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ほんのりお祝い…

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 その日の ”作戦会議” は大いに盛り上がった

 「皆さんのおかげで無事に免許証取得出来ました

  応援ありがとうございました!」

 いつになくかしこまったエミのお礼に

 <お祝いしたいけど、明日がミキちゃんで明後日ハ

  ルちゃんだったよね?>

 『そうなんです!明日はアタシが頑張ってきます!』

 〈明後日はアタシだね、もちろん合格してくる!〉

 【じゃあお祝いは水曜日以降だね…w】

 実は伸一とひっそりとしたプチ合格祝いを計画して

 いるエミとしては心苦しいものがあったが、そこは

 恋人同士、野暮は言いっこなしだろう…

 オーソドックスな野菜ゴロゴロのカレールーは出来

 上がっていた、肝心の副菜は何にしようか?と悩ん

 ではみたものの、冷蔵庫には大した物が無く、目に

 ついたオクラとレンコンを素揚げした、付け合わせ

 としては緑一辺倒だったのでナスも素揚げしておい

 た、これにいつもエミが好んで作るタラモサラダを

 添えて、本日の夕食は完成した

 ちょうどその頃、表でバイクの音がしたかと思うと

 しばらくして呼び鈴が鳴った

 覗き穴から伸一の姿を確認し、玄関を開けると、ひ

 ょっこりと顔をのぞかせた伸一が

 〖おめでとう!これで晴れてライダーの仲間入りだ

  ね!〗

 と祝福の言葉をかけつつ、手に持った箱をかざして

 いた

 「何それ??」

 〖ガトーヨシヅヤのケーキ!!帰りに寄ってきた〗

 「うわ~ありがとう!!」

 ガトーヨシヅヤは晴子のおススメの洋菓子店で、特

 にエミはイチジクのケーキが好きだった、他のケー

 キも、もれなく美味しいのだがやはりお気に入りと

 言う物は別格なのである

 〖こないだ3時の休憩で聞いた時から興味あったん

  だよね~エミちゃんのお気に入りのイチジクの

  ケーキ〗

 手渡されたケーキの箱を受け取りつつ、伸一に上が

 るよう促す

 〖あ~カレーの良いニオイ(笑)〗

 「あんまりお高いレシピじゃなくて申し訳ないけど

  …」

 〖エミちゃんが作った物なら何でも♪〗

 川本伸一と言う男は、エミの中ではこういったセリ

 フを吐くイメージではなかったのだが、これはこれ

 で悪くないものだ…

 などと考えていると ”作戦会議” のログがすごい

 速さで流れていた、どうやら晴子とミキが本当に作

 戦会議しているようだ

 『エミさん沈黙しちゃいましたね??』

 <出題的には参考も何も無いと思うけどね>

 〈みんな、野暮だよ…Kさんに連絡してないハズない

  でしょ…〉

 <〖『あ、、、、』〗>

 どうやら晴子の一言でみな察してしまったようだ

 と、言っても隠す必要もないのだが…さすが晴子だ、

 何と言うか、、、スルドい!

 「伸ちゃん来てるのバレちゃったみたい(笑)」

 〖あらら、って言っても何も悪い事はないんだけど

  ね…〗

 「じゃあちょうどカレー温まってるから食べる?」

 〖食べよう食べよう♪〗

 「大盛りが良いかな?たくさんあるから遠慮しない

  でね」

 〖じゃあ大盛で!〗

 皿にライスを山のようによそうと、反対側にルーを

 こぼれる寸前まで注いだ、と言ってもエミの家の食

 器の中では大きめのカレー皿だが、成人男性からす

 ると分量的にどうなのかは謎だ

 「〖いただきま~す〗」

 二人仲良く手を合わせるとカレーを食べ始める、エ

 ミのカレーには隠し味としてビターのチョコレート

 一欠けとマスタードが入れてある、伸一のリクエス

 トのピリ辛に寄せた味付けにはなってると思うのだ

 が…

 〖何だろう、覚えのある味、、この後口…〗

 「あ、それはね…」

 〖待った!分かりそうな気がする…〗

 しばしの沈黙、、伸一の出した答えは…

 〖インスタントコーヒーとマスタード!〗

 「惜しいっ!!マスタードは正解」

 〖え、コーヒー違ったのかぁ…〗

 「ビターチョコでした…」

 〖あぁ!なるほど!言われてみればだ〗

 言いながらもガツガツカレーを頬張る伸一がわんぱ

 くに見えて嬉しかった、やはり男の子はカレーが好

 きなんだな、と実感する

 気づけばもう一口ほどしか皿に残っていない

 「おかわりいっぱいあるよ!」

 〖あ、もらって良いかな?〗

 最後の一口をスポーンで掬うが早いか、サッと皿を

 寄こす、よほど気に入ったのだろうか

 〖いや~パスタも美味しかったけどカレーはまた格

  別だね!〗

 キッチンでカレーをよそうエミに伸一がそう言った

 伸一はエミの料理を褒め称えるが、はたして本心な

 のだろうか?まぁおかわりまでして気を使っている

 という事はないだろう…

 「ハイ、おかわりどうぞ」

 〖ありがとう!〗

 カレーのおかわりをよそっている間にタラモサラダ

 もすっかり平らげてしまっている

 〖この素揚げ野菜も絶妙だね♪〗

 オクラもナスもレンコンも、伸一の苦手ではないよ

 うだ、キッチリ半分ぐらい食べて手をつけずにいる

 ので

 「素揚げ全部食べちゃってい良いよ、いつもはこん

  なに揚げないから」

 と自分の分はすでに皿に乗っている旨を伝えると

 〖じゃあもらうね!〗

 と残りを全てカレーに乗せた、食べきってくれるの

 はむしろ大歓迎だった

 結局二皿を完食して付け合わせも綺麗さっぱり食べ

 尽くした

 〖すごい美味しかった!ごちそうさまでした〗

 「お粗末さまです」

 テレビを見ながらまったりとソファーで寛ぐ

 「ゴメンね、急にカレーなんて、、変でしょ…」

 〖分かるよ、念願の免許が取れて、時間もあったし、

  何かしないとたまらなかったんでしょ?〗

 驚いた事にお見通しのようだ…

 「何で分かるの??」

 〖オレもそうだったから!免許取って、でもセロー

  の納車はまだ先で、仕方が無いからツレを誘って

  ボーリングに行ったよ(笑)〗

 「家に帰って来たら急に実感がわいてきて…」

 〖そうそう!部屋に帰り着いたら急に実感がくる

  よね〗

 伸一も同じだったのだ、なんとも言えない共感!

 〖おかげでラッキーだったなぁ、エミちゃんのカレ

  ー食べれたし〗

 「カレーで良ければいつでも作るけど(笑)」

 実際問題エミにとってはカレーは手抜き料理に近い

 仕込みの終わった具材が冷凍庫に眠っているエミに

 とっては、あとは煮込んでルーを投入するだけなの

 だ

 その後は免許を取った後の通勤の話や、給油はどこ

 が良いか、ポイントやアプリの観点、通勤経路上で

 一番便利な立地の店は?など、バイク通勤関連の話

 題で盛り上がった、30分程経ったところで

 「コーヒーか紅茶どっちが良い?ちなみにアタシは

  ほうじ茶にするけど」

 〖あ、ほうじ茶良さそう、オレもほうじ茶で!〗

 エミは家でスイーツを食べる時は和菓子なら緑茶、

 洋菓子ならほうじ茶の場合がほとんどだ

 伸一の買ってきてくれたケーキを皿に移して、急須

 と共にテーブルに並べる、湯飲みにお茶を注ぐと、

 大好きなイチジクショートケーキの、フォークを突

 き立てるのが勿体ない萌え断が目に入る

 洋酒漬けされたイチジクのスライスが上面を覆い、

 スポンジの間にはクリームチーズの風味のきいたク

 リームと、パリパリのチョコ、そしてイチジクの層

 たまらずスマホを構えて画像に収める

 ”作戦会議” に「プチ祝い」と称して画像を上げる

 と

 〈あ!ヨシヅヤのイチジクショート!Kさんナイス

  チョイスだね!〉

 洋菓子派の晴子がすぐさま反応する

 <あ!これヨシヅヤのやつ?有名だよね>

 『今度作ってみようかな…』

 〖ミキちゃん作る派ってこんな手の込んだのまでい

  けちゃうわけ?〗

 『ん~頑張ればいける、かも?普通のショートケー

  キとかなら余裕ですよ』

 『スイーツ作りのどうぐなら大体あるので今度うち

  で作ります?』

 <いいね!やろうやろう>

 〈アタシ、普通のショートケーキで良いから作って

  みたい〉

 妙な盛り上がりを生んでしまったようだ…

 「なんだか盛り上がっちゃったみたい…」

 〖良い事だ、同じ楽しみを共有できる仲間は大事だ

  よ、バイクも、スイーツも、メイクもなんて最高

  じゃない〗

 「うん!今とっても充実してるの」

 心からの本心だった、同じ事柄に情熱を燃やす仲間

 がいて、隣にはそれを理解してくれる伸一が居る

 何もかもが新鮮で、順調だ、そう、怖いぐらいに…

 〖どうしたの??〗

 エミの表情が曇っていたのだろう、伸一が心配した

 様子で尋ねる

 「うん、あんまり今が幸せだから逆に不安になっち

  ゃって…」

 贅沢な事を言っているのは分かっている、とは言え

 あまりに恵まれすぎていて得も言われぬ不安に掻き

 立てられるのだ

 エミの手を伸一が掴むと

 〖何かあったら何でも、いつでも相談に乗るから!〗

 伸一の言葉は、エミにとってはこれ以上ない心の支え

 となった

 イチジクショートを堪能した後は ”作戦会議” に問

 題を出題したりと、ゆっくりした時間を過ごした

 時刻は21時30分、チラリと時計を確認したのが合図か

 のように伸一が

 〖エミちゃんそろそろお風呂入らなきゃでしょ?おい

  とまするよ〗

 と席を立ちあがった、まだ少し話したりなかったが、

 焦る必要はないのだ、2人にはこの先も時間がまだま

 だある

 玄関先で靴を履こうとした伸一に後ろから抱き着くと

 「今日は来てくれてありがとう…」

 蚊の鳴くような声で感謝を伝える

 そのままの体勢でエミの手を握った伸一が

 〖こちらこそ、呼んでくれてありがとう、カレー美味

  しかった!〗

 と、靴を履くと振り返って

 〖それじゃおやすみ!また明日〗

 と言って小さく敬礼した、どうやら恒例のやり取りに

 なりそうだ

 「おやすみなさい、運転気を付けて」

 ニコリと笑うとドアをガチャリと開けて振り返らず出

 てゆく、階段を降りる気配、遠ざかるセローのエンジ

 ン音、しばらく玄関で噛みしめた後、お風呂のスイッ

 チを入れに向かった

 明日はミキが、明後日は晴子が本免試験を迎える

 どうぞ何事もなく、揃って合格出来ますように…

 こうしてエミの休日は幕を閉じた




























 









































 



今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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