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いざ!免許取得

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 目覚まし時計が鳴る前のカチッ、という音で目を覚

 ますと、ベルが鳴る前に目覚まし時計を止める

 名残惜しくも、のそのそとベッドから這い出ると

 大きく伸びをして少し左右に振る、目を覚ます為に

 いつもエミが自然にする仕草だ

 平針けんしけんじょうは、8時45分受付け開始  

 の予定で、エミの家

 からはザッと1時間ちょっとで着く予定だ、ただ 

 し、周辺は住宅地でロクに時間を潰すような施設が

 ある訳でもない為、なるべくなら余る時間が少ない

 様に着きたいものだ…

 万が一の遅刻!などという事態には間違ってもなら

 ない為に、エミは今日6時に起きた、と言うのも

 エミにとっては一世一代の免許写真の撮影が待って

 いるからだ、今後の身分証明として、数々の場面で

 提示する事となる、その免許証の証明写真!メイク

 に励む今のエミにとっては正に一大事、それでなく

 ても女子にとっては証明写真は大事な物で、さすが

 にメイクが控えめだったエミも、会社の履歴書の写

 真撮影は気合を入れて臨んだ思い出がある

 キッチンでティファールに水を張りスイッを入れる

 と、冷凍庫からお手製のサラダチキンを取り出し、

 同じく冷凍していたブロッコリーとレンジに突っ込

 み解凍にかける

 すかさず洗面所で洗顔と歯磨き、化粧水、乳液、日

 焼け止め、といつもの手順で化粧下地を施す、スキ

 ンケア後は10分以上はマイクまでの時間を開けたい

 からだ

 エミは基本家事全般マルチタスクだ、時間を無駄に

 するのを嫌うようになったのは学生時代、先生が

 「時間は有限、自分の人生の大切な時間を削って何

  かをするなら、それは無駄がなく有意義であるべ

  きだ」

 と教えてくれた先生はおもむろに電卓を取り出し、

 ササッと計算して見せた

 「例えば85歳まで生きるとしよう、85かける24時

  間っと、さらにこれに365日をかけると、、ふむ

  744,600時間、ザックリこれが人生で生きてゆく

  時間だ…」

 先生の計算はここで終わらない、

 「睡眠時間で1/3ほどか、まぁ0.6掛けとするか…

  これで446,760時間、と、ここから…通勤、就業

  と残りの時間はどんどん目減りしてゆく一方だ

  …だがな!」

 ここで一呼吸おいて先生は力強くいった

 「考え方は人それぞれ、無駄を楽しむのもまた一

  興だろう、だが、先生はそういうタイプじゃな

  いからな!無駄は嫌いだし同じことを何度も説

  明するのはその最たるものだろう、だから…」

 「時間は大切に使え、使うなら結果が伴う使い道

  に時間を使って欲しい」

 社会人になった今ならその言葉の意味がよく分か

 る、そんな先生でも無駄と断じない時間の使い方

 を説いていた

 「趣味を持ちなさい、何かを生み出す、そんな時

  間の使い方とは真逆かもしれない、だが趣味は

  人の心に活力をくれる!明日を生きる力をくれ

  る!そして人生に張りをもたらす」

 そんな事を思い出しながら乳液を手の平で伸ばす

 日焼け止めをスポンジではたいている時にレンジ

 の解凍が終わる音がした

 (先生、アタシ今、充実してます!)

 スキンケアを終えると食事の準備だ、TVで情報番

 組を流しながら、チラ見しつつ朝食を作る

 今朝はキャベツの千切りとほぐしたサラダチキン

 トマトを串切りにしてサラダが完成、大きめの皿

 の半分に盛り付ける

 熱しておいたフライパンにバターを馴染ませ、砂

 糖を少量混ぜた溶き卵を流し入れる、表面が少し

 固まったらシュレッドチーズを一掴み入れ、卵を

 巻き込むとチーズオムレツが完成した

 マグカップにサイコロに切った豆腐と刻みネギ、

 チューブの生姜を入れ、丸鳥ガラスープの素を適

 量入れて、熱湯を注ぐ、フタをして2分ほど蒸ら

 せばスープの完成だ

 内容的にご飯かトーストか少し悩んだが夜にお米

 が食べたかったのでトーストにした

 エミが思うに簡単な朝食、を食べ終えた後は、残

 りの食パンの耳を落としサンドイッチを作る

 と言うのも、平針けんしけんじょうには食堂があるのだが、混雑

 するらしい、エミは昼食持参で乗り込んで、食券

 の購入の行列に並ぶ事なく昼食は場所だけ使おう

 、という腹づもりだった、これも既に免許を持っ

 ている伸一や須賀の情報によるものだった

 トマト、レタス、軽く焼いたベーコンを薄くバタ

 ーを塗った食パンに挟み四角くカットする

 言わずと知れたBLTサンドだ、もう一種類は先ほ

 どの卵の残りを薄焼きして挟んだ卵サンド

 お手軽サンドイッチの完成だ!必要書類と共にリ

 ュックに詰めて荷物は完成だ

 雑事を全て終わらせたエミは、いざ!といった表

 情を浮かべて鏡に向かう

 いよいよ勝負メイクの開始だ!

 免許の条件欄に「眼鏡等」が確実に付くエミは、

 素直にメガネでのメイクを選んだ、向こう3年今

 回の写真で行く事になるが、この決断には迷いは

 ない、やはり普段の自分との差異が少ない方が良

 いという結論だった

 同じく普段メガネの晴子はどう決断するだろうか

 ?エミとしても気になるところだ‥

 そんな事を考えながらベースメイクは終了、問題

  はここからだ!最近やっと身についてきたメイ

 クの強弱、チークの強弱による陰影の出し方、眉

 毛とアイホールのバランス、上下のまつ毛は?盛

 り過ぎてないか?メガネとのバランスは?色味は

 ?何をどこまでやっても足りないように感じるし

 また過剰なような気もする、つくづくメイクとは

 奥が深い

 そして、、、、、

 楽しい!!

 日々出勤に備えてメイクを施しているうちに身に

 付いたタイムマネジメント能力 "ここまでだ" 

 と線を引いて集中する部分と妥協する部分、それ

 を絶妙に天秤にかけ、仕上げていく、だが!今回

 は一世一代の晴れ舞台!妥協は極力避け、可能な

 限りの注力を注ぐ、その為の6時起きだ!

 メイクをしている間も自然と笑みがこぼれる

 (楽しい!楽しくて仕方がない…)

 誰に強制された訳でもない、強いて言うなら女性

 としての嗜み、社会人の女性として、現代社会で

 は当然身に着けておくべき技能とでも言える

 そんなメイクだが、何も堅苦しく考える必要など

 何処にもないのだ!そう!自由に!思うがままに

 !こうありたいと願う自分を実現すれば良い!

 調べて、努力して、協力して、時には頼って…

 そうして今ここに、完成したメイク…

 これが、これこそが今の自分に出来る

 最良にして最高のメイク! 完成だ!!

 

 もう一度リュックの中身を確認した、時間は7時

 20分、駅には7時30には着くだろう

 自転車に跨り駅へ向かう、決して焦らず、がむ

 しゃらに漕いだりもしない、ゆっくりと風を感じ

 ながら、のんびり駅を目指す、汗などかいてしま

 っては台無しだ

 ほら着いた、7時32分、通勤の電車より3本早い発

 車時間、周りを見渡してもいつも行きかう人たち

 と顔ぶれが違う、電車を待つ間、問題集に目を通

 す、40分発の電車がやってきた、車内は多くの学

 生とスーツ姿の社会人、OLと様々な人々でいっぱ

 いだ、つり革を掴んで揺られていると学生がゾロ

 ゾロと降りてゆく駅で席が空いた、座って問題集

 を流し読みしていたら地下鉄区間に入った、気づ

 けばもう次が平針だった…

 自動車学校でもらった案内の紙は正直必要なかっ

 た、人の流れに連なって行けば自然に県試験場へ

 と辿り着く…つまりそれほど人が多いのだ!

 係の人員の案内にしたがって道沿いに歩く、須賀

 はゴールド免許でここ最近の事情は分からないが

 、と前置きしてから 

 ”平針けんしけんじょうはすごく込む!” と言っていたのだが

 、逆に伸一は

 ”コロナ渦以降はシステマチックになってて込ま

 ない” と言っていた、結論としては 

 ”どちらとも言えない” だった、初めてなエミに

 は込んでいるのか空いているのかの判断がつけら

 れないのだ、ただ、必要書類に必要事項を記入し

 受付けに並ぶ、収入印紙購入窓口で印紙を購入し

 てそのまま貼り付けてもらい提出して受付けを済

 ます、その後は視力検査と進むのだが、実にスム

 ーズに事が進んだ、8時50分には視力検査が終了

 、受験票を受け取り試験会場である2Fへ向かう

 試験開始となる9時30分までの間、問題集とにら

 めっこして過ごす、つもりだったが、20分には試

 験官がやってきて、あれこれと注意点の説明をし

 たかと思ったら、そのまま筆記用具以外を片付け

 させられ試験開始となってしまった

 問題はおおむね予想通りの中身で、正直間違う事

 は少ないだろう、と思われるものがほとんどだっ

 た、時間が大いに余り、何度も繰り返し見返した

 が、回答が変わる事は無かった

 試験官からっ問題が解けた者は随時退室して良い

 との旨の声掛けがあり、それに従って退室する

 やれるだけの事はやった、後は待つのみ、と思い

 きや”登録カード”なる物があるらしい、免許証に

 内蔵されているICチップに4桁の暗証番号を設定す

 る必要があるようだ

 一つは銀行のカードと同じ番号に設定し、もう一

 つは母の誕生日に設定した

 合格発表は11時、まだ30分もある…

 トイレに向かうとメイクを確認する、まぁ試験を

 受けただけだし崩れる要素はない、満足のいく出

 来栄えだ!これでいいのだ!

 、、、、、、、、、、、、、、

 なんだかバカボンのパパみたい…

 一人でそんな事を考えながらベンチに座り試験結

 果の発表を大型モニターの前で待った、ディスプ

 レイには ”次の合格発表は11:10からです”

 と、表示されている、まだ時間があるので最近気

 になっているコスメ、和菓子、バイク用品など、

 ここ最近、自分の生活に張りをもたらしてくれる

 情報を貪るように検索していると…

 ~~~~♪メロディーが流れ、合格発表のアナウ

 ンスが流れた

 「間もなく合格発表を行います、受験された方は

  合格発表板の前にお集まりください」

 画面が切り替わり”まもなく合格発表を行います”

 との旨が表示されている、いよいよだ、、、

 待つこと1分あまり…

 「ただいまから、合格者の受験番号を4桁で表示

  します…」

 心臓の鼓動が感自分でも感じられる…

 エミの番号は2060番、画面がブラックアウトし、

 黒地の画面にオレンジの受験番号が表示される、

 、、2057、2059、、、2060、、あった!!!

 2060番!もう一度確認しても確かに表示されて

 いる、合格だ、無意識にガッツポーズが出てし

 まったのは生まれて初めてかも知れない

 兎にも角にも、紛れもない合格だ!やった!

 これでエミも自動二輪免許所持者の仲間入りと

 なった




 






 




















 














今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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