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キス刺しvsハゼ刺し

 春の大ギスについて書きましたから、春の大ハゼにも触れておきましょう。


 マハゼはアユやワカサギなどと同じく年魚ねんぎょ(生まれて1年間のあいだに産卵して死ぬ魚のこと)ですから、最大級でも20㎝オーバー、25㎝に達すると凄く立派なサイズということになります。


 けれども中には2歳にまで最長を続ける個体がいたりします。

 良い伴侶に巡り合えず、童貞・処女を貫いたんでしょうか?


 ワカサギだと2歳魚のことを「太閤たいこう」と呼んだりしますから、さほど珍しくないのかも知れませんが、代表的な年魚のイメージを持つアユですら越年個体がいたりします。

 アユって普通は「鮎」と漢字表記されますが、年魚と書いて”あゆ”と読ませることもあるくらいなのに!


 だから春に釣れる25㎝級は、越年個体のハゼだと言っていいかと思います。



 狙い場・釣り方は春のキスとほぼ同じ。

 内湾の静かな小漁港の内向き。

 餌も石ゴカイで。


 加えてもう一つ条件があります。

 近くで夏~秋にハゼが釣れること。夏のデキハゼ(当歳児の仔ハゼ 5㎝くらいまでのサイズのもの)が多ければ多いほどイイ。

 つまり大きな川でなくともよいので、最低限流れ込み程度の小河川が存在すること、が必須となります。


 こう書くとなんだか大層な条件のように思えますが、内湾の小漁港には(あるいは小漁港近辺には)必ずといってよいほど小川が流れ込んでいます。

 だから春ギスの釣り場と春ハゼの釣り場は『ほぼ丸かぶり』なのです。


 場所によってキスが多いかハゼが多いか、という違いはありますけどね!


 釣り方も春キスの項で書いた通りです。

 柔な竿で釣ると、ハゼも「うひゃ~!」と言いたくなるほどファイトしてくれます。

 なんだかね、チヌ竿やノベ竿でのキス釣り・ハゼ釣りを味わうと、硬い投げ竿で釣るのが勿体なく思えてきてしまうのです。


 あ! ちなみに春ギス・春ハゼは、ぜひ刺身で味わってみて下さい。

 天ぷらにしてウマー! なのは当然なのですが、新鮮釣りたての刺身は絶品ですので。


 キス刺しは――中サイズ個体までは”すっきり滑らか”で淡麗と評価されることが多いのですが――春の大ギスは歯応えもコミで力強さが増します。

 淡麗な持ち味そのものは変わらないのですが……「淡い」を「瑞々しい」に替えて「端麗」の字をあてたくなります。しっかりと整って美しいさま、ですね。どちらも読みは「たんれい」ですけど。


 一方ハゼ刺しは――淡麗に対するなら反射的に濃厚と言いたくなりますが――味に野趣やしゅと簡単にまとめてしまえるような荒削りな要素、田舎くささは何一つ無いんですよ。

 引き締まった筋肉の歯応えも含めて、力強くよどみが無いさま、雄渾ゆうこんと評したい。


 キス・ハゼ両方が釣れたら、ぜひぜひ食べ比べてみて下さい。


 なお、ヒイラギ釣りとは違って20匹、30匹が立て続けにバカバカ釣れるという釣りではありませんから、刺身を取るときには大名おろしではなく三枚おろしで。

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