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ミスパーフェクト??

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 一般に「卒検」と呼ばれる卒業検定とは、自動車学

 校における教習の集大成!運転する際の安全面への

 配慮、知識、そして実技の習得、これら全てが試さ

 れる総合的な試験だ、エミ達の学校の場合は第一コ

 ース、第二コースの2種類のうち、当日に発表があっ

 たコースが試験コースとなる

 踏切、信号機、S字、クランク、坂道、一本橋、急

 加速&急制動と、路上で想定される一般的なシチュ

 エーションが盛り込まれたコースレイアウトとなる

 のが通常だ

 ミキが焼いてきた紅茶のシフォンケーキを頬張りな

 がら、三人が三人それぞれコース図とにらめっこし

 ながら真剣な表情を浮かべている

 〖三人ともすごい顔してるな…〗

 カップのコーヒーから湯気を立ち昇らせた川本が、

 怪訝な表情でエミの隣に腰を降ろした

 「そりゃあそうですよ、、なんせ卒検前ですからね

  !!」

 《お!いよいよ卒検か!?》

 『部長も川本さんもどうぞ、シフォンケーキありま

  すよ』

 《おっと!園田くんの手作りか?ありがたく頂こう

  かな》

 〖オレも頂くねミキちゃん〗

 『どうぞどうぞ、生地を作る時に中途半端な量は残

  したくないから使い切っちゃうんですよ』

 〈ちょうど良い量だったみたいね〉

 『そのようですね(笑)』

 《うちのもよく作るんだが昔懐かしのぶどうの入っ

  た蒸しパン、といったやつだからな》

 〖え?オレあの昔懐かしのやつ大好きですよ?〗

 「良いですよね、アレ?」

 『エミさん、あれで良かったら作り方伝授しますよ

  ?』

 ニヤニヤした表情でミキが言う、隣で晴子がクスク

 スと微笑んでいた

 「そう言えば川本さん聞きたかったんですが?」

 〖何だい?〗

 「S字やクランク、8の字とかでバイクを倒してる時

  、つまりコーナリングの時ってアクセルどうして

  ます?」

 〖あぁ、それはね…〗

 《シフォンケーキのお礼にオレが教えよう》

 そう言うと太田が語り出した

 《これはバイクに限らずなんだが、アクセルワーク

  には3種類あってね、当然アクセルを開けるON、

  アクセルを絞るOFF、そしてこれが重要なんだが、

  一定のアクセル開度を保つ”パーシャル”この3種類

  だ》

 「パーシャル??」

 《そうパーシャルだ、コーナリング時なんかはこの

  パーシャルの場合がほとんどだ、もちろん時と場

  合、速度と体勢などにもよるんだが、例えば限界

  のコーナリングをしてる場合、なんてのはアクセ

  ルOFFはかえって危ない、アクセルを開けてるか

  開けてないかギリギリぐらいのパーシャルが理想

  かな》

 『へぇ~~~』

 〈初めて聞きました〉

 《覚えておくと良い、パーシャルが出来ずアクセル

  ワークがONとOFFばかりの奴に上手い奴はおらん

  !!》

 《だが一朝一夕の簡単なテクニックでもないのがま

  た事実、ザックリとだがアドバイスとしてはさっ

  き言ったアクセルをほんのちょっと開けた状態の

  パーシャルを目指せば良いだろう》

 ”パーシャル”エミにとって初めて聞く単語だった

 《じゃあな三人さん、卒検頑張って、シフォンケー

  キご馳走さま》

 「ありがとうございました、頑張ります!」

 『〈頑張ります!!〉』

 そう言うと太田は颯爽と席を後にした、何をやらせ

 ても結果を出す、尊敬出来る上司だ

 〖さすが部長だ、説明が上手いな、、、〗

 『川本さんも同じ答えですか?』

 〖もちろん!あれ以上の答えはないよ、ただ気にし

  すぎも良くない、オレも教習中にはパーシャルな

  んて知りもしなかったしね〗

 「そうなんですか?」

 〖そうだよ、だから今現在出来ても出来なくても、

  なんら問題はない訳だ〗

 〈川本さんも人から聞いて知ったんですか?〉

 〖オレの場合は無意識にやってて、雑誌なんかでチ

  ラホラ単語を見かけて調べてみたら「あぁアレの

  の事か?」って感じかな〗

 『アタシはなんとなく分かったかも』

 〖ミキちゃんの場合は原付で無意識にやってるだろ

  うね〗

 〈アドバンテージが大きいね〉

 『ラッキーです!!』

 「部長も一朝一夕じゃ身に付かないって言ってたか

  ら、とりあえずは意識しないでおこうかな」

 〈それが良いかもね、自然に身につく感じが良いか

  も〉

 そんなこんなと話し込んでいたら15時の休憩もアッ

 と言う間に終わってしまった

 〖いかんいかん、休憩終わっちゃった〗

 川本がいそいそとシフォンケーキの残りを口に押し

 込み残りのコーヒーで流し込む

 〖ミキちゃんケーキありがとう、美味かった!!〗

 『どういたしまして!!』

 エミたち三人も急いでデスクへと向かう、仕事には

 影響を出させない!その誓いは必ず守るのだ

 

 仕事を終え、ミキと別れて駅へ向かう道すがら晴子

 が意外な事を口にした

 〈さっきの”パーシャル”って全然ピンとこなくて、

  ちょっと焦ってる自分がいるの…〉

 ミスパーフェクトにしては弱気な発言がエミにとっ

 ては意外だった

 エミから見た晴子は入社式で一緒になって以来、常

 に何をやらせても完璧と言える程に器用で、およそ

 挫折と言う言葉とは縁遠い存在だと思っていた

 〈ネットで調べても部長の言葉と大差ない表現ばか

  りで、なんとなくは分かるんだけど、、、〉

 「でもホラ、気にしすぎも良くないって川本さんが

  、それに今は出来なくっても全然問題ないとも…」

 エミには晴子の不安をなんともしてやれない事実が

 もどかしかった、自分が質問した内容のせいで晴子

 を悩ませてしまった

 〈アタシ、必要な事は事前に調べられるだけ調べて

  から慎重に挑むタイプだから、、自動車学校に入

  校する時も、これでもか!って事前調べしてるう

  ちに朝だったり…〉

 (アタシはバカだ!!)エミは自分を呪った、何が

 ミスパーフェクトだ!晴子の完璧は彼女のたゆまな

 い努力が実現させていたのだ、エミはそれを彼女の

 生まれ持った才能だとばかり思い込んでいた、晴子

 の人一倍の努力も知らずに、、、

 (ハルちゃんを助けたい!何とかしてあげたい!こ

  のままの状態で卒検に挑ませたくない!)

 エミは可能な限りの可能性を総動員して頭を巡らせ

 た、しばらく考え込んだ後

 (そうだ!)

 「ハルちゃん、近いうち晩ゴハン食べに行かない?」

 〈いいけど?どうしたの?〉

 「ハルちゃんの悩みも吹き飛ぶ美味しい晩ゴハン!」

 そう言うとエミはスマホを取り出した、川本の番号

 にすぐさまかける

 「もしもし川本さん?あの、ね、もし良かったら、

  明日か明後日、晩ゴハンをご一緒にどうかな?っ

  て、、ううん2人じゃなくてもっと人数は多いん

  だけど…うん、うん、それじゃまた明日にでも会

  社で詳細を、、それじゃ」

 〈どうしたのエミちゃん?突然晩ゴハンなんて?〉

 「ちょっと待ってね、もう一件…」

 そう言うとすぐさま電話をかける、、相手は、、

 「もしもし、あ、由貴さん?今大丈夫??あのね、

  明日か明後日なんだけど、晩ゴハン一緒に食べ

  ない?アタシたち三人、プラス川本さんで」

 <な~に?紹介してくれるの?(笑)>

 「ううんそういう訳ではなくて、他にも意味があ

  って、町の外れのお店に行きたいからショート

  ツーリングだと思って、ミキちゃんも原付だし」

 <なんだか企んでるね?(笑)面白そうだから行

  ってあげる、明後日なら17時の定時で上がれる

  と思うから>

 「じゃあ明後日って事で、あと一つお願いがある

  の…」

 そこでエミは声を潜めた、晴子には聞かれたくな

 いのだった

 「という訳なの、由貴さんどうかな?」

 <そんな事ぐらい全然おっけ~、じゃあ細かい事

  はまた連絡してね>

 「ありがとう!じゃあ決まったら連絡するね!」

 晴子は不安そうな顔をしている

 〈どうしたのエミちゃん?何が何だか??〉

 困惑する晴子をよそにエミは満面の笑顔で

 「大丈夫!アタシたちには強い味方がいるの!」

 と晴子に笑いかけた、エミの晴子救出作戦が始ま

 ろうとしていた







今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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