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決戦 VS 店長

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 <川本さんとは何時に約束してるの?>

 ハフハフと、ナポリタンを頬張りながら尋ねる由

 貴に

 「16時頃連絡します、ってザックリ決めてある…」

 現在12時30分過ぎ、まだかなり余裕がある

 〈えらく時間に余裕を持たせたのね…?〉

 『あれですよ、ホラ、メイク直し!!』

 <あぁ、なるほど!>

 「そうなの、勝負メイクに直したくて…」

 〈ついにお披露目なのね?〉

 晴子に問われてエミは頬を真っ赤に染めてコクリ

 と小さく頷いた

 <いいわね~真っ赤になっちゃって、可愛い!ア

  タシが男だったらイチコロだよね~♪>

 由貴にからかわれ、ますます真っ赤になって俯く

 エミだったが、晴子が

 〈ホラ、今はしっかり食べときなさい、腹が減っ

  ては何とやら、ってね〉

 晴子に勧められエミも黙々と箸を進めた

 <まぁこっからは本人たちの領域だから、あ~だ

  こ~だ言うのはもう止めとく、ただ結果だけは

  教えてね>

 『そうですよ、何がどうあったってエミさんとは

  これからも仲良しですけどね』

 〈何の心配もいらないと思うけどね~〉

 『アタシも~』

 <だよねぇ~(笑)>

 楽観視している仲間たちだが、エミとしては、心

 中おだやかじゃない状態がずっと続いている、こ

 ればかりは自信とかそういう類の物ではないはず

 だ…

 時間を多く取ったのにはもう一つ理由があった実

 はメイクを直した後、川本より先に見せたい人た

 ちがいるのだ、磯山、前原、、そして店長

 エミの勝負メイクを見せたい相手、もちろんそれ

 は川本なのだが、店長と磯山、前原もまた、その

 前哨戦と呼ぶには軽すぎる程、メイクの成果を見

 せたい相手なのだった

 (な~んか難しい表情で真面目な話してるね~)

 不意にマスターがテーブルにやってくると

 (ホイ、ホットとアイスにレモンティーに抹茶オ

  レ)

 「あ、あの、、頼んでませんよ…」

 マスターはニカッと笑うと

 (もちろんおぢさんのオゴリだ!!)

 白い歯を光らせて胸を叩いた

 <う~わマスターカッコ良い♪>

 (調子良いな~由貴ちゃん、初めて言われたぜ…)

 由貴は口に手を当てクスクス笑っていたが

 〈ありがとうございます〉

 晴子がかしこまって礼を言うと、残りの三人も後

 に続いた

 (免許取った後の行先の選択肢にうちが入ってく

  れる事を祈って、ね…)

 『また来ますよ~インディアンも和風ツナソース

  もペペロンチーノもカルボナーラもまだ試して

  ないんですから!』

 <あ、アタシ、メニュー1周してるよ!>

 『さすが由貴さん、でもこういうのは自分で試さ

  ないとね』

 (是非そうしてくれると嬉しいね!)

 「ミキちゃんはカフェとか行ってもパスタメニュ

  ーから攻めるよね」

 〈新しいとこ行くと大概ナポリタンだよね〉

 『ナポリタン食べると大体他のメニューのレベル

  も分かると思ってます!』

 (普通はペペロンチーノがそう言われるんだがな

  ぁ…)

 『ナポリタンがアタシ好みの店は他もアタシ好み

  なんです』

 (なるほど!こりゃ納得だ)

 大いに笑いが巻き起こったところでマスターがテ

 ーブルを辞去した

 「いただきます…」

 皆が軽く手を合わせてマスターの好意をありがた

 く頂いた、由貴と出会った事で生まれたマスター

 との交流、今ではかけがえのない、エミの行先

 

 「じゃあ由貴さん、お仕事頑張って!」

 <良い結果が出るよう祈っとく!頑張れ!>

 エミと握手して由貴はいそいそと職場に戻って行

 った

 『エミさん、応援してます、頑張って!』

 両の拳を握りしめ ”ファイト” と励ますミキが

 可愛らしくて抱きしめたい衝動にかられた

 〈まぁ大丈夫だろうけど、もしフラれたら残念会

  しましょ〉

 『あ~ないない、それは無いですよ、だって…』

 言いかけてミキは言葉を飲み込んだ、川本の名誉

 にかかわると思ったのだろう、そんなところもま

 た、ミキの可愛いところだった

 「じゃあ!頑張ってメイクしてくる!」

 二人に手を振ると、エミは全速力で自転車を漕ぎ

 だした、全てのメイク道具が待っている自宅へ向

 けて…

 

 全速力で自宅へ帰り着いたエミは、すぐさま浴室

 へ向かった、時間は13時45分…約束の時間には十

 分間に合う

 洗面所でメイク落としをしながら、エミは物思い

 に耽っていた、須賀との出会い、バイクとの出会

 い、”作戦会議” での楽しいやり取り、店長との

 出会い、メイクに目覚め、交通手段としてしか思

 っていなかったバイクを知り、次第にのめり込ん

 でいった、今ではすっかりバイクに夢中だ!

 ”お風呂がたまりました”

 いつもの聞きなれたアナウンスでハタと我に返り

 急いでメイクを落とす

 (いけないいけない) まだ何もやり切っていな

 い、呆けるのはやるべき事をやり抜いてからだ

 サッと服を脱いで浴室に入ると、一心不乱にガシ

 ガシと身体を清める、自転車を漕いで汗をいっぱ

 いかいた、キレイにしなくっちゃ、とばかりに身

 体を洗い、湯船に浸かる

 フーッ…一息ついて天井を見上げる、実際のとこ

 ろ、川本は自分をどう思ってるんだろう?好意を

 持ってくれているのは間違いないだろう、何故?

 こんな目立たない自分などを?実はからかわれて

 るのでは?悪い考えが頭をもたげてくる

 勢い良く頭の先まで湯船に浸かると、10数えてか

 ら勢いよく浮かび上がった

 「ぷはぁっ!」

 そんな訳があるか!好きになった人を信じろ!

 止めだ!くだらない考えなどこの期に及んでどう

 でも良い、エミは開き直っていた

 (アタシはアタシの思う ”カワイイ” を実現す

  るんだ、あの店で教わったメイクで!)

 もう迷いはない!可能な限りの練習もしてきた!

 ネットでも雑誌でも、調べられる事は全て調べた

 およそ考え得るベストな答えを出したつもりだ!

 

 浴室から出ると、身体を拭き上げながら部屋着に

 着替える

 「さすがに下着は、、普通で良いよね…」

 訳の分からない事を口にしつつ、1人で赤くなる

 鏡台の前に陣取るといよいよ戦闘開始だ!

 パンパンと両頬を叩いて気合を入れる

 「力を貸してください須賀さんっ!」

 須賀に買ってもらった化粧品たちを手に取り、

 額に擦り付けながら祈る

 「さぁ、行ってみよーか!?」

 舌をペロリと出しながら鏡に向かうエミは、笑

 いがこみ上げて仕方がない、といった表情だっ

 た、少し前までの自分からは想像もつかない現

 状にワクワクが止まらないのだ

 遂に今日は好きな人に告白する

 それが済んだら?

 自分はどうなっていくのだろう?

 例え川本と結ばれなくても

 きっとそれまでの自分とは変わっているだろう

 つまらない事を考えて、迷って

 そんな自分とはもうオサラバだ!

 アタシは変わる!今日!ここで!

 これはその為の第一歩!

 

 一切の迷いのない手つきでメイクを終えると

 鏡を見やる…

 人事は尽くした、、、、後は、天命を待つのみ


 リビングでスマホを手に取ると、恒例の自撮り

 をして画像をフォルダに収める

 しばらく天を仰いだ後

 「さぁ行こうか!」

 自らを叱咤して、エミは立ち上がった

 本日の第二ラウンド開始だ!玄関ドアを勢い良

 く開けると、エミはバス停へと向かった

 小脇にはヘルメット、背中には小さめのリュッ

 ク、身軽でチグハグな戦闘装備だった…

































































今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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