゃんコレ手作りなの!?〗

 『そうですよ~こんなの簡単です♪』

 《ありがたく頂こう!どれ…》

 太田は一切れ掴むとモグモグとかぶりついた

 《これは美味いな!手間がかかってそうに思える

  が簡単なのかい?》

 『ベースがホットケーキミックスだから簡単です

  よ、あとは適当な大きさに板チョコを割ってい

  い間隔で入れて焼いただけです』

 〖その手間が大変なんだよ、この美味しさはその

  対価だね〗

 《ウム!全く持ってその通りだ》

 褒められてミキはまんざらでもない表情だった、

 ミキはしきりにエミの料理を褒めてくれるが、エ

 ミからしたらミキのお菓子作りの方がよっぽど労

 力がかかっていると思っていた

 『趣味だからかな~面倒だと思った事がないんで

  すよね~』

 ミキはそう言う、エミにとっても料理は面倒だと

 思った事がなかった、そうか!?そうだったのだ

 エミは料理が好きなのだ、苦に思った事が無いの

 はそのおかげだったのだ…

 意外なところで新たな発見があった

 

 そうこうとその日の仕事は終わりを迎え

 『じゃあ先にトヨタ駅に向かっておきますね』

 「うん、また後でね」

 そんな言葉を交わし、ミキは原付で駅に向かって

 行った、エミもトヨタ駅に向かうべく、最寄り駅

 まで歩を急ぐ、いよいよ須賀と共にTWの名義変更

 に行くのだ!心が躍る♪

 待っててねTWちゃん♪エミの心にはまるで羽が生

 えたようだった
















































今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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