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戦い終わって…

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 <あ~!!分かったエミちゃん>

 エミが2投目を投げ終えた時に由貴が叫んだ

 「え?え?何が分かったの由貴さん??」

 エミは訳が分からない、といった様子だ

 <テンポだよテンポ!構えてから投げるまでのテ

  ンポがバラバラなの、だから安定しにくいんだ

  よ!>

 《なるほど!それは言えてるのかもしれないな》

 「気にした事もなかった…」

 無理も無いだろう、今日の感じだと自身の構え、 

 フォーム、立ち位置、狙うべきスパットなど、急

 に気を配るべき情報が増え、それらを処理しきれ

 てないうちに ”こうかな?” ”それともこうかな

 ?” と、試行錯誤を繰り返しているのだ、自然と

 タイミングなどもバラバラになりがちだろう…

 〖あ~確かに!構えてからはいつも一定のリズム

  で投げてるな…〗

 「テンポか、、気をつけてみる!」

 エミの中にも、漠然と言われた項目についてだけ

 気を配って投げていた頃とは違う、新たなテーマ

 が生まれた…

 このエミへのアドバイスに聞き耳を立てていたの

 は晴子だった、現在エミと対戦中の晴子としても

 有益な情報は貪欲に取り入れていきたい所だ…

 「ハルちゃん!テンポだってテンポ!構えてから

  は一定のリズムで投げるルーティーンを作った

  方が良いみたいだよ!」

 勝負しているとは言えギスギスした空気は一切な 

 い!まぁ何が賭かっている訳でもない勝負だが、

 それでも自身が得た情報をすんなり相手にも伝え

 て来る、エミにとってはこの勝負も楽しみの一環

 なのだろう…

 〈うん!気をつけてみるね〉

 『晴子さん頑張って!』

 〘深呼吸!深呼吸!周りが上手いからって意地に

  なる必要ないからね!〙

 浜崎のアドバイス通り深呼吸をしてレーンに相対

 する

 相手はエミとは言え勝負なのだ!ここは真剣に、

 でも落ち着いて、、、、、

 晴子はレーンに上がるとトテトテと自らの定めた

 立ち位置へと横歩き…

 握りを確かめてレーンに向かうと狙いのスパット

 を確認

 (あそこを目がけて!)

 ゆっくりと助走をつけると腕を控えめに振り上げ

 てボールを振り下ろす

 (投げるんじゃなくレーンに置いて来るつもりで

  !)

 控えめに見える投球だがコースは申し分なく、ボ

 ールは狙った1、3番のスポットへとやや厚くはあ

 るが吸い込まれた、すると…

 軽快な音と共に10本のピンはキレイに倒れて無く

 なった…

 ボーゼンと見守る晴子だったが

 「ナイスストライク!」

 エミから声をかけられ、ふと我に返った

 〈あ、ありがとう、、、〉

 驚いた様子の晴子にエミは

 「どうしたの?嬉しくないの??」

 と心配そうに尋ねるのだが

 〈うぅん、なんだか感触が不思議で…〉

 『あ~それ、アタシと同じやつですねきっと!』

 <よく言われるやつだね!親指から先に抜けて、

  中指と薬指でボールを押し出す!ってやつ、上

  手く投げられると感触が良いんだよ>

 《投げ上げるでもなく落とすでもない手前からち

  ゃんと”転がす”が出来ると自然に親指が先に抜

  けるんだよ》

 <そうそう、でもね、手首で無理やり投げたり親

  指が残ったりすると感触が悪いのよね~>

 〖なんにせよナイスストライク!〗

 伸一がそう言うと皆が手を挙げてハイタッチを求

 める

 流れるようにハイタッチを交わしながら自身の席

 に戻った晴子は、まじまじと自分の手を見つめな

 がら先ほどの感触を思い出していた

 『早く次が投げたい!』

 先ほどのミキの言葉が理解出来た!

 さっきの感触、早くもう一回試してみたい!

 自身のスコアのストライクのマークを眺めながら

 なんとなくのマグレではなく、ちゃんと練習の成

 果として記録した初めてのストライクとして心に

 刻んだ…

 由貴が小声で

 <アタシもだけどストライクの後は一番スコア伸

  ばすチャンスだから慎重にね…>

 とアドバイスをくれた

 事実、最もスコアの伸びに影響があるのはストラ

 イクの後だ、ここでオープンフレーム(※スペア

 以下、つまりはピンが残っているフレーム)を作

 ってしまうとスコアは伸びない…

 逆に言えば、如何にストライクの後に多くのピン

 を倒せるか、が、最もスコアを伸ばす秘訣である

 ダブルやターキーなどが出せればそれこそ申し分

 ない…

 せっかくのチャンス!存分に活かすとしよう

 かと言って闇雲にストライクを狙いに行くのは危

 険だ!ミキがもらっていたアドバイスのように

 ストライクは出たらラッキー!程度に考えて、コ

 ントロール重視の投球、そして狙いはスペア!

 一投目はコントロール重視の投球、そして二投目

 でスペアを!

 今度はちゃんとコントロールしたボールで、、、

 狙って出す!

 何のかんのと晴子もすっかりボウリングにのめり

 込んでいるのだった

 一方のエミも、祝福したとは言え、ただ黙って晴

 子のストライクを傍観しているだけではいられな

 い、先ほどまではほぼ互角だったのだ!

 そしてミキと晴子が味わった感触とやらを自分も

 味わってみたい!

 

 この後、由貴も含んだ ”作戦会議” の面々の中

 でボウリングが流行りになるのだが、今回の騒動

 が原因なのは言うまでもない…

 1年後にはエミ、ミキ、晴子、川本、浜崎、と今

 いる全員がカーブボーラーへと変貌を遂げるのだ

 


 <あ~も~!!悔っしいっ!!!>

 《いや~惜しかったね!だが私の完敗だ!お見事

  だったね》 

 <いえいえ、今日はわざわざ来ていただいて有難

  うございました、すごく為になりました…>

 「惜しかったよね~あとホンのちょっと…」

 『スゴかったですね!なんせほとんど200ですもん』

 ミキの言う通り、由貴のスコアは199!あとホンの

 1点だけ200に届かなかったのだ…

 太田は193、自ら由貴の相手を買って出ただけあっ

 て、只者ではない腕前だった

 〈でもアタシたちも上達した、よね?〉 

 〖みんな130超え達成じゃないか!スゴイよ〗

 「ミキちゃんがスゴすぎて実感ないよ…」

 エミの言う通り、ミキに至っては何と162と言うス

 コアを記録していた

 エミが134、晴子は138、勝負の軍配は晴子に上が

 ったのだが、ミキのあまりの覚醒ぶりに霞んでし

 まった状態だ…

 浜崎はと言うと、序盤のミスが尾を引いたのか158

 というスコアに落ち着き、覚醒したミキの餌食と

 なった形だ…

 〘何だかミキちゃん一気に目覚めた!って感じだ

  ね〙

 《決してマグレではないだろう、後はフォームを

  体に覚え込ませれば、安定して150以上が出るよ

  うになるんじゃないか?》

 <短い間隔で通った方が良いよ、フォームを体に

  馴染ませれば感覚が開いてもすぐ身体が思い出

  すようになるから…>

 『アタシ明日も来ます!何だか無性に投げたい気

  分なんです!』

 <分かるけど無理はしないでね、アタシの勝負の

  付き合いなんてどうでも良いんだからさ…>

 《そうそう、無理はしない事だ、金曜だってある

  しね…》

 『え??金曜の予定を今日にしたんじゃ?』

 《元々の予定を無くす必要はないだろう?今日は 

  STEEDも乗って来てないしな!》

 <おっと!?リベンジする気満々ですね?>

 《分かるかね?負けず嫌いな質でね…》

 〘僕もミキちゃんともう一回勝負したい!〙

 「それならアタシもハルちゃんと!」

 〖アハハハ、みんなすっかりボウリングにハマっ

  ちゃったね〗

 伸一のスコアは178、正直一般ボウラーなら自慢

 して良いレベルなのだが、最近このメンバーの周

 りは極端にレベルが高い者が出現しすぎて感覚が

 狂ってしまっている

 『でもやっぱり男子ってレベル高いですね…』

 ミキの言う通り、特にこれと言って練習に励んだ

 訳でもないのに150以上のスコアを出す者がゴロ

 ゴロいるイメージだ…

 《基本的には男性陣はボウリングに行く機会が女

  性より多い場合が多いだろうからね、要は場数

  を踏んでいる者が多いんだ…》

 〖でもやっぱり真剣に取り組んでいる人とは差が

  出ますね、、、痛感しましたよ…〗

 『筋トレしてものすごい腕力付ける!って方向で

  取り組むとか…(笑)』

 《そういう方向性で取り組む女性は見た事がない

  な、、、w》

 「せっかくメイク頑張ってもゴツくなっちゃうね」

 『え~!!イヤですぅ~~!!』

 〘まぁボウリングの為に筋トレまでする、っての

  は現実味がないよね…〙

 《ふむ、皆ボウリングにハマるのは大変結構だが

  、仕事は仕事でキチンとこなしてくれ、君たち

  には言うまでもない事かな?》

 「〈『〖〘ハイ!!〙〗』〉」

 《有賀さん》

 <ハイ、、??>

 《うちの会社の者が多くお世話になって大変感謝

  している》

 そう言って太田はペコリと頭を下げた

 <やめて下さいよ、そんな大げさな…>

 由貴は両手を交差して止めるのだが太田は首を振

 ってこう言った

 《最近我が部署では実に業務がスムーズに行われ

  ている、それと言うのも長坂さんに始まり、伊

  藤さんが、園田さんが、そして最近では浜崎く

  んが有賀さんの学校へと通わせてもらってから

  だ…》

 <それはみんながバイクが好きになっただけで>

 《もちろんそれもあるだろう、だが!そのバイク

  に乗って、何処で、誰と、何をするのか、この

  部分が一番大事なのでは?と私は思う…》

 <それは、そうですね…>

 《良い趣味は仕事にも良い影響を及ぼす場合が多

  い、きっと有賀さんは無関係ではないだろう?

  いつも彼らが世話になってありがとう…》

 <こちらこそ、いつも仲良くさせてもらってあり

  がとうございます>

 お互いに小さくペコリと頭を下げる、互いにニコ

 リと笑い合うと太田が口を開いた

 《うちの妻にこの話をすると、恐らくは自分も行

  きたくなったと言い出すだろうな…》

 <うわ!?じゃあ金曜までに練習が入りますね>

 《そういう事だね…》

 <ミキちゃん!アタシも明日の練習付き合うよ>

 『じゃあ明日もここ集合ですね!』

 エミと晴子がお互いの顔を見合わせると

 「アタシたちも、いいかな??」

 <もちろん!>

 〈アタシもなんか感触が掴めそう、なんだよね〉

 〖じゃあオレたちもいいかな?〗

 〘なんかもうちょっとスコア伸びそうな気がして

  るんだよね…〙

 <もはやボウリング部だね…>

 由貴の言葉に一同がドッとウケたところで本日は

 解散となった


 『見て下さい!今日のお弁当!』

 そう言ってミキが見せて来たのはホットサンド!

 「わぁ!ホットサンドメーカー買ったの?」

 『元々持ってたんですが、ワッフルとかドーナツ

  用で使ってるやつのホットサンド用プレートを

  面倒がらずに出してきて…』

 「あ~そうか!?ホットサンドメーカーってワッ

  フル用やドーナツ用あるもんね!」

 『最近ではたい焼き用プレートなんかも出てま

  すよ!』

 「そうなんだ!たい焼き用買おうかな、、、」

 たい焼きが自宅で出来る!エミの中では和菓子は

 自作はハードルが高い物、と認識していた

 実際家庭で作るには工程が多く、だからこそ和菓

 子職人や店舗には尊敬を抱いているのだ

 ミキのホットサンドは魅力的で、野菜たっぷりの

 エビ入りホットサンドとオーソドックスな玉子と

 ケチャップ、ハム、レタスの物、どちらもとても

 美味しそうだ…

 〖お~ミキちゃん今日はホットサンドか!〗

 『ですです!美味しそうでしょ?』

 〖いいね!でも手間じゃないの?〗

 『材料いるだけ使ったら余りのレタスとハムで朝

  食のハムサラダ~みたいな…』

 〘なんだか朝のミキちゃんの様子が浮かぶね…〙

 『えへへ…』

 ミキのお弁当は男子ウケが非常に良い、無理もな

 い、アイデア溢れるミキのお弁当にはいつも感心

 させられる

 〘ハルちゃんのそれは?〙

 〈これはスープジャーをこうして…ネギと刻み海

  苔をちらすと…〉

 「わぁ~スープパスタだ!」

 『ヤバいですね!良い匂いする!!』

 〈パスタキューブの焦がし醤油味、割と手抜きな

  んだよね…〉

 〖めちゃ美味しそうだけどね…〗

 「アタシのは相変わらず普通のお弁当…」

 〈そのお弁当が一番手が込んでると思うけど…〉

 玉子と鶏そぼろの2色飯にブロッコリーの緑、ひ

 じき煮、レンコンきんぴら、つくね串、玉子焼き

 、と色どり豊かな非常にバランスの良い弁当だっ

 た…

 『それお弁当屋さんならまず選ばれそうなお弁当

  ですよね…』

 〖ナイスバランスだよね!〗

 ミキはいつも絶賛してくれるが、エミは自身にミ

 キほどの奇抜なアイデアがない事を自覚していた

 ミキのように冒険する勇気がないのだ、どうもお

 弁当、という概念に囚われてしまっている自分が

 いる気がする…

 『お弁当って持ち歩きさえ出来ればな~、で断念

  する物が多いですよね…』

 〖でも最近はキャンプギアなんかで便利な物がい

  っぱい出てるから、流用すると何か良いアイデ

  アがあるかもね…〗

 (キャンプギアか!?盲点だった…)

 エミの中で閃く物があった、もちろん弁当箱やグ

 ッズはこれまでも多く目にしてきたのだが、例の

 安全靴の時同様に、これまで自分が見聞きしてき

 た外の情報に、意外な掘り出し物があるかもしれ

 ない…

 (少し探してみようか…)

 エミの探求心が再び動き出した…





今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります

多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が

ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい

メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は

「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。

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