躍動する日常!
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
「次の時間はいよいよ実走行するのかな??」
〈ミキちゃんは普段から乗ってるから慣れてるよね
?〉
『全然感じが違うから、正直戸惑ってます…』
「2人とも今日の実技が終わったら学科を受けれるだ
け受けて帰るでしょ?」
〈確か受けられる学科が三つはあったよね?〉
『行けるだけ行っちゃいましょう!』
ワイワイと賑やかに話していると自分たちが注目を
浴びている事に気づいた、と、そこへ先ほどの大型
の教習性がやってきた
”おつかれさま~どうだった初の実技教習は?”
『とっても楽しかったです!』
「知らない事ばかりでアタフタしてました…」
〈大型なんてもっと大変でしょうね?〉
”いや~大型も最近は女の子多いみたいだよ?でも
オタクらみたいな三人組は珍しいでしょ”
「???」
『え???』
〈どういう意味かな?〉
”三人組で三人ともカワイイなんて見た事ないって
意味”
そう言うと缶コーヒーを買い込んで
”じゃあね”
と行ってしまった、三人は顔を見合わせた、どうや
ら注目を浴びていたのはそういう事らしい…
「アタシたち珍しいみたいだね…」
『でもあんま目立つのはイヤですぅ…』
〈エミちゃんは無理よ!一番目立つんだから〉
そういう晴子は実は三人の中で一番のクールビュー
ティーだとエミは思っている
『まぁあれですよ、メイクの腕が上がってると思え
ば良いんですよね』
〈それはその通りね(笑)〉
エミにとっても、そう考えると張り合いが出てくる
というものだった…
楽しく過ごす時間は短いもので、アッと言う間に教
習の時間が訪れてしまった
『ううぅ~緊張します~』
「何も取って食われるわけじゃないんだから(笑)」
〈そうよ!一番経験豊富じゃないの〉
などと話しながら待機所で過ごしているうちに呼び
出しがかかった、教えられた手順の通りにプロテク
ターを装着し、お互いにチェックしあっていると
≪ お!早速来ましたね(笑)この時間も私になり
ます、どうぞよろしく ≫
「『〈よろしくお願いしま~す〉』」
三人が元気よく揃った声で返事をしたのを大型教習
の面々が興味深い視線で見やった
前回の教習に引き続き担当は水木のようだ、エミと
しては水木の教習は分かりやすくとても気に入って
いた
≪ 皆さんプロテクターの装着はカンペキのようで
すね、では教習場へ向かいましょう ≫
教習場で各自の教習車の前に立つと
≪ 長坂さん、乗車前点検の項目、覚えてますか? ≫
水木に不意に問われて少し戸惑ったエミだったが
「ネンオシャチエブクトウバシメ ですね」
≪ その通り!覚えてましたね、今後の教習では、こ
の確認は各自がプロテクターの装着同様に「自分
で」実施するようにして下さい ≫
≪ ですがお三方はまだ二回目の教習ですので私と一
緒にやっていきましょうか ≫
水木の指示に従いネン(燃料)からシメ(各部のネジ
の締め付け等)までを一通り確認した、これはこれで
なかなか忘れがちな項目がある物で、全部を流れるよ
うにこなせるにはもう少しかかりそうだ
≪ では前の時間では発進とギアチェンジを”センター
スタンドを立てた”状態でやりましたが、この時間
では実際にタイヤをつけて実走してみたいと思い
ます ≫
三人ともが生唾をゴクリと飲み込む音がきこえそうな
表情だった
≪ まずはおさらい、エンジンをかける所からクラッチ
ミートして発進までをセンタースタンドを立てた状
態でやってみましょう ≫
これは先ほどの教習の記憶が新しいからか、全員が何の
問題もなくスムーズにこなす事が出来た
≪ 良いですね、皆さん覚えが良いようだ、では実際に
タイヤをつけての走行発進に移りましょうか ≫
≪ 最初は危険ですので一人ずついきましょう、じゃあ
まず園田さん ≫
『ひゃ!ふぁい!』
突然名指しされテンパった挙句に出た返事がとても可
愛らしく、エミは思わず笑ってしまった
晴子も同じようでクスクス笑っている
≪ そんな緊張しなっくても良いですよ、慎重に、ゆ
っくりやりましょう ≫
『は~い』
≪ いつも原付で発進する時はどうやってますか? ≫
『えぇっと、こうアクセルを軽く捻って、前に行く力
が感じられたら足を離してバランスを取りながらア
クセルを開けて行って加速する、みたいな?』
≪ 良いですね、もはや正解と言っても良いぐらいの
答えです ≫
褒められて嬉しそうなミキがとても可愛らしかった
≪ 最初は両足着いての発進が良いですかね、1速
に入れた状態で両足を着き、その状態でクラッ
チミートしていきましょう、とにかくヤバい!
と思ったらブレーキとクラッチ両方握ってしま
えば良いです ≫
≪ ではやってみましょうか! ≫
『ハ、ハイ!!』
相変わらず緊張マックスといった感じのミキだった
が無理もない、エミが同じ立場だったとしても同じ
だろう…
意を決した表情のミキが両手でブレーキとクラッチ
を握り、左足でシフトレバーを1速に入れた
≪ 焦らずに、ゆっくりで良いです、回転は3000そ
こそこで ≫
水木の言葉は聞こえているのだろうがミキは頷くの
が精いっぱいで声も出せない様子だ
アクセルを捻ってエンジン回転を上げたミキが徐々
にクラッチを開放し始める、すると間もなく
トトトトトトト、、クラッチのミートと同時に車体
が前進を始めた
『う、動きましたっ!』
≪ お見事です、いい発進ですね、ではブレーキで
止まって下さい ≫
ミキは言われた通りにブレーキ”のみ”を握った為、
エンストしてしまった
≪ これがエンストです、回転数が足りなかったり
すると起こるのですが、今回はぜんぜん問題
ないです ≫
≪ エンジンが止まった状態で良いですからニュー
トラルに入れて下さい ≫
ミキは言われるままにシフトレバーを操作してニュ
ートラルにシフトを入れた
≪ どうでしたか?発進してみた感想は? ≫
『こんな感じなんですね、なんだか不思議な感覚で
した』
≪ オートマ乗った事があるとよけいにそう感じる
でしょうね、また後でやってもらいますがあと
お二方、体験してもらってから皆さんでやりま
しょうか ≫
そう言うとミキを元の位置に戻らせ、今度はエミが
教習車ごと呼び寄せられた
いよいよ自分が動かす番だ!エミは心臓が縮み上が
りそうだった
『エミさん、リラックス!リラックス!』
〈そうだよ!どうせこれから沢山乗るんだから〉
≪ そうですね(笑)、これからまだ17~8時間は
教習されるかと思います ≫
皆の励ましで覚悟を決めたエミはスタンドを外すと
教習車に跨った
≪ では同じ手順でやりましょう、まずはブレーキ
とクラッチを握って、そうそう、では1速へ入
れて下さい ≫
1速へ入れた、、、後はアクセルを捻って回転数を
上げて、、えぇと、どうだっけ、、??
〈回転数は3000rpm前後、クラッチは徐々に離す事
危ないと思ったら即ブレーキ、停まるときはブレ
ーキとクラッチを両方握る事、、、〉
≪ 100点満点ですね、伊藤さんは緊張とは無縁のよ
うだ ≫
さすがはミスパーフェクト!教官も手放しでホメる
優秀さだ!だがこのやり取りでエミの緊張はすっか
りほぐれた
「アクセルを3000rpmくらいまで開けて、、と」
声に出して確認しながら操作を行う、エンジン回転
が3000rpmを指したあたりで教官が
≪ ピッタリ3000rpmじゃなくても良いですよ、だ
いたいで結構です ≫
と助け船を出してくれた、ほぼ3000rpmに合わせた
状態で
「徐々にクラッチを離してゆく、、、」
口にしながらそれに合わせ、ゆっくりとクラッチを
離していった、するとエンジン音が一瞬下がる、、
ルルルルル、、ブォォォォ…
一瞬落ち込んだエンジン音に合わせるように車体が
前へ進み始めた
「わっわっ!う、動いた!!」
≪ ハイ!ではブレーキで止まりましょう ≫
言われるままエミはブレーキとクラッチを握り停車
させた、紛れもなく自身の手でバイクを”走らせた”
のだ
≪ ではその状態でニュートラルへ入れて下さい ≫
水木の指示通りニュートラルへシフトを入れ、バイ
クを押して元の位置へ戻った
その後は晴子が発進したのだが、やはりミスパーフ
ェクト!何の問題も淀みもなくすべてソツ無くこな
してしまった
晴子が発進の指導を受けている間も、エミは自身で
バイクを走らせた満足感と充足感を感じていた
過去に部活の陸上で新記録を出した時の感情に似た
満足感と充足感を感じていた
『ちぇ~、結局エンストしたのアタシだけですか、、』
ミキがボヤいていたが水木がすぐにフォローする
≪ 普段スクーターに乗ってると左手はリアブレーキ
ですからね、感覚が違うでしょう ≫
などとやり取りした後、皆のモチベーションが一気
に上がる言葉を水木が放った
≪ では各自距離を取って発進の練習をしましょう、
私が順についてコーナリングの説明をしていき
ます、その出来次第ですが、出来たら今日は外
周コースに出たいと思います ≫
「〈『!!!!!?????』〉」
『コース!走りたい!走りたい!』
〈コース走れるんですか?〉
≪ よっぽど発進に苦労しなければ今日いけると思
いますよ、ほぼアイドリングでの走行ではあり
ますが ≫
≪ では三人とも距離を取ってもらえますか、曲が
り方を指導しますので、私が声をかけた方はこ
の8の字コースでコーナリングを練習しましょ
う、後のお二方はそちらの角と反対の角に分か
れて発進と停止後のニュートラル入れの練習を
お願いします ≫
≪ では今度は伊藤さんからいきましょうか!残り
の方はお互いの距離と位置を確認しながら練習
してて下さい ≫
〈『「ハイ!!」』〉
三人の返事が小気味良く揃うと、各自が素早く行動
を始めた、皆思いは同じなのだろう
(この時間内でコースに出てみたい!)と、、
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




