運命の1台!?
日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです
仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを
肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが
なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます
温かい目で読んでいただければ幸いです。
今日は待ちに待った25日、そう給料日だ!エミたち三人は
この日を待ちわびていた、それと言うのもミキの財政状況
的に、給料日を迎えてからじゃないと自動車学校の申し込
みが厳しいという事で、三人で相談して給料の入金を確認
してから申し込もう、という事になったのだ
”作戦会議”にはミキの
『家に到着して準備万端です』
の報告が投稿されていた、次に晴子が
〈着きました~PC立ち上げ中です〉
との書き込みが、エミも自転車を走らせながら信号待ちで
それらを確認して焦る
「ちょっと待ってね、もうすぐ着くから…」
エミの書き込みに
『ゆっくりどうぞ~♪』
〈エミちゃん焦らないで、急ぐ必要なんてないんだから〉
優しい二人の言葉に甘える事としてエミは急ぐ事を止めた
というのも須賀に(バイクに乗るなら安全は忘れないで)
と助言をもらっていたからだ、バイクに乗る前に自転車で
事故など起こしていては元も子もないのだ
程なくして家に着いたエミは、上着をハンガーにかけると
「お待たせ!時間かかっちゃった、すぐPC立ち上げるね」
と報告しPCの電源をすぐさま入れた
するとミキから
『グループ通話立ち上げますね~』
の書き込み、すぐさまこちらも通話ボタンを押下し通話に
参加する、と同時にお気に入りからトヨタ○○自動車学校
のサイトにアクセスする
〈いっくよ~〉
晴子の合図で一斉に(申し込みはコチラ)のボタンを皆で
せ~ので押下する、誓約書や個人情報の取り扱いに関して
また、これらの事項を読んだうえで同意する旨の同意書を
皆で流し読みしつつ(上記内容に同意して進む)をまた皆
でせ~ので押下して次に進んだ(希望車種選択)で(普通
自動二輪MT)を選択し残念ながら所持免許が何一つない
ため免除も受けられない事にガッカリしつつも、グループ
割引を受けられる事に皆で喜んだ、グループ割引は1人が
申し込むと人数を聞かれ、その人数に合わせたパスワード
がメールされてくる仕組みのようだ、代表して言い出しっ
ぺのエミがパスワードを引き受けた
〈じゃあアタシ2番目のパスワード使うね〉
『では3番目で』
とスラスラ次へ進んでゆく、入校式の希望日は今度の土曜
日で決めよう、という事になった
そうこうしていると不意に須賀が通話に参加してきた
【やあ!ついに申し込みかい??】
「あ、須賀さんお仕事おつかれさま~」
『おつかれさまですぅ~』
〈おつかれさまです〉
「今WEBで申し込んでるんですが割引が団体とシーズン割
合わせて20,000円効くみたいです!」
【お~~!!やったね、それは何よりだ】
『ちょうどキツイな、と思ってたぐらいの金額で大助かり
です~』
ミキはとっても嬉しそうだ
【ちゃんと悩んで頑張って結論出したから神様からのご褒
美だね】
『えへへへ♪』
ミキの声がいつになく弾んでいるのが通話の中からでもよ
くわかる
皆でまたせ~ので最終確認のボタンを押下した後に
ピコーン、YOU GOT MAIL などのメール着信音が同時
に響き渡って笑いが起きた
「無事申し込み完了♪」
〈こっちも完了です〉
『通知きました~』
【みんなおめでとう!社会人として自分で生活しながら尚
且つ趣味に大枚をはたく!立派だ】
須賀に褒められると嬉しくなってくる、晴子とミキも同じ
ようで、照れたような笑い声を上げている
「これでようやくスタートライン!頑張らなくっちゃ」
【まぁ困った事、分かんない事があったら遠慮なく言っ
てよ、メカ的な事もテクニック的な事もどっちもいけ
るクチだからさw】
『頼りにしてます♪』
〈申し訳ないけど当てにさせていただきます〉
「またお世話になります」
などと話に花を咲かせてその日の”作戦会議”は終了した
翌日、昼休憩時に須賀から”作戦会議”に投稿があった
【エミちゃんと晴子ちゃん今日っ会社の後ヒマかい?】
「ちょうど今日はあの化粧品店に寄ろうと思ってまし
た」
〈アタシも一緒に行くつもりでした〉
【おぉ!じゃあちょうど良いね、スタバで会わない
か?】
『アタシはのけ者ですかぁ~(怒)』
【ミキちゃんも来るかい?今日オレTWで出社してる
から実物見て見ないかい?】
「!!!見たい見たい!!」
〈アタシも見てみたい!〉
『アタシも良いですか!?』
【もちろん良いさ、んじゃ18時にあのスタバでね】
「分かりました!」
『いえっさー!!』
〈承知しました〉
「写真撮って待ち受けにします!モチベーション
上がる!!」
『良いですね、それ、アタシも撮らせてもらっとこう
かな、』
〈近いうちAPEでも出社してください(ボソッ)〉
【ハハハ、そうするよ!】
などと話しているうちにあっという間に昼休憩が終わっ
てしまった
エミは初めて対面する生のTWに今から興奮が抑えられ
なかった、晴子も同じようで、いつか見る事になるAPE
を思い描いている事が丸わかりな表情だった
午後の仕事が始まってもエミの頭の中はTWの事でいっ
ぱいで仕事がおぼつかなくなる程であった
なんとか3時の休憩時間をむかえ、晴子とミキに胸の内
を明かした
「もう気がはやっちゃって仕事が手につかない、、、」
〈アタシもすごく気になるけどダメだよ!ちゃんと
しないと、ミスして残業になったりしたら最悪!!〉
『そんなの絶対ダメ~!!』
「本当だね、、気を引き締めなきゃ…」
晴子に言われて、浮かれてしまっていた自分を戒めた
(社会人なんだからしっかりしなきゃダメ!)
自分に言い聞かせて休憩後の仕事に挑んだ
これと言った不具合やミスもなく定時をむかえられた
が、それは晴子の指摘によるものが大きいだろう、今
後も仕事は仕事と割り切って、メイクやバイクは仕事
中頭から切り離しておこう、と決めた
『た~のしみですねぇ♪』
〈ホントね、エミちゃんのTW実際見るとどんなのな
んだろ?〉
「ん~~待ちきれない♡」
終始楽しい会話をしつつ、三人はスタバに向かった
改札を抜け、駅から続きのエスカレーターを上がると
オープンテラスのテーブルでトールボトルを飲んでい
る須賀の姿がすぐに見つかった
三人は手をブンブン振ると、すぐさまレジカウンター
で注文を済ませ、須賀の席に向かった
『お待たせしました~』
「おつかれさまです」
〈お久しぶりです〉
【やぁ、いらっしゃい♪】
ありきたりな挨拶を済ませ、全員が着席すると話は自
動車学校の話題へと向かった
【いよいよ土曜が入校式か】
「ハイ!」
〈なんだか緊張します〉
『でも楽しみ~』
【ミキちゃんは原付乗ってるならバイク自体には慣れ
てるんだね?】
『でも~ミッションは初めてなので緊張はしてます…』
【まぁ、あんなもんは慣れだからね、回数乗ってナン
ボだよ、ただ、あんまり教習で落ちると別料金がか
かるから、ミキちゃんはなるべく落とさないように
、、だねw】
『うぅ~頑張ります…』
「アタシたちもなるべく落ちないようにしなきゃね」
「そうだね!」
などと話していたら須賀のスマホに着信が入った
【おっと!?来たか、もしもし~、あぁ、うん、う
ん、着いたか、じゃあ向かうわ】
三人が(????)と首を傾げていると
【待ち人が来たようだからそろそろ行こうか】
(待ち人??)三人はますます(????)と、な
りながらも後に続いた
東の階段を下るとすぐ先に駐輪場がある、エミは、
はやる気持ちをおさえるので精いっぱいだった
見えた!画像で見たブルーのタンクにホワイトライ
ン、エミは思わず駆け出していた
TWの傍らまで行くと、大声で尋ねる
「須賀さん!これですか??」
【そうそう!それがオレのTW】
目の当たりにして改めて思う、あの日画像を見てビ
ビッと感じた感覚、思い違いじゃない、まさに運命
!!(これしかない!)エミは確信していた
ふと気づくと3台ほど横に20代の若者とおぼしき男
の子がバイクに跨っていた、そのバイクは白のAPE
、、、
⦅何事だよ親父!いきなりAPEでこんな所に来いっ
て…⦆
【悪いな、、wどうしてもAPEを見せてあげたい娘
がいてな、助かったよ】
「須賀さんの息子、、さん??」
【そう、うちの次男坊、ホレ綾太、アイサツ!】
⦅あ、須賀綾太です、ヨロシク…⦆
【綾太、こちらからミキちゃん、エミちゃん、
晴子ちゃんだ】
『園田美樹、20才です、よろしくお願いします』
「長坂エミ、25才です、よろしく」
〈伊藤晴子、同じく25才です、APEはアタシが
見たかったの、ありがとうございます♪〉
今日APEが見られると思っていなかった晴子はと
ても嬉しそうだ、その気持ちはエミにはとても良
く理解できた
『須賀さん、この2台ってどのくらい前のバイクなの??』
ミキが尋ねると須賀は事も無げに
「ん~TWはもうすぐ20年、APEが22年だったかな?」
「ええぇぇぇ!!!」
『すご~い!!』
〈メッチャ綺麗じゃない??〉
⦅親父しょっちゅう手入れしてるもんね、嬉しいっしょ
?⦆
【そりゃ自分のバイク褒められりゃ嬉しいさ、お前も自
分の車褒められると嬉しいだろ??】
⦅うんうん♪⦆
【コイツはオレと違って車好きなのよ、愛車はジムニー】
「へ~~意外、バイクにハマらなかったんだ」
〈ね~~〉
『アタシたちは一発でバイクにやられたのに(笑)』
⦅物心ついた時には見慣れちゃってて、、⦆
(そういうものなのだろうか?)疑問だったが、思い
出したかのように興味が2台のバイクへと向かった
「須賀さん、、あの跨ってみても良いですか?」
【どうぞどうぞ、その為に乗ってきたんだよ、晴子ちゃ
んも跨ってみな】
〈ハイ!ありがとうございます〉
二人は緊張しながら各々の意中のバイクにそれぞれ跨っ
てみた、身長159㎝のエミでも足がピッタリと着く、こ
ないだ跨ってみたセローよりややシート高が低いようだ
「セローよりシートが低いみたい、ホラ、足がピッタリ
着く」
〈アタシの方は足なんてペタペタだよ(笑)〉
【APE100なら小学生でも足着くだろうねw】
須賀の言葉に一同爆笑した
〈うわぁ♪思ってたより10倍カワイくてカッコいい!〉
晴子もきっとエミと同じように運命を感じているのだろ
う、エミもまた感動をかみしめていた
『お2人さん写真撮ってあげますからスマホ貸してくだ
さい』
「あ、お願い♪」
〈アタシも!!〉
『ハイハイ!』
ミキが撮ってくれた画像を確認してみて、俄然やる気が
出てきた、晴子もそのようで〈見て見て~♪〉と、普段
の晴子からは考えられないカワイイはしゃぎ方をしてい
た
【ミキちゃんはバイクどうするの?なんならツーリング
仲間に良いのないかあたってみようか?】
『アタシも運命のバイクに出会ってて、、会社の先輩に
セロー売ってもらうんです』
【おお!セローか、あれは良いバイクだ、TWと一緒で
速くはないが…】
『良いんです、早くなくたって、運命を感じたから…』
⦅遅いと言えばAPEは100㏄だけど100㎞も出ないよ…⦆
【まだまだ甘いな綾太!APEの良さはそこじゃないん
だよ】
⦅そうだよ!APEはオシャレに便利に乗るバイクだっ
てネットでも言われてたよ⦆
【アフターパーツが豊富に出てるから自分だけの1台
に仕上げるのがAPEみたいなミニバイクの楽しみ方
だな】
⦅あと、ちょっとコンビニ行く時はすごい便利⦆
【お前コンビニ行く時しょっちゅうAPE使うもんな】
一同がまた爆笑した
『でもAPEはホントに便利だよ!だってホラ、タン
デムステップが付いてんだもの』
「タンデムステップ??」
〈なにそれ?〉
【タンデム、つまり二人乗り出来るって事!】
『え~~APEってこんなちっちゃくて二人乗り出来
るの??』
⦅ナメてもらっちゃ困るな!親父ちょっとメット貸
して!!⦆
須賀のヘルメットを受け取ると綾太は晴子を手招き
しながら、後部シートをペチペチ叩いて言った
⦅ホラ晴子さん乗って乗って!⦆
〈え??良いの??〉
⦅大丈夫!安全運転するから⦆
そう言うと晴子にヘルメットを渡し、顎ヒモを留め
てあげる
〈じゃあ遠慮なく(笑)〉
躊躇なくストンとタンデムシートに晴子が座ると
⦅しっかり捕まっててね⦆
と告げて綾太は走り出してしまった
三人はしばしボーッと眺めていたが不意に須賀が
【やるなぁアイツ!!】
と我が子の行動に感心していた
『ホントにね(笑)』
「いいなぁハルちゃん…」
【戻って来たらオレたちもTWで行こうかw】
「うわぁ!ぜひっ!」
5分ほどして綾太と晴子が戻ってくると、須賀が
ヘルメットを引ったくりエミを乗せて出発した
どうという事もないただの街乗り、それでもエミ
の視界に広がる、今まで味わった事のない解放感
のある世界は、とても刺激的で、エミは感動すら
覚えた
結局大通りをグルリと一周しただけだったが、見
慣れた景色の全てが新鮮に見えた
(中型免許を取るんだ!)新たな決意と、その先
に広がる新しい未来がエミをワクワクさせた
今作は作者がTikTokで見かけた「詐欺メイク」にヒントを得て思いついたストーリーとなります
多分に作者の社会人生活と私生活が反映された内容となります、読者の方が「ん?」と思う社会描写が
ございましたら、それは作者の過ごした社会背景との相違と受け取って下さい
メイク技術、用語などはネットの情報を元にしておりますが、なにぶん作者は
「野郎」ですので、この部分、なるべく寛容にご容赦くださると幸いです。




