表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/117

絶対受かるっ!!

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 自動車学校までの道は案の定渋滞していた、が、川

 本は

 〖普段はしないんだけどね、、〗

 と前置きをして、すり抜けをしながら時間を短縮し

 ていった、その道すがら

 〖一本橋が苦手なんだったよね?〗

 不意に川本に尋ねられ

 「ハイ、、あまり得意ではないです…」

 と答えると、ある信号の少し手前で止まった川本が

 〖見てて!〗

 と言い、白線の上を信号まで低速走行し出した

 〖こんな感じにゆっくりクラッチミートした後は、

  アイドリングのみでゆっくりと走行して、と〗

 〖どうかな?感じわかった?アクセルは開けなくて

  良いからアイドリングの惰性だけで、そして早す

  ぎるようならクラッチを切っちゃってリアブレー

  キで調整すれば良い、あとはバランスだけ気を付

  けていけばきっと大丈夫!〗

 丁寧な解説と実演で、ボヤッとしていた一本橋での

 操作の仕方がはっきりとイメージ出来た

 「ありがとうございました!すごく分かりやすかっ

  たです」

 〖それなら良かった♪見極めまでに何周か走れるハ

  ズだから、そこでやってみて〗

 「ハイ!」

 (こんな事があって良いのだろうか!?)

 地獄に仏とは正にこの事で、教習に間に合いそうな

 どころか苦手としていた一本橋のコツまで掴めつつ

 あった、心の底から川本に感謝しつつ、改めて、自

 分はこの人の事が好きなのだと再認識した

 (でも何でこんなに良くしてくれるんだろう?もし

  かして…)

 などと都合の良い妄想が頭をもたげてくる、、、

 そんなこんなの複雑な心境のエミを乗せたセローは

 順調に自動車学校に到着し

 〖着いたよエミさん!急いで!〗

 時間は18時45分!しっかり間に合ったのだ

 「あ、あの、、本当にありがとうございました!」

 〖帰りの足はあるの?〗

 川本に尋ねられたが

 「教習所のバスが駅まで行ってるので大丈夫です」

 これ以上川本に甘える訳には行かなかった、この上

 教習時間まで付き合わすなどエミにはとても出来な

 い

 〖じゃあ頑張って!応援してる〗

 「ありがとうございました、絶対受かります!」

 〖そうだ!エミさんは絶対受かるっ!〗

 川本に深々と頭を下げ、エミは受付に向かった

 原簿を取り出し、乗車券を発券していると、例の事

 務員さんが

 <ギリギリでしたね~、ところで彼氏さんですか?

 (笑)>

 「え?えぇ?!」

 <素敵な彼氏さんですね、バイク乗りってところが

  また良いですよね♪>

 と口に手を当てながら囁いてきた

 「彼氏では、ない、、です、、、」

 <あら、そうなんですか?2人乗りで来るからてっ

  きり彼氏さんかと、、>

 「会社の上司なんです、教習に遅れそうだ、って

  話したら送ってくれて」

 <な~んだ、付き合う前ってだけですね、時間の問

  題みたい(笑)>

 よほど良い感じに見えたのだろう、確かに自分でも

 ”脈ありなのでは?”とは思ってはいるのだが、、

 「でも、間に合って良かったです、今日は1段階の

  見極めなんです」

 <もうそんなになるんですね!?頑張って下さい!

  落ち着いて乗ればきっと大丈夫です>

 「ハイ!絶対受かります」

 事務員さんの激励までももらい、エミはメラメラと

 闘志が沸いてくるのを感じた

 と、そこへ、、

 <あ、そうそう>

 事務員さんが声をかけてきた

 <お二方には内緒の方が良いですか??>

 川本の事だろう、エミは頬が紅潮するのを感じた

 「あ、出来たら、ナイショで、お願いします…」

 <承知しました、頑張って下さいね♪>

 どっちの意味だろうか??と、思いながらも、今

 は目の前の見極めに全力を注ぐ事にした

 プロテクターを装着しながら、必要事項を思い出

 していた

 1段階の見極めでは第1コースを走行して教官が採

 点する、この中に坂道発進、クランク、S字、ス

 ラローム、そして一本橋がある

 正直エミはバイクの適正に関しては全く問題はな

 いと自分でも思っていた

 アクセルワーク、シフトチェンジ、車体のバンク

 によるコーナリングなど、これといってコツを掴

 むのに苦労はしなかったので、これも一重に高校

 時代の陸上部という部活動で培った運動神経によ

 るもの、だと思っている

 だが、陸上ではあまり気にも留めなかった”バラ

 ンス”がバイクの運転にとっては重要なのだ

 この部分を磨いてこなかった為、一本橋で苦労

 しているのだろう

 《 19時開始の普通二輪(中型)教習の方~ 》

 ついに呼び出しがかかった、教官に続いてコー

 ス入りする、お決まりの乗車前点検も、今日は

 特に念入りに行った、というのも、川本のアド

 バイスで

 〖ミラーの調整は特にしっかりやっておいた方

  が良い、しかもこれは教官に見られてるから〗

 というものがあった為だ、無論ほかの部分に関

 しても手を抜く事はなく、慎重に確実に行った

 エミの他に知った顔の男子が1人と、初めて見

 る年下ぐらいの男子がこの時間の教習生のよう

 だ、お馴染みとなった水木は

 《 ではエンジンをかけてそれぞれ見極めのコ

   ースを走行していて下さい、気になる箇所

   練習したい点は特に復習しておくように 》

 とのお達しがあった、エミは早速コースへ出よ

 うとしたのだが

 《 あ、長坂さんから行きましょうか、最初の

   1周は僕が後追いで見極めコースを走りま

   しょう、気になった点は都度説明しますの

   で 》

 「ハイ、わかりました」

 どうやら最初は水木が伴走して見極めにあたり

 気になる点を指摘してくれるらしい

 《 それではコースを回りましょうか、覚えて

   ますよね?》

 「ハイ!大丈夫です」

 力強く返事をしてエミはコースに走り出した

 外周の外回りを半周した反対側に坂道発進教習

 用の坂路がある、問題なくそこまでの道のりを

 走行し、既定の白線で停止した

 (落ち着け、坂道は大体5000rpmぐらいでク

  ラッチを繋いで、)

 思惑通りにクラッチミートさせると車体が前に

 進む力を感じた

 (ここでブレーキを離す、、)

 スムーズな坂道発進が出来た、思わず笑みを浮

 かべながらバックミラーを見やると

 水木もウンウンと頷いていた

 さらに1/4 周回程回るとクランクコースの入り

 口がある、どうやら入校したての教習生の自動

 車らしくクランクに苦戦しているので、入り口

 の停止線で待機した 

 横に並んだ水木が

 《 随分上達しましたね!坂道発進、文句なし

   でしたよ》

 と褒めてくれた、滑り出しは上々と言えよう

 《 お、空きましたね、では行きましょうか、

   あせらずゆっくりで良いですよ 》

 水木の指示通り、エミはあせる事なく、アク

 セルもほんの少し開ける程度でクランクをク

 リアした

 続くS字ゾーンでも同じ要領で通行し、タイ

 ムも走行ラインも文句なしだと自己評価した

 そしてついに、エミにとってはコース最大の

 難関「一本橋」へたどり着いた

 停止線で止まっている時に水木が

 《 長坂さんは一本橋が苦手ですよね? 》

 と聞いてきた、エミは正直に

 「そうなんです、どうしてもバランスが崩

  れそうでついアクセルを開けてしまうん

  です」

 《 ほとんど半クラ状態で走行すれば問題

   ないと思いますが、バランスが崩れそ

   うな時に焦ってアクセルを開け過ぎて

   しまわない事が大事ですね、アイドリ

   ングでも完全につないでしまうと早す

   ぎるくらいなので、リアブレーキと半

   クラをうまく使う事が大事です 》

 驚いた事に川本のアドバイスと酷似してい

 た、ただ最後に

 《 後は視線ですね、下の橋ばかり見てい

   るとかえって脱輪しやすいです、普段

   走行している時の前方視線を、若干手

   前に引いて視界の隅で橋を捉える、ぐ

   らいの視線が良いです 》

 「わかりました!気をつけてみます」

 水木に返事して頭の中で今の内容を反芻する

 ・アクセルは開け過ぎず、アイドリングで

 ・スピードが出過ぎたらクラッチとブレーキ

  で調整

 ・視線は普段より、やや手前下

 「よし!」

 意を決してエミは一本橋へ入った、スタート

 は順調だ、だが速度が若干出過ぎている、ブ

 レーキをかける、と同時にクラッチも握り込

 む、推進力を失った車体がフラつきかける前 

 にクラッチを繋いで推進力を与える

 (これだ!!!)

 エミの中で閃くものがあった、徐行のコツ、

 とでも言おうか、今まで悩んでいた事が氷解

 した気分だった、水木のアドバイスで視線を

 少し先に向けたのも大きい、今までは橋の幅

 の恐怖に負けて下ばかり見ていたのだ

 無事橋を通過し終えるとタイムが表示される

 ”9.6秒”今までで最高のタイムだった

 (やった!やりましたよ川本さん!!)

 エミは心の中で川本に感謝した

 スタート地点に返ってくると水木が

 《 やりましたね、見事に一本橋クリアです

   よ、全体的にも文句なしです、あとは時

   間まで自主練でコースを走るかここで発

   進や停止の練習をしててもらえますか?

   40分のここに集合して下さい、そこから

   見極めです 》

 「わかりました!」

 エミが返事をすると、水木はあとの二人の指

 導をするべくコースに出て行った

 ついにコツを掴んだ!エミは集合場所で徐行

 の練習を始めた、クラッチを繋いでは勢いを

 殺す為リアブレーキを踏む、フラつく前にク

 ラッチを繋ぎ車体に推進力を与える

 (これだ!これだったのだ!)

 間違いない手応えを引っ提げて、エミは満を

 持してコースへ出た、坂道発進、クランク、

 S字もなんのその、一本橋へたどり着く

 (さぁいくぞ!)

 自らを鼓舞し、一本橋へ挑む発進は順調、ス

 ピードも悪くない、リアブレーキを使い、下

 を見すぎず、、、、

 通過、、タイムは!?


 ”11秒2”


 (やった!)

 これ以上ないタイムだ、一本橋への不安も解

 消し、逆に得意科目へと変貌を遂げたかのよ

 うだ

 爽快な気分でゴールへ戻り、少し休憩した

 と、そこへ2人への指導を終えた水木が帰っ

 てきた

 《 すごいですね、完全にコツを掴んだよう

   だ11秒2なら文句なしですよ 》

 どうやらエミのタイムを確認していたようだ

 「ありがとうございます、教官のおかげです

  ね」

 《 あとは時間まで、コースの復習とつまら

   ないミスをしないように動作の復習をし

   てて下さい、あ、それと 》

 「ハイ?」

 《 長坂さんはたまにウィンカーの消し忘れ

   があるので見極めでは特に注意して下さ

   い、それと出来ているから言いませんで

   したが一本橋ではニーグリップが大事で

   す、お忘れなきよう 》

 「ハイ!ありがとうございます」

 《 その調子のままならハンコは確実です、

   頑張って!》

 と言って水木はコースに戻って行った

 見ると最初に年下かな?と思った教習生が一

 本橋で指導を受けていた

 (だよね、一本橋って難しいよね、、)

 水木以外にも教えてくれる人間が複数いてく

 れる自分の状況に感謝しつつ、今度は本番の

 つもりでコース走行に臨んだ

 (エミさんは絶対受かるっ!)

 川本の言葉が頼もしく思い出されていた







































 






今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ