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意外な趣味…

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 結局、その日はミキと川本と楽しく食事を済ませ

 気づいてみれば21時をまわっていた、閉店を迎え

 忙しく片付けに励むスタッフに挨拶し、店の外へ

 出た途端、ミキが

 『じゃあ後はお任せしますよ川本さん!』

 と言うや否や、声をかけるヒマもなく原付に跨り

 走り去ってしまった

 取り残されたエミと川本は、お互いに顔を見合わ

 せると、どちらともなくクスクスと笑い出した

 エミは新しい川本の一面がまるで思春期の少年の

 ように思えて

 川本は照れ隠し半分、わだかまりが解けて嬉しさ

 半分、といったところだろうか

 すると不意に真顔に戻った川本がエミに向き直り

 〖今回の事は本当にすみませんでした、大人の余

  裕ぶって見せていてもエミさんの事が心配で心

  配でたまりませんでした、もうしません!〗

 気をつけの姿勢から深々と頭を下げる川本に

 「もうさんざん謝ってもらいましたから、それに

  今日はご馳走様でした」

 エミもペコリと頭を下げた

 〖エミさん実技落としちゃったんだろ?大丈夫?〗

 ごもっともな心配だがエミは元々一度も落とさず

 に卒業できるとは思っていなかった為

 「本来だったらもっと落ちてたと思います、あの

  時一本橋のコツを教えてもらってなかったらま

  るでピンと来てなかったし…あの時からバイク

  に乗るコツがなんとなく掴めたって言うか」

 ”アタシごときが生意気ですよね…”

 と続けるエミに

 〖あんな事で良いならいつでも協力するよ、勿論

  ミキちゃんにも、晴子さんにも、だから何かあ

  ったら遠慮なく言って欲しい〗

 川本の申し出にエミは素直に頷いた

 ”情報をネットで調べる、立派な努力です”

 店長の言葉が思い出される

 (何も肩肘張ってガムシャラに独力に拘る必要は

  ないのだ、もっと肩の力を抜いて、自分には川

  本も須賀も晴子もミキも、こんなにも頼れる仲

  間たちがいるのだ!)

 晴れ晴れとした気分だった、入校してから、ずっ

 と張っていた気持ちの糸が、フッと緩んで、でも

 切れる事なく軽くなったような、そんな気分…

 「もう大丈夫!何もかもスッキリしています、で

  も…」

 〖でも???〗

 「もし何かあったら、その時は助けて下さいね」

 そう言って最高の笑顔で川本を見つめた

 〖オレに出来る事なら何でも!!〗

 川本も最高の笑顔を返してきた

 〖それじゃまた明日~〗

 そう言って川本は颯爽とセローで走り去って行っ

 た、今回の件はミキに便乗する形となったが、何

 だかんだと奢ってもらってばかりだ、、免許を取

 ったら行ってみたい店がいくつかある、今度こそ

 川本にお返ししよう!また新たな目標が増えたよ

 うだ…


 自宅に着き、部屋着に着替えて風呂を溜めてる間

 に”作戦会議”を開いてみると、エミちゃんもミキ

 ちゃんも遅いね~、などと書き込みがあった

 いつもエミは自転車に乗っている時はLINEの通知

 があっても確認しない、途中コンビニなどに寄れ

 ば都度確認するのだが、エミはあまりコンビニを

 使わないのだ…

 「ただいま~」

 【おかえり】

 〈おかえり~〉

 須賀と晴子が挨拶を返す

 『こちらもただいまです~』

 時を置かずミキが帰ってきた

 〈おかえり~〉

 【おかえり】

 「おかえり~」

 どうやらエミの帰宅に合わせて挨拶してくれたの

 だろう、あまりにもタイミングが良すぎる

 〈今日は2段階の5回目だったよね?〉

 それを聞いてエミはピンときた!エミもミキも今

 日はハンコがもらえなかったのだ、恐らくは1人で

 その報告をするのがバツが悪かったのだろう

 「実は今日実技落としちゃった…」

 エミの報告に

 【あら~珍しいね、でも一回も落とさないで卒業

  する人の方が珍しいからね…よくある事だよ】

 〈そうだよ、また受ければ良いんだし、あんまり

  気にしちゃダメだよ〉

 『あ、あの~実はアタシも落としました…』

 【大丈夫かいミキちゃん?その、資金的な方は?】

 〈そう言えばそうだね、ホントにヤバかったら言

  ってね、2~3万ぐらいならすぐ貸せるよ〉

 『ありがたいですけど、そこまでは困ってません』

 エミはミキに対して申し訳ない気持ちで一杯だっ

 た、自分とのイザコザに巻き込んでしまった為に

 この時間落としたようなものに思えてしまった

 「実は今日アタシが転倒して、それでミキちゃん

  心配して集中出来なかったんだと思う」

 エミが出してやれる助け舟はこれが精いっぱいだ

 った

 【エミちゃんこそ大丈夫だったかい?足捻ったり

  してない?】

 〈後で痛くなったりしてない?〉

 結果として皆に心配をかける事になってしまった

 「今のところ何ともないから、ゴメンね、皆に心

  配かけて…」

 【明日の朝起きてみて何ともなかったら恐らく大

  丈夫だと思うけど、気にはしておいた方が良い

  ね】

 心配してくれる須賀と晴子の言葉が有難かった、

 そうこうやり取りしてるうちに風呂がたまった

 「お風呂たまったので入ってきます」

 『こっちも行ってきま~す』

 【おっと、もう22時か、今日はここまでかな】

 〈ホントだ!?二人とも今日は遅かったんだね〉

 晴子の問いにミキが

 『今日はあの喫茶店でエミさんと残念会してき

  ました』

 うまい言い訳だ、とエミは思った

 『おろしハンバーグ美味しかったです♡あとチ

  ョコパフェも…』

 【ハハハ、楽しそうで何よりだ!】

 〈そうそう、こういうのは笑い飛ばしちゃうの

  が一番だよね〉

 「あんみつも美味しかったよ…ボソリ」

 【和菓子派だねぇ】

 〈エミちゃんは”何処でみつけてくるの?”って

  ぐらい和菓子詳しいもんね〉

 「でも今時はあんみつ出してる喫茶店なんて見

  かけないから、あの喫茶店は貴重だよ!」

 他愛ない会話が途切れる事なく続いてゆく、し

 ばらくすると、さすがに業を煮やしたミキが

 『そろそろお風呂入ってきますね~おやすみな

  さい』

 【それじゃおやすみ!】

 〈「おやすみなさい」〉

 

 エミは湯船に浸かりながら物思いに耽っていた

 (川本さんにも悪い事しちゃってるのかなぁ?)

 久々に頭の先まで湯船に浸かる

 「ぷはぁっ!」

 「もう一つも落とさない!必ず最短で卒業して

  みせる!」

 声に出して決意を固めた

 応援してくれる人たちへ、待っててくれる人へ

 そして成果を見せたい人へ、それが一番の恩返

 しになると思うから

 

 翌日、いつものように晴子とミニストップで合

 流した後正門をくぐった際、同時にミキが駐輪

 場へ原付を滑り込ませるのが見えた

 ほとんど時を置かず川本のセローが駐輪場へ現

 れた、すると何やら川本とミキの二人がこちら

 へ手招きするのが分かった、それも何か慌てた

 様子が見ていて分かる

 何事かと晴子と共に小走りで駆け付けると、、 

 そこにはHONDAのSTEED400が停まっていた、

 よく知らないエミの目から見ても、只者ではな

 い威圧感と、非常に丁寧に手を入れられた様子

 が見て取れた

 〖太田部長のSTEEDだよ、すごい手が入ってる

  ね!まるで原型が分かんないや…〗

 STEEDを見つめる川本はまるで少年のように目

 をキラキラさせていた

 《おはよう!伊藤さん、長坂さん》

 「〈おはようございます!太田部長〉」

 〖部長もバイクが趣味だったんですね!それも

  ものすごくセンスが良い!フリスコスタイル

  ってやつですか?〗

 『何だか分かんないですけど、凄く大切に乗っ

  ているのが分かります』

 〈これ何年乗ってるんですか?〉

 《かれこれ25年になるかな、、あちこち手を入

  れて気づけばこうなってた…》

 「ステキですね~部長がバイクに乗るなんて意

  外でした」

 エミの言葉に太田は

 《それはこっちのセリフだよ!君たち3人が、

  まさか中免を取りに通うとは思ってもみなか

  った、影響を受けて久々に会社に乗ってきた

  という訳だ(笑)》

 その場にいる皆が、太田の意外な趣味とセンス

 の良さに驚いていた

 駐輪場の側を通る者もついつい横目で見てしま

 う、それ程太田のSTEEDには圧倒的な存在感が

 あった

 そして太田の愛車には愛情をもって手入れされ

 ている確かな輝きが感じられた、須賀のTW、A

 PEにも感じたその輝き、ここにもまた、バイク

 を愛する者が存在し、それはエミ達の部長なの

 である

 《君たちはもう乗るバイクは決めてるのか?》

 〈アタシたちはそれぞれ知り合いからバイクを

  譲ってもらう予定です〉

 《ほ~ぅ、それはいいね!楽しみだろう?》

 『ハイ!とっても』

 「そうですね!ワクワクします」

 〈今から楽しみです…〉

 《良い事だ!仕事に対してのモチベーションに

  もつながるだろう、君たちが何に乗るのか、

  楽しみに待っているとしようか》

 そう言うと太田は深く詮索せずその場を後にし

 てしまった

 『それにしても意外ですよね~太田部長がアメ

  リカンバイク!しかもこのカスタムぶり』

 〖それだけじゃないよ、とってもハイセンスだ

  !〗

 〈普段の仕事ぶりからもわかる通り、部長って

  とっても出来る人なのよね…〉

 「でも嬉しいね、、会社の上司がバイクに理解

  のある人ばかりで!」

 〖いかんいかん!着がえる時間なくなっちゃう

  よ…〗

 「今日も一日頑張ろう!」

 『〈〖お~~!!〗〉』

 元気よく小走りで更衣室に向かう4人だった…
























 









 




















今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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