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晴子の好み…

 風呂から上がったエミは皆に

 〈ところで一本橋は調子よかったの?〉

 『そうですよ、苦手な一本橋はどうやって克服し

  たんですか?』 

 などと尋ねられ

 「実はKさんが行きにやって見せてくれて、それ

  がすごく分かりやすかったの」

 と白状したところ

 『うわぁ、なんだかステキな話…』

 〈ゴチソウサマデス…〉

 と少し冷やかされた

 【確かに、実際に2人乗りでやって見せてもらっ

  たなら、これ以上ないぐらい分かりやすかっ

  ただろうね】

 須賀だけは冷静に分析していた

 時間は22時30分、いつもそろそろお開きにする

 時間だ

 最後にエミが

 「明日あの店にまたアドバイスもらいに行くけ

  ど2人はどうする?」

 と尋ねると

 『行きます!どうしてもケバくなるから抑え方

  聞きたい!』 

 〈アタシも!首のメイクのラインの消し方知り

  たい〉

 と非常に良い食いつき具合だった、皆やはり悩

 みを抱えているのだ

 須賀は

 【ご贔屓にして頂いてアイツも喜ぶだろうw】

 店長さんの事だろう、嬉しそうな反応だった

 「それじゃまた明日、おやすみなさい」

 『おやすみさな~い』

 〈おやすみなさい〉

 【それじゃまたね】

 自身のメイクもそろそろ佳境!おぼろげなが

 ら見えてきたその完成形に、イメージを膨ら

 ませるエミだった

 

 あくる日の朝、エミは教習に通い出してから

 の1週間余りずっと控えめにしているメイクの

 新しい方向性を模索していた

 と、言うのもジェット型とは言えヘルメットを

 かぶる事により、メイク崩れと、ヘルメットへ

 の転写が問題となっていたのだ

 あれやこれやと試してはいるのだが、今現在は

 スッピンにほど近い薄化粧、といった状態が答

 えになってしまっていた

 晴子も似た感じなのだが、元々がナチュラルメ

 イクで、しかもそれが似合っている晴子は、ヘ

 ルメットを被った後でもファンデーションの転

 写などでヘルメットの内装が汚れてしまう、と

 いった弊害には悩まされていないようだ

 ミキは、元々原付で使っていたヘルメットがフ

 ァンデーション塗れになり、内装を外して洗う

 機会がしょっちゅうあったらしく、もはや慣れ

 てしまっているらしい、、、濃いめのメイクを

 嗜むミキらしい逸話だ

 結局、エミとしては晴子の方法と同じく、メイ

 クを薄めにしてヘルメット内装への転写を防ぐ

 といった方向性で模索している最中だ

 だが教習に通っている間は勝負メイクを試す事

 が出来ていないのもまた事実、これはこれで問

 題とも言えるが、現状は勝負デートバージョンより

 ツーリングバージョンを仕上げるのが

 先決であった

 結局昨日のメイクに若干修正を加え、ヘルメッ

 トに付着するファンデーションを減らす為に、

 不本意ながら全体的に使用量を控えた薄化粧、

 要は ”地味メイク” に落ち着いた

 通勤電車の中でもメイクについて調べるのはこ

 れまでと変わりないのだが、ツーリングバージ

 ョンを完成させるべく、「バイク」「ツーリン

 グ時のメイク」などで検索してしまうのは、独

 力で問題を解決した、と言えないのではないか

 ?といった漠然とした思いがあり、つい控えて

 いた

 最寄り駅に着き、いつものミニストップに寄る

 と、ちょうど晴子が店から出てくるところだっ

 た 

 〈エミちゃん〉おはよ~〉

 「おはようハルちゃん」

 晴子と挨拶を交わし、エミも飲み物を購入し、

 晴子と共に会社へ向かった、道すがら

 「やっぱヘルメットに着かないメイクって難し

  いよね~」

 と切り出すと

 〈アタシはほとんど内側には付かなかったな~〉

 と余裕の表情を見せる晴子に

 (さすがミスパーフェクト!)

 と感心するしかないエミだった…

 会社の正門を通る瞬間に、ミキの原付が勢いよく

 横を通過していった、駐輪所に立ち寄ると

 『おはようございます~』

 とミキがヘルメットを脱ぎながら挨拶してきた

 「〈おはようミキちゃん〉」

 二人ハモった挨拶の後

 「ミキちゃんちょっとヘルメット見せてくれる

  ?」

 と、ミキのヘルメットを見せてもらった

 案の定、というかやはり、ミキのヘルメットの

 内装はファンデーションの付着で頬からこめか

 みの部分が変色していた

 『これでも結構こまめにあらってるんですけど

  ね~』

 「どのくらいで洗ってるの?」

 『2週間は開けてないです、でも最近はメイク

  が少し上手くなったのか汚れ方も減りました

  だから2週間で洗う、ぐらいかなぁ…』

 〈ミキちゃんは地味メイクにしたら勿体ない顔

  立ちだから、何か上手い方法見つけないとね〉

 「そうだよ、せっかく派手なメイクでも似合う

  フェミニンタイプなんだから!広瀬アリスと

  か白石麻衣と同じタイプだもんね!」

 『うわぁ、プレッシャー、、(汗)』

 「それは冗談だけど、ヘルメットはアタシたち

  の共通の問題だから、皆で解決策を考えよう」

 〈そうだね!メイクを気にしながらじゃバイク

  をちゃんと楽しめないしね〉

 などと駐輪所で井戸端会議していたら川本がや

 ってきた

 川本はセローを停めると

 〖おはよう!三人さん〗

 『〈「おはようございます」〉』

 『何かの作戦会議??』

 『ヘルメット被る時のメイク崩れの悩みです…』

 〖あ~なるほど!申し訳ないけど俺には分から

  ない悩みだねぇ、、〗

 「きっと攻略して見せます!」

 〈すごい気合入ってるね!?〉

 「メイクのせいでバイクが楽しめないなんてイ

  ヤだから…」

 『そうですね!きっと攻略してやるんだもん!』

 〖まぁ、あまり無理しないようにね、、〗

 そう言って川本は行ってしまった

 いつもより淡白な絡みだったが、昨日のエミと

 のやり取りが原因なのは明らかだった

 その後、エミたち三人もいそいそと着替えに向

 かった

 10時の休憩で川本に借りた本を皆で読み漁った

 雑誌の中で「コアなファンが多い名車」という

 特集記事を読んでいると、HONDAのMONKEY、

 GORILLA、そしてAPEが取り上げられていた

 晴子は食い入るように特集記事を読みふけって

 いた、が

 〈MONKEYとかGORILLAも可愛いけどやっぱり

  APEが一番好きだな〉

 と購入前から親バカぶりを発揮していた

 川本のチョイスだけあって、アウトドア志向の

 バイカーが好みそうなオフロードやマルチパー

 パスのバイク特集が目立ったが、ネイキッドや

 レーサーレプリカの記事も満遍なく入っており

 どれもエミ達三人には新鮮な情報の宝庫だった

 結局、昼休憩、3時の休憩と雑誌を読みふけり

 ああでもない、こうでもない、と、もしも話に

 華を咲かせるのだった

 その中でも晴子がやけに食いついていた記事が

 あった、それはYAMAHAのSR400 の記事だった

 〈実はお金貯めてバイク買うならどんなのが良

  いかな~?って色々調べてたんだけど、この

  SR400がビビッときたのよね~〉

 と語る晴子だったが、記事を読んだ感じ、SR4

 00には「キックスタートに失敗して骨折した」

 などと物騒な逸話が見て取れた

 ただ、ミスパーフェクトにかかれば、それらも

 大した問題ではないような気がしてくる


 一日の仕事を終え、エミと晴子は電車で、ミキ

 は原付で、それぞれがトヨタ駅に向かった

 目的はあの化粧品店だ、エミは今度は店長に、

 ツーリングバージョンのメイクを相談してみる

 つもりだった

 晴子もミキも、それぞれに課題をかかえている

 ようだった、以前では考えられない程、皆がメ

 イクに真剣になっている

 エミは自身のツーリングバージョンの完成に向

 けて、晴子はメイク際の仕上げを、ミキは化粧

 の濃さを感じさせないメイクを、それぞれがは

 っきりとした目標を持って相談に行くのだ

 共通の趣味、共通の目標を持って共通の課題に

 挑む、エミにとっての大切な仲間たち

 いよいよ駅に到着だ…















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