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決戦 番外編

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 〖へ〜、エミさん部屋キレイにしてるんだね〗

 そう褒められ、悪い気はしない

 「ゴメンね、、面白みのない部屋で…適当に座って

  て、ゴハンの準備しちゃうから!」

 特にこれといった特徴のない部屋、趣味の和菓子以

 外には特に何にも情熱を持てなかった日々…

 必然的に部屋は簡素で質素な空間になっていった…

 「ホットプレート出すから、お肉は焼きながら食べ

  ましょう!」

 買い物袋から、買ってきた野菜などの食材を冷蔵庫

 にしまう

 と、背後に川本がやってきていた

 〖やっぱりマメなんだねエミちゃん、ジップロック

  に下ごしらえした食材だらけじゃない〗

 一人暮らしを長く続けていると、調理の手間は削減

 の方向に向かう、まとめて仕込んでしまうと後が楽

 なのだ

 「こういうのはまとめてやってしまった方が後々楽

  だから…」

 〖何か手伝う事ない?手持ちぶさたになっちゃうか

  ら〗

 エミは少し考えた後

 「じゃあ、お肉の仕込みするから手伝ってもらおう

  かな」

 〖ステーキの仕込みって何すれば良いの?〗

 「このおろし金で玉ねぎを擦って欲しいの…」

 そう言いつつ玉ねぎの皮を剥くと川本に渡した

 「一個丸ごとおろしちゃって欲しい!」

 〖何だか分からないけど了解しました!〗

 川本は敬礼して玉ねぎとおろし金を受け取ると、ダ

 イニングテーブル上でシャッシャとおろし始めた

 エミはステーキ肉をパックから取り出し、脂身と赤

 身の境目に複数包丁を刺して筋を切った

 そうしておいて冷蔵庫から刻み玉ねぎの冷凍パック

 を取り出す

 鍋に湯をわかし始める、その隣ではフライパンを熱

 し始めていた

 〖うわ~マルチタスクだねぇ…〗

 川本がエミの手並みに感嘆の声を上げる

 「いっつもこんな感じなのよ…」

 エミとしては感心される程の事ではないが、川本の

 ような独身男子からすると、やはり調理というのは

 手間なのだろうか?エミとしては料理するのは嫌い

 ではない

 〖ハイ、玉ねぎ終わったよ〗

 「ありがとう、座って休んでて」

 すりおろし玉ねぎを受け取ると、筋切りをした牛肉

 のパックに流し込み、肉を漬け込んだ後冷蔵庫にし

 まった

 〖へ~すりおろし玉ねぎで漬け込むんだ?〗

 「お肉がすごく柔らかくなるの!安い肉でも高級肉

  みたいに美味しく感じるんだよ!!」

 そんなやり取りをしつつもエミの手は止まらず、熱

 したフライパンにオリーブオイルを注いだ後、解凍

 した玉ねぎのみじん切りを炒め出す

 「何か苦手な物ってある?」

 〖ん~これと言って無いかな、強いて言うなら椎茸

  はあまり好きじゃない、ってぐらい…〗

 「じゃあ椎茸は入れないでおくね!」

 聞いておいてよかった、スープにはマッシュルーム

 を入れるとしよう

 「セットメニューではライスかパンが選べますが、

  どちらにしますか?」

 〖ライスでお願いします〗

 「承知しました!」

 ファミレス店員風のやり取りをしつつも手際よく事

 を進め、炒めた玉ねぎは煮えた鍋に投入された

 冷凍庫から使いかけのマッシュルームの残りを取り

 出すと鍋の中に放り込む、コンソメキューブを足し

 たら火を弱めてトロ火でコトコト火を入れる

 さらに冷凍庫からくし型に切ったジャガイモを取り

 出し、電子レンジで5分加熱する

 〖もう次の品に移ってるんだ!?ホントに手際良い

  ね〗

 「普段はもうちょっと手抜き料理なんだけどね、仮

  にも、その~彼氏に振舞う訳だし、、」

 エミの照れた物言いに、満面の笑みを浮かべた川本

 が

 〖嬉しいね!張り切ってくれてるんだ〗

 喜ぶ川本の顔は少年のようで、何とも可愛らしい表

 情だった

 先ほどの油っけをキッチンペーパーでふき取ったフ

 ライパンをもう一度弱火にかけ、今度はバターを溶

 かす、そこに先ほどのじゃがいもを放り込むと火を

 強めて一気に表面をカリッと焼き上げる

 仕上げに軽く塩コショウを振りかけて完成だ

 鍋で煮込んでいたコンソメスープも完成していた

 「もうすぐ食べられるよ~」

 ホットプレートの電源を入れ、加熱をかけてから

 リビングでTVを見ている川本に声をかける

 〖ちょうどお腹減ってきたね、良いにおいで食欲が

  わいてきたのかな〗

 そう言いながらテーブルに着く川本にグラスを手渡し

 ノンアルコールビール注ぐ

 〖うわ!ありがとう〗

 自身のグラスにも注ぐと、コホンと一つ咳払いをして

 「本日はわが家へお越しくださりありがとうございま

  す、大したおもてなしは出来ませんが今のアタシの

  精一杯をお召し上がりください」

 〖なんだか仰々しいね…〗

 「なんてったって記念すべき交際一食目だから!」

 と言いながらフライパンにオリーブオイルを注ぐ

 少し待って油がまばらになり出した所でゴハンを入れ

 、そこへニンニクチューブを絞る

 「チップのニンニクがなくってゴメンね…」

 言いながら醤油を少し垂らし、よく混ぜたあと最後に

 塩コショウを振ってガーリックライスの完成だ

 お互いの皿によそった後、乾燥パセリの瓶を振りかけ

 た 

 〖う~ん、良いニオイ♪〗

 先ほどのコンソメスープを器に入れ、シュレッドチー

 ズとパン粉をまぶしてレンジにかける、30秒ほどでチ

 ーズが溶けてオニオングラタンスープが完成した

 スープと共に先ほどのベイクドポテトを盛り付けた大

 皿をお互いの席へ、ナイフとフォークと共に準備した

 その間に川本がキッチンペーパーでホットプレートの

 油分を拭きとっていた

 いよいよステーキ肉の登場だ!いつも愛用している使

 い捨てのビニール手袋で肉を掴み上げると、表面のす

 りおろし玉ねぎを払い落とす

 「じゃあいよいよ焼いていきます!」

 そう言うと、牛脂を溶かしたホットプレートへ牛肉を

 投下した

 ジュアアアアァ

 小気味良い焼き音と共に、肉の焼ける香ばしい食欲を

 そそるニオイが漂ってくる

 「1分もあればやけちゃうから準備して!」

 エミの言葉に川本が両手で皿を持ってスタンバイして

 いる

 その一生懸命な姿がなんとも可愛くて仕方なかった

 サッと裏返すとカンペキ!と言える焼き色がついてい

 た

 〖おおっ!?〗

 思わず川本が歓声を上げた、確かにこれはとても美味

 しそうだ♪

 サッと裏返し、反対側を30秒ほど焼いたら完成だ!

 ステーキをホットプレートから降ろすと川本が

 〖美味しそうだね~♪何つけて食べるの?〗

 と尋ねるので

 「ふっふ~ん!それは今から作ります!」

 と勿体つけた後、ホットプレートの残りの牛脂に、

 バターを一欠け投入する

 川本が興味津々で覗き込む中、エミはパックの中に

 残ったすりおろし玉ねぎを投入した

 〖へぇ~それも使うんだ!?〗

 「とっても美味しいのよコレ!」

 そう言いながら醤油を適量垂らし、塩コショウをし

 た後仕上げに100%レモンジュースを一垂らし

 ホットプレートを保温にし、スプーンで作ったソー

 スを掬って肉にかけた

 「これで完成!冷めないうちに食べましょう!」

 〖うわぁ!これは美味そうだ〗

 今日の川本は、いつもよりなんだかとても幼く見え

 た、ずっと少年の様な表情を見せてくれる

 「〖いただきます!〗」

 二人して手を合わせた後、グラスを持って乾杯した

 さてと、お肉の味の方は、、?

 〖すっごい美味い!それにそれほど高級肉でもない

  のにメチャクチャ柔らかい!〗

 「うん、これだけ漬かってれば良いね、美味しい」

 〖アチチッ、スープはスープでまた格別だね!〗

 「玉ねぎ刻んで冷凍しておくとすぐ出来ちゃうんだ

  けどね…」

 チーン…レンジで調理の済んだ音がした、すぐさま 

 駆け付け耐熱容器ごと持ってくる

 〖これは?〗

 「付け合わせ用の野菜、と言っても冷凍しといたほ

  うれん草とシメジだけどね」

 そう言いつつ少し油を引いたホットプレートで焼き

 始める

 ただ野菜を焼いているだけなのに、川本は終始キラ

 キラした目で興味深そうに眺めている

 「どうしたの?」

 〖いや~、よく”男を落とすなら胃袋をつかめ”って

  言うじゃない、その意味を実感してた…〗

 どうやらエミの料理はお気に召したようだ、最も、

 料理、と言うほどの物でもない内容だとエミは思っ

 ているが

 川本はよく食べた、終始 ”美味い美味い” と呪文

 のように口にしていた

 エミも喜んでもらえて大満足だった

 〖ご馳走様でした!~いや~美味しかった♪〗

 「こんなので良かったらいつでも作るけど…」

 〖こんなの!?とんでもない!スゴイご馳走だった

  よ!〗

 「え~??アタシはもっと手の込んだ料理の方がご

  馳走と呼んで欲しいけどな~」

 〖今日のも立派な手をかけた料理だよ、決して手抜

  きじゃなくて工夫でしょ、下ごしらえだってエミ

  ちゃんが自分でやってるんだし…〗

 川本は手放しで褒めてくれた、心から言ってくれて

 る事が分かる

 (もうちょっと自分を認めてあげなよ)

 須賀の言葉が頭をよぎる、、、

 アタシ、ちゃんと頑張れてるのかな?

 〖なんて言うのかな~、そう!今日オレがコーヒー

  わかしたでしょ〗

 「うん…」

 〖あんなの自販機で買えばそれで済む話じゃない、

  でもそれじゃあ味気ない、でも、あぁしてわざわ

  ざ沸かして飲めば、なんか、こう、ホラ、特別感

  、と言うかさ、そのひと手間でただのインスタン

  トコーヒーがすごく美味しく感じられたりするん

  だ〗

 「確かにそうだね、あそこで飲んだ紅茶は美味しか

  った♪」

 川本の言葉にはうなづける部分が多かった、”特別

 感” それを川本に感じさせてあげられるだろうか

 、、、これからの自分が…

 〖エミちゃんがオレの為に作ってくれた物だから、

  何倍も美味しかったんだと思う…〗

 お世辞でも嬉しい言葉だ、と、、

 〖お世辞だと思ってるんでしょ?〗

 心を読まれた!?顔に出ていたのだろうか?

 「何で分かったの?」

 〖エミちゃんは謙虚だから!そんな事ない!って思

  っちゃうんだろうけど、一人暮らしでしっかり自

  炊してて、そこから更に費用を捻出して二輪免許

  まで取って、オレはスゴイ事だと思うけどな~〗

 「そう、、、なの??」

 〖うん!とってもスゴイ事だと思うよ〗

 〖その、”イケおぢ” さんだってエミちゃんが頑張

  ってるから応援してくれてるんだと思うよ〗

 「アタシ、、頑張れてる、、のかな??」

 〖とっても!!仕事だって、それ以外だって〗

 「これと言って特技とかないのに…」

 川本は部屋をクルリと見まわすと

 〖今日はオレが来ると思って部屋片づけておいたの

  ??〗

 「うぅん、全然そんなつもりじゃなかった…」

 〖ホラ、普段からしっかりしてるんだよ、仕事ぶり

  にも現れてるからね〗

 「そうなの?」

 自分は職場でどう見られているのだろうか??考え

 た事もなかった

 〖言ったじゃない、仕事を一緒にやっていくうちに

  好きになった、って、さ…〗

 照れながらそう言う川本だったが、不意に居住まい

 を正すと、真剣な表情で

 〖オレはエミちゃんにふさわしいかどうか分からな

  いけど、改めて、末永く、よろしくお願いします〗

 そう言って頭を下げてきた

 エミも姿勢を正すと、川本に向き直り

 「こちらこそ、不束者ですが、どうか末永く、よろ

  しくお願いします」

 と、頭を下げた…

 不意に決まった川本への手料理の振舞い、どうやら

 満足してもらえたようだ、これから始まる2人の交

 際、どうなってゆくのか、先の事は分からないけど

 一生懸命やって行こう!この人と一緒に…

 エミの新たな決意が固まった

























 























今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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