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決戦 VS 川本

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 川本は駅から東の方面に向かった、何処を目指して

 いるのか分からなかったが、橋を渡り、山間部の道

 を通っている時にピンときた

 Kヶ池だ、ここは人工の池があり、その周辺に自動

 車博物館や芝生公園、遊歩道、無料の動植物園など

 があり、休日には家族連れで賑わうスポットだ

 池のほとりにはキノコ型の屋根とその下には石造り

 のテーブルとベンチが設置されている 

 駐車場の一角にセローを滑り込ませた川本が

 〖エミさんヘルメット預かるよ…〗

 と、エミのヘルメットをホルダーにかけた、以前

 からそうだが、2人乗りすると川本はいつも、エミ

 のヘルメットをホルダーに掛け、自らのヘルメット

 はミラーにぞんざいに掛けている

 由貴に尋ねたところ

 <それはイケメンムーブってやつだね!>

 と言っていたが、詳しく聞いてみると、ヘルメット

 はミラーに掛けただけにしておくと盗難の恐れがあ

 ったりするそうだ、川本はもしそうなるなら自分の

 ヘルメットが盗まれれば良い、と思っているのだろ

 う、との事だ…

 「あそこのキノコ空いてますね…」

 エミが指さしたキノコ屋根を確認すると

 〖ホントだ、あそこにしようか…〗

 と、タンクバッグを担いで歩き出した、エミも後に

 続く…

 川本が石造りのベンチに腰掛けると、エミも横に並

 んで腰かける

 〖ちょっと失礼…〗

 そう言って川本はタンクバッグのジッパーを開け、

 10㎝角程のプラスチックケースを取り出した

 エミが不思議そうに眺めていると、続けて半円型

 のボンベ、小さめのケトルを取り出した

 樹脂ケースを開けると、中からは小型のバーナーコ

 ンロが姿を現した、それをボンベにねじ込むと、水

 の入ったペットボトルを取り出し、ケトルに注ぎ込

 みコンロの火にかけた

 〖5分もあれば沸くから少し待ってね…〗

 「スゴイ!全然かさばらないんですね」

 〖まぁ元々キャンプ用品だからね〗

 エミもリュックから紙袋を出すと

 「あのプレミアムどら焼きと同じ三河庵さんで買っ

  て来ました」

 〖あ~あのどら焼き美味かったなぁ♪〗

 「あれは月に2回しか発売してない限定品ですから

  ね」

 何気ない会話が楽しい、でも今日の目的はただ話す

 事だけではないのだ

 「川本さん…」

 〖はい?、、〗

 「石川くん、居ますよね、アタシの同期の…」

 エミは意外な切り口で語り出した

 〖う、うん…〗

 川本も意外な名前が出てきて動揺している様子だ

 「覚えてますか新人研修の時、石川くん、高卒だ

  からプレゼンとか全然やっ た事なくて緊張しち

  ゃってて…」

 〖覚えてるよ、あの時、指導員がオレだったから

  ね、石川くんロクに人前でしゃべった事ないか

  ら緊張でガチガチで…〗

 「そうそう、見てられないな~って思ってたら、

  川本さんが発表の順番後にズラしてくれて…」

 〖指導員なら誰だってそうするさ、別に石川くん

  イジめるのが目的じゃないんだから…〗

 「あの時から川本さんが気になってたの、その後

  も仕事中に浜崎さんをフォローしてたり、アタ

  シ自身も、ハルちゃんやミキちゃんだって、み

  んな助けてもらってる」

 〖それは良い上司、って理解して良いのかな?〗

 「もちろん!」

 少しの沈黙…

 「でも、それだけじゃなくって…」

 「男性としても、とっても魅力的だと思ってます

  外見だけじゃなくって、が、外見もステキだけ

  ど、なんて言うか包容力、、とか、誰かがミス

  したって、攻めるより先に助けるところとかっ

  !!」

 「だ、だからっ!…」

 言いかけたエミを、川本が片手を挙げて制した

 言葉を止められたエミは、怪訝な表情で川本を伺

 っている、が、川本は

 〖お湯が沸いた、コーヒーか紅茶しかないけどど

  っちが良い?〗

 今はそれよりも、と思ったエミだが

 「じゃ、じゃあ紅茶で…」

 と、辛うじて平静を装った、川本は紙コップにテ

 ィーバッグを浮かべると、スティックシュガーを

 2本用意してエミに寄こした

 エミがそれを受け取ると、自身にも紙コップにイ

 ンスタントのコーヒーを入れて湯を注いだ

 使い捨ての木製マドラーをエミに寄こしながら

 何でもない事のように

 〖じゃあ次はオレの番、オヤツを食べながら聞い

  てよ〗

 と紙袋を手元に引き寄せると

 〖一つもらうね…〗

 と言って今川焼を一口頬張った、エミもそれにな

 らって今川焼を手に取った

 〖オレもエミさんの事が気になったのは新人研修

  の時からだよ…〗

 エミとしては意外だった、新人研修?何か印象に

 残るような事があっただろうか?自分でも平凡な

 イメージしか残っていない

 コーヒーを一口啜った後、続きを語り出した

 〖エミさん晴子さんと同じ班だったよね?〗

 「えぇそうです、うちの班、全部の項目で順位が

  低くて…」

 〖そうそう、総合順位でドベ2だったよね…〗

 「そうなんです、良い印象なんて何もなかったで

  しょう?」

 〖そんな事ないよ、最後のプレゼンでもう優勝は

  ない、って決まってたけど”最後まで頑張ろう!

  !”ってみんなにハッパかけてたじゃない〗

 あの時は燃えていた、社会人になって、最初の仕

 事、それがたとえ新人研修であろうと最後までや

 り抜く、そう決めていた、優勝できないからと諦

 めムードのチームが許せなかった

 〖最初は上司として気になった、良い娘だな~仕

  事頑張ってくれそうだ、って、でもね、一緒に

  仕事してみてそれが女性としての魅力に変わっ

  て行った、控えめで、前に出過ぎず、でも譲ら

  ないところはちゃんと持ってて、一本芯が通っ

  てる、それがオレから見たエミさん〗

 「負けず嫌いなんです、アタシ(笑)」

 〖良いんじゃない、オレから見たら魅力だよ〗

 「頑固なんです、頭が固いんです…」

 〖それは意思が強いって事でしょ〗

 「メガネ取ったら、こんな顔ですよ…」

 〖オレから見たらますます魅力的だけどね…〗

 「真面目に勤めてるだけで、優秀でも何でもない

  ですよ…」

 〖真面目に勤められる、立派じゃない!〗

 「アタシなんてっ…」

 言いかけたエミの口を川本の人差し指が止めた

 〖それはナシだ!イケおぢさんにも言われたろう〗

 そう言うと川本は、残りのコーヒーを一気に飲み

 干し最後にこう言った

 〖オレが好きなのはエミさんだよ、今の頑張って

  るエミさんも、その前のエミさんも、全部丸ご

  と!!〗

 想いを告げようと思っていたのに先を越されてし

 まった

 「ズルい!アタシから言おうと思ったのに…」

 〖なんだか先に言われちゃいそうだったから、こ

  ういうのは自分から言いたい性分なんだよ…〗

 「アタシだって…」

 〖アハハハ、ホントに負けず嫌いだよね…〗

 笑われたって全然イヤじゃない…だって

 「あなたが好きです…」

 〖オレもエミさんが好きだよ…〗

 沈黙が降りてくる、、、照れ臭くって、思わず

 紙コップを手に取る、いつしか紅茶はすっかり冷

 めてしまっていた

 「おかわり、ください…」

 川本が新しいティーバッグとお湯を注ぎながら

 〖じゃあ ”せーの” でお互いに言おうか…〗

 と照れ臭そうに言った、エミが ”??” という

 反応を見せると

 〖ほら、”第一印象から決めてました” 的なア

  レ…〗

 川本の言う通りだ、肝心なあの言葉をお互いにま

 だ言っていない

 エミがコクリと頷くと川本が小さく

 〖せーの…〗 と、口にした、お互い間髪入れず

 「アタシと付き合ってください」

 〖オレと付き合ってください〗

 気づくと、目を閉じて右手を差し出す川本がいた

 ソッとその手を両手で掴むと、川本も両手で握り

 返してきた

 「よろしくお願いします…」

 〖こちらこそ、どうぞ末永くよろしく…〗

 最終決戦は決着した、エミ的にはやや敗北に近い

 いや?結果として見れば大勝利??なのだろうか

 ?そもそも勝敗って何だろう?

 どうでも良いか、想いは遂げた、結果も出た、あ

 とは後の自分達が結論を出すだろう…

 

 おかわりの紅茶を飲みながら、どら焼きを頬張り

 時を忘れておしゃべりした、会社ではどうしよう

 か?特に何も気にしないで良いのでは?敬語は止

 めて欲しい?じゃあ二人の時はそうする、それな

 らこちらも一つだけ…

 「アタシの事はエミって呼んで!」

 〖分かった、でも会社じゃさすがにマズいから…

  そうだな~ ”エミちゃん” にするよ…〗

 「それじゃミキちゃんと変わらないね…(笑)」

 「そう言えばなんでミキちゃんはちゃん呼びな

  の?」

 〖あぁ、本人がそうしてくれって…〗

 「うらやましいわ~ミキちゃんが…」

 〖アハハハハハハハ…〗

 「そう言えばあの真面目な浜崎さんですら 

  ”ミキちゃん” って呼んでるんだった…」

 本当に羨ましい、だが、ミキにはミキの、晴子に

 は晴子の良さがある、そして自分にだって川本に

 好いてもらえる魅力があったのだ

 ”もうちょっと自分を認めてあげなよ”

 須賀の言葉が思い出された

 (アタシ、自分の気持ちを伝えられました…)

 エミは心の中で、須賀に深くお辞儀した


































今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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