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イケおぢ再び!

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 「とりあえずカンパ~イ!!」

 須賀の乾杯の音頭で晴子もミキも、エミとグラスを合わせた

 (なんでこうなるの??)

 エミは困惑しつつも開き直って今日は飲もうと決めた

 

 事の発端は会社での昼休憩にさかのぼる

 「で、エミちゃんは何の心変わりがあってメイクに目覚めたの?」

 晴子に問われ、最初はネットの詐欺メイクに触発されて、などと

 もっともらしい事を言っていたエミだったが、ミキの

 「エミさん割と頑固だからそんな簡単に流されないですよね~」

 の一言に晴子も同調し、納得してもらえずにいた

 渋々エミは昨日の須賀との出来事のあらましを話して聞かせた

 すると

 「なにそれ~??」

 「連絡先も教えずに帰ろうとしたのその人?」

 ミキも晴子もガッツリと食いついてきたのだった

 「え~エミちゃんがもらった袋には何が入ってたの」

 「コンシーラー、フェースパウダー、ハイライト&シェーディング、アイブロウ

  チーク、マスカラ、アイライナー、つけまつ毛に至ってはサイズ毎に6セット

  それから…」

  「えええぇぇ!?3万円以上かかってるんじゃ?」

 ミキが驚きの声を上げる

 「超富裕層のおぢさまかな?エミちゃん、しっかりつかまえとかなきゃ」

 本気なのか冗談なのか晴子の言葉の真意は分からないが…

 「既婚だって宣言してたから、それに私とどうこうなりたい訳じゃない、って

  ハッキリ最初にことわってたよ」

 「う~ん、ますますイケおぢ!」

 「会ってみたいなぁ」

 晴子もエミも口々に好き勝手言っている

 「一応連絡先は聞いたんだけどね…」

 エミの言葉に2人が即食いつきてきた

 「連絡して!すぐに!!」

 「えぇ??なんで??」

 ミキもノッてきた

 「そうですよ!今日会えないか?って連絡して下さい」

 「もちろん、私たちも行くからね」

 そう言った晴子とミキがハイタッチを交わしている

 エミは困惑しつつも、自身ももう一度須賀に会って改めてお礼を言いたい

 自分の気持ちに気づいた、とはいえいきなり今日というのはいささか不躾

 である、エミはやりとりはしてみるが期待はしないでくれ、と2人に釘を

 刺し須賀にLINEを送ってみた

 「こんにちはエミです、昨日はありがとうございました」

 当たり障りのない文面で最初の連絡を送ると、意外にもすぐに返信が来た

 【やあ、こんにちは、いま休憩時間なの?】

 「そうです、お昼休憩でゴハン終わったところです」

 【オレも愛妻弁当完食して一服中!】

 相変わらず既婚である事を隠しもしない須賀の文面に下心のカケラも

 感じられなかった、そこがまたエミにとって好感度UPである…

 須賀であればまわりくどいやり取りは不要、と思ったエミは思い切って

 「あの、急に変なこと言いますが、、、」

 【ん?どしたの?】

 「今日、仕事が終わったら会えませんか?」

 【おぉ!?もうそんなにメイクを極めたの???】

 「いえ、そうではないんですが…」

 【やっぱそうだよねwwそんな簡単な訳ないわ】

 「実は友達に昨日の件を話してしまったんです、そしたら会ってみたいって

  須賀さんに、、」

 【別に構わないけどオッサンに会ってもつまらないだろうに】

 「それが、興味津々のようですよ(笑)」

 【仕事帰りだから作業服とかだけどそれでもいいなら】

 「あ、全然構わないと思います、聞いてみますね」

 エミは2人に須賀は大丈夫と言ってる旨と作業服だが構わないか?との事

 を確認してみた、2人とも口々に

 「全然おっけーです」

 「気取ってなくて逆に好感度UP」

 など勝手なことを言っている

 「なんか全然良いようです(汗)」

 【わかった、昨日のスタバで18:00頃でどうかな?】

 「分かりました」

 なんだか妙な事になってしまった、、、エミは思いつつも2人に内容を

 告げる

 「楽しみー」

 「どんな人なんだろうね」

 ミキも晴子も口々に期待を口にしていた

 「ミキちゃん原付はどうするの??」

 「駅に停めといて帰りに乗って帰ります」

 晴子はトヨタ駅のひとつ隣の駅から乗ってきている

 トヨタ駅まで乗越すだけだろう

 ワイワイと話しているうちに昼休みも終わりを告げ 

 た、午後も頑張ろう!3人は立ち上がって食器を片   

 づけ始めた

 

 スタバに到着するとすでに到着していた須賀が4人掛けのテーブルを確保

 していた、軽く手を振りこちらに向けて笑いかける須賀は宣言通りの

 作業服姿だった、エミも手を挙げて応えるとペコリとお辞儀した

 3人はおずおずと須賀の陣取るテーブルに腰掛けた

 「ん〜と、はじめまして、須賀です、何がどうなっ

  て今こうなってるのかよくわからないケド、、」

 本当にその通りだ、エミも晴子もミキもつられて笑  

 った

 「そちらの2人はエミちゃんの会社の友達??」

 「ハイ!園田美樹20才です、エミさんと同じ会社の後輩です」

 「同じく伊藤晴子25才、エミちゃんと同期の同僚です」

 「2人ともスイーツ仲間で、晴子ちゃんが洋菓子派でミキちゃんは作る派です」

 2人がハキハキと自己紹介をすませた後、エミが補足した

 「はじめまして、オレは須賀幸太51才既婚、しがない会社員です、はじめに

  断っておくけど、エミちゃんとどうこうなりたい、って訳じゃないよ」

 須賀の言葉を聞いて3人は顔を見合わせて頷いた

 「まるで転スラのリムルみたいな自己紹介ですね(笑)」

 「そうですよね、昨日の事はエミちゃんから聞きました、私たちも単純に

  須賀さんに興味があってここに来ました」

 晴子の言葉に

 「突然無理言ってすみませんでした…」

 エミが頭を下げる、と同時に2人も頭をペコリと下げた

 「いいよいいよ!どうせ家帰ってもいつもヒマしてるしねw」

 屈託なく笑う須賀の笑顔にミキが口を開く

 「う~ん、イケおぢですね!」

 須賀がキョトンとした顔でミキを見つめる

 「そんな事人生で初めて言われたよ!」

 これには晴子もエミも同意した

 「いや!須賀さんはステキです!」

 自分でも驚くぐらいハッキリと口にしたエミに、晴子もウンウンと大きく頷く

 須賀は少し照れた表情を浮かべながら

 「それはそうとエミちゃん少しメイク変わった?」

 須賀に指摘されエミは硬い表情を浮かべながら

 「昨日あれからメイクの基礎知識をずっと調べてて、、今日は1時間早く起きて

  メイクしてみましたが、、その、、どう、です、か??」

 エミはドキドキしながら須賀の感想を待った

 晴子もミキも固唾を飲んで見守る

 「うん!いいんじゃない!目元が少し明るくなったし、ややパッチリしたね」

 エミの表情がパァッと明るくなった

 それを見て晴子も表情を緩める

 エミは居住まいを正し須賀に向き直って言った

 「昨日はありがとうございました、頂いたメイク道具は大切に大切に使わせて

  頂きます」

 改まって言うエミに

 「いいよいいよ、しっかり使いこなしてみてね」

 須賀はいつもの軽い口調で答える

 「ところで須賀さんってメイクを見る目がありますよね!?」

 ミキが不意に放った言葉に

 「そ、そうかな?うちの奥さんが結構こだわる方だからかな??」

 なんだか少し狼狽えたように見えたエミだった

 そこからなんだかんだと話は逸れスイーツ話に花を咲かせつつも

 アッという間に19:00を超えた

 「3人さん晩ゴハン食べなきゃだろ?そろそろ解散しようか?」

 須賀の言葉に3人は顔を見合わせたが、今日の夜の予定は特に立てていなかった

 「あまり引きとめても迷惑だろうし、今日は解散する?」

 エミは言ったのだがミキが

 「え~~~!!もっと話したいです~~」

 若いというのは良いものだ、思っている事をストレートに言葉に出せる

 だがエミも話したりないと思っていたのは事実だった、そこへ晴子が

 「私この後の予定が、、、、」

 (それならお開きだな)とエミは思ったのだが

 「ぜんぜんな~~~い(笑)」

  須賀を含め3人がズッこけたところで、じゃあどうする?となったが

 「せっかくだしお酒飲みながらお話の続きしましょう!」

 窓越しに見える居酒屋を指さしながらエミが言った

 「須賀さん車だろうしそれじゃ困るでしょ??」

 晴子に問われた須賀が

 「オレは代行でもぜんぜん構わないけど、、w」

 どうやら乗り気のようだ、ここぞとばかりにミキが畳みかけてくる

 「アタシも今日は原付置いてバスで帰ります~」

 ここまで言われるとエミも嫌とは言えない

 「私は自転車押して帰っても遠くはないけどハルちゃんは?」

 「アタシは駅まで徒歩だから、、、(笑)」

 もはや満場一致だった








 

 

 

 










今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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