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ブラックバスの子育て奮闘時期

 オヤニラミ父は健気けなげと書きましたが、それは父親としてであってで、おっととして見るのなら不誠実男なのかも知れません。


 と、申しますのも、オヤニラミ父は卵ケアしている最中でも、抱卵ほうらんしためすが近くに寄って来ると産卵を促すのだそうです。


 そして既に世話している卵の近くに、新しい雌にも卵を産ませると、前の卵と一緒に世話をするのだとか。


 でも考えてみると父親も父親ですが、産みっぱなしてどこかへ行っちゃう母親も母親かな……。

 まあ雌は産卵後の体力回復のために、餌を食い捲る必要があるのかも知れませんが。


 ちなみに、寄ってきた雌が未成熟だった場合、オヤニラミ父は縄張りからその未成熟雌を追い払います。

 ロリではないのぢゃ!



 同じ肉食魚でも、ブラックバスの場合は夫婦ペアで卵の世話をします。


 まずおすが水底を掘り返した上でキレイに掃除し、産卵床さんらんしょうという場所を作ります。

 そして成熟した雌をナンパして、ペアリングが成立すれば雄雌共同して産卵床の卵を外敵からガードするわけです。


 雌が食事に出掛けているときは雄が産卵床を守り、雌が戻ってくれば替わりに雄が出掛けるという具合に。


 他魚を食い荒らすイメージの強いブラックバスですが、卵や稚魚の間は「食い荒らされる方」なんですね。

 卵を襲いに来る敵には魚卵好きのブルーギルや、ヨシノボリなどの淡水ハゼ類の他にも、フナやモロコといったコイ科の魚も含まれます。


 ですから春のバス釣りは、体力を付けるための産卵準備期プレスポーンの荒食いの時期と、産卵後育児期アフタースポーンとで、大きく様相が異なるわけです。


 それでアフターの食い渋り時期には、ネスト攻めが有効とされていた時代があったんです。

 目視サイト産卵床ネストを見つけ、ネチネチとルアーを通す。

 そうするとネストを守る親は、近寄るルアーを餌として捕食しようとするのではなく、卵を食いに来た敵として攻撃するわけです。

 バスには相手を殴るための手はありませんから、噛みついて追い払う。


 だからアタリがあれば、食い込ませるために一瞬送り込むみたいな事をしていたらバスは口を離します。

 捕食ではなく威嚇のために口を使ったわけですから。

 対処法としては、アタリを感じたら即反応の、いわゆる電撃アワセが必須とされていました。


 使用ルアーは、ワームだったらハゼやイモリのイミテーションをテキサスリグでズル引き、ハードルアーであれば水底を小突こづきながら動く小型クランクベイトが有効とされていた、かな?

 バスアングラーが必ず偏光グラスを着用するようになったのも、同時期くらいからではないでしょうか。


 しかしこの目視によるネスト攻めは「バスに対して卑怯ではないか?」と疑問が呈され、廃れていくようになります。

 産卵床を守る親バスを釣ってしまえば、残された卵や孵化ふか直後の稚魚は、周り中から押し寄せる敵から食われてしまうではないか、と。

 ブラックバスが完全な害魚扱いとなってしまった今では、考えられない議論ではありますね。

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