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卒業検定:後編(ミキ)

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 一同がポカーンとした表情の中、エミは二の句を次

 いで喋り出した

 「そうだなぁ~入社一か月目の新入社員、そろそろ

  仕事もだいたい覚えてきて順調にこなせるように

  なってきた頃って感じ」

 『どういう事、ですか?、、、』

 ミキはピンと来てない様子だ、晴子と水木には大体

 伝わっている様子が見て取れる

 「100点取らなくて良いって事!アタシ達はまだ初

  心者!100点なんておこがましいのよ!」

 《 その通りですね!だから70点が合格ラインなん

   ですよ 》

 『初心者ライダー、新入社員、あ、あぁ、そういう

  事、です、か…』

 合点がいった様子のミキが大きく頷いて言った

 『じゃあ、試用期間で切られないようにしなきゃ!

  ですね』

 《「〈その通り!!〉」》

 一同が大きな笑いに包まれた後、水木が真面目な表

 情で

 《 さて、あまりモタモタしていてもいけません、

   それでは園田さん、始めましょうか 》

 『ハイ!、、でも』

 《 でも、、??? 》

 『最初にふざけ出したのは水木先生です…』

 これには一同が大いに爆笑した

 《 そうですね、あなた方は冗談を許容してくれる

   ので…つい 》

 「すっかり大丈夫そうね…(笑)」

 〈ホントね…〉

 担当教官にまで恵まれている、本当に感謝しかない

 思いにふけっていると

 《 ”何か悩んでいたら気にかけてやってくれ” そ

   う言われてましたからね 》

 水木の言葉に、エミも晴子も驚愕した

 「そ、それって誰から…」

 《 太田悟志、あなた方の部長ですよ、アイツは私

   の40年来の親友でバイク仲間です 》

 「〈え~~~!!〉」

 《 お前の学校にうちの課の女子が三人も入校した

   からよろしく頼む、何かあったら気にかけてや

   ってくれ だ、そうです(笑) 》

 「意外~でも言われてみたら同年代ですよ、ね…」

 〈なんだか、お釈迦様の掌の中だった、って気分〉

 《 アイツは会社ではどうですか? 》

 「お世話になりっぱなしです、、とっても良い上

  司です」

 〈優秀で、部下想いで、仕事にソツが無く効率的

  で謙虚で〉

 《 ハハハ、評価が高いですね、友人をホメられ

   て悪い気はしませんが 》

 こんな所で繋がっていた、世の中は狭い物だ

 そうこうしているうちに、ミキはすっかり取り回

 しを終え、スタートラインに着いていた

 スタンドをかけると教習車に跨り、しっかりと右

 足でブレーキを踏み、サイドミラーを調整し出し

 た

 〈もうすっかり落ち着いてるね、きっと水木先生

  の手のおかげかな?(笑)〉

 「アハハハ」

 笑いながらミキの様子に注視する

 ミラーを調整し終えたミキは、燃調終了のランプ

 、ニュートラルランプを指で指して確認した後、

 ”フー”と大きく息を吐き、セルのスイッチを回し

 た

 キュルルル、、ブオン、、、ドドドドドドド…

 こちらへ顔を向け、ニコリと笑いかけたミキの表

 情が堪らなく可愛らしく、魅力的に見えた

 エミも晴子も、笑顔を返すと、満足した表情でミ

 キは正面に向き直り、真剣な表情に変わった

 キッと正面を見据え、アクセルを開けた

 外周コースの手前の停止線に停まると、しっかり

 と左右、バックミラーまで確認して発進していっ

 た

 「良い表情してた…大丈夫そうね」

 〈大丈夫でしょ、元々一番運転上手かったしね〉

 晴子の言う通り、普段から原付に乗っているだけ

 あって、元々ミキの運転技術はエミと晴子より格

 段に高かった

 〈あの娘、原付に乗ってるから、自分がお手本を

  示さなくっちゃ、って気持ちが大きかったんだ

  と思う〉

 恐らくは晴子の言う通りだろう、そこへ晴子とエ

 ミがほぼカンペキとも言える結果を出した事によ

 り、プレッシャーが跳ね上がったのだろう

 「もう大丈夫!だって楽しそうだもの」

 〈エミちゃんと水木先生のおかげね、あの例えは

  上手かったわ〉

 「ハルちゃんのおかげだよ…」

 実際にそうであった、自分がトップバッターであ

 ったなら結果は変わっていたかもしれない…

 「ハルちゃんは失敗しても全然前向きだった、ア

  タシだったら踏切で失敗したのを自覚したら、

  その後ボロボロだったかもしれない…」

 〈どうせカンペキにいけると思ってなかったから

  ね…踏切で失敗するとも思ってなかったけど…〉

 踏切での失敗は、晴子にとっては本当に誤算だっ

 たのだろう、悔しさをにじませている

 「おかげで開き直れたよ、ありがとう!」

 〈こちらこそ、一緒に入校してくれてありがとう

  、1人だったら落ちてただろうなぁ…〉

 エミも同じ気分だった、三人だったから、ここま

 で来られたのだろう、三人だったから中免を取ろ

 うと思えたのだろう、そして、それ以外にも、多

 くの人に支えられてエミは今日、この場に立って

 いる

(頑張ってミキちゃん!みんなで一緒に免許取ろう

 !)

 ミキは坂道からクランク、踏切と難なくクリアし

 S字へと差し掛かっていた、ここで問題が起きた、

 パイロンへのタッチだ、晴子の場合と同じくラン

 ナーズハイに似た状況だったのだろう、集中しす

 ぎて、調子が良すぎて逆にS字を攻めすぎて内側

 のパイロンにタッチしてしまった

 だが、ソフトタッチで、パイロンを倒す事もなく

 その後は順調にコースアウトし、急制動、一本橋

 スラローム、とこなしていった、まぁ見ていたエ

 ミと晴子からしてみれば、スラロームでもパイロ

 ンギリギリをかすめ、かなりヒヤヒヤさせられた

 のだが、、、

 「合格っぽい、よね?」

 〈大丈夫でしょ?パイロンタッチ以外大きなミス

  はなかったよ…〉

 エミと同じく、名残惜しそうに車体を撫でると、

 振り返って二人の方に帰ってきた

 「ミキちゃんおつかれ~」

 エミと晴子が手を挙げると、ミキも両手を挙げて

 ハイタッチを交わした

 〈これで全員終わったねぇ、、〉

 「後は結果がどう出るか、、だけど…」

 『悪い想像してもどうしようもないですよ、もう

  走り終わっちゃったんだから』

 「そうだね、後は結果待ちだよ…(笑)」

 《 ヤキモキするのも卒業検定の醍醐味です、こ

   の時間すらバイクを楽しむ、の一部ですよ 》

 水木の言葉に三人が振り返って頷いた

 『水木先生、、その、ありがとうございました…』

 ミキが珍しく謙虚に、素直に礼を言った

 《 堂々とした良い走りっぷりでした、普段の運

   転が出来れば軽いものでしょう? 》

 ミキは水木の手を取るとクスクス笑いながら

 『この手のおかげでリラックス出来ました、ホン

  トにありがとうございます』

 組んだ手をブンブン振りながら礼を言うミキに

 《 まいったな、手を繋ぐのに抵抗はないんです

   か? 》

 『ぜ~んぜん、アタシを助けてくれた優しい手、

  ここの教習車を手入れしてくれている大事な手

  ですから…』

 そう言うとパッと手を放し水木にお辞儀した

 エミと晴子もそれにならってお辞儀した

 〈水木先生ね、太田部長のお友達でバイク仲間な

  んだって〉

 『ええええええ!?マジですか?』

 驚きを隠せない様子のミキがはたと我に返って

 『ってズル~い!アタシが真面目に試験受けてる

  間にそんな話してたんですか!?』

 《 園田さんを信じてましたからね、恐らく面倒

   な事にはならない、というか面倒はもうない

   、と 》

 『???』

 ”分からない” といった様子のミキに晴子が頷い

 て口に人差し指を突き立てた

 水木が小声で

 《 こういうのは本当にダメなんですよ、でも特

   別に教えましょう、合格ですよ、恐らくは三

   人ともね 》

 自らの口にも、人差し指を突き立てた晴子がウン

 ウンと頷くミキの口を指で制したまま水木に振り

 返り

 〈アタシたち、知らない間に色んな方にお世話に

  なっていたみたいです、有難うございました〉

 かしこまった様子で再度水木に礼を述べた

 『「ありがとうございました」』

 深々と頭を下げる三人に水木は

 《 もうこれ以上ないぐらいお礼はいただきまし

   た、あなた方三名は手のかからない優秀な教

   習生でしたよ 》

 水木とのやり取りが終わり、促されるまま待機室

 のモニターの前で合格発表を待っていた

 大型二輪の面々が続々と集合してくる、エミたち

 普通二輪(中型)は人数が少ない為、同じコース

 を使う日程の最初に組み込まれていたのだろう

 9時から開始という早い時間なのも納得がいった

 現在は10時20分、30分までには合否の発表がある

 、と聞いている、水木はあぁ言ってくれたが、そ

 れでもドキドキしていた、だが、ヤキモキしても

 始まらないし、これをも含めて楽しむのだ

 ”バイクは楽しむ物” そして楽しむことがいかに

 大事か、今日ほど思い知った日は無かった

 と、唐突に画面が切り替わり、合格者の番号が映

 し出されている

 No1、No 2、No 3、エミたちがつけていたゼッケ

 ンの番号、その全てが表示されていた

 『やったよ~!エミさん晴子さん!アタシたち全

  員合格っ!!!』

 ミキが二人に抱きついてきた、エミも両手を広げ

 てミキと晴子を受け止める

 晴子もミキも満面の笑顔だった、三人の様子を見

 ていた大型免許の面々も

 ”おめでとう!” ”全員合格良かったね!” ”オレ

 たちも続こう!” と口々に祝福の言葉をくれた

 《 おめでとうございます、本校舎の方で卒業式

   となりますので2階の角まで向かって下さい、

   入校式を受けたあの部屋です 》

 「『〈ありがとうございました!〉』」

 かわるがわる水木と握手を交わし、三人は一同に

 向き直った

 〈皆さん、祝福していただいてありがとうござい

  ます〉

 晴子が皆に代わって礼を述べた

 『ご武運を!!』

 「合格お祈りしてます!」

 大きくお辞儀してその場を後にした

 ”いや~やる気出てきたなぁ” ”全員可愛いもんな

  ぁ” などと背中に聞こえてくる、悪い気はしな

 いものだ、ホンのちょっと袖すりあっただけのバ

 イク仲間、だが世間は広くて狭い、、また会う事

 もあるだろうか…

 なにはともあれ、エミたちの卒業検定は全員の合

 格をもって、無事終わりを告げた

































今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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