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【第一章完】この厳島甘美にかかればどうということはありませんわ!  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第一章

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第8話(2)そういえば

「それじゃあ、ウットゥーツはどうよ?」

「ええ?」

 現が戸惑う。

「何か意見はないのかよ?」

「い、いや、別に……」

「無いことは無いだろう?」

「う、うう……」

「ほれほれ、言ってみな……」

「くっ……」

 現が紙に書いて見せる。

「なになに……『夢之音楽団』?」

「あえての漢字か、良いかもね……」

「そうね、逆にセンスを感じるわ……」

 刹那の呟きに幻が同調する。

「違う……」

「え?」

「こう書いて、『ドリームキャスト』と読むんだ!」

「前言撤回するわ……」

 幻が両手を広げる。

「あまり縁起の良い名前ではないかな……」

 刹那が苦笑する。

「え、ダメか、二人とも?」

「そうね……」

「う~ん……」

 陽炎の問いに幻と刹那が揃って首を傾げる。

「オレは結構良いと思ったんだけどな……」

「どの辺が?」

「音楽団と書いてキャストと読ませるのは粋じゃねえかよ」

「まあ、それはそうかもしれないけど……」

 幻が頬杖を突く。。

「とりあえず、これをカンビアッソに提案してみようぜ!」

「どう?」

「ま、まあ、提案だけなら……」

 幻に問われ、刹那が頷く。

「い、いやいい! やっぱり、『ミュズィックデレーヴ』で良いだろう!」

 現が首を左右に振りながら声を上げる。

「え?」

「意訳に近いが、日本語にすると『夢幻の音楽』! 夢世界が縁で繋がった私たちにはピッタリなネーミングだろう⁉」

「う、うん、まあ……」

 陽炎が現の勢いに圧されて頷く。

「アタシはそれで良いわよ。幻が入っているし」

 幻が笑みを浮かべる。

「なんかズルくねえか?」

「そんなこと言われてもねえ~」

 陽炎の問いに対し、幻が両手を広げる。

「フランス語っていうのもオシャレな感じがするだろう?」

「ドイツ語だと中二病扱いされるのに……なんか納得いかないな……」

 刹那が不満気な表情を浮かべる。

「繰り返しになるが日本語の意味も含めての評価だ」

「……」

「その辺りも考慮してやってくれ」

「……うん、まあ……」

 刹那が頷く。

「よし、バンド名はこれで良いな!」

 現が三人を見回しながら声をかける。

「な~んか、無理矢理押し切られたような……」

「うん……」

「そうだよな?」

 陽炎と刹那が頷き合う。

「そ、それは……」

 現が言葉に詰まる。

「まあ、その辺が気になったり、良い感じの名前が思い付いたりしたら、甘美ちゃんも含めて五人でまた話し合えば良いんじゃないのかしら?」

「そ、そうだ、そうしよう!」

 現が幻の言葉に同意する。

「しかし、大したものね……」

「うん?」

「甘美ちゃんがネーミングに込めた意味をしっかりと汲み取ってあげるなんて……大した説明も無かったのに……」

「ま、まあ、付き合いもそれなりに長いからな……」

 現が腕を組んで頷く。

「幼馴染なのか?」

「いいや、大学からだ」

「短っ⁉」

 陽炎が驚く。

「それは意外だね……」

「そうか?」

 刹那の呟きに現が首を捻る。

「そういえば出身は?」

「私は島根だ」

 幻の問いに現が答える。

「あら、そうなの……」

 幻が顎をさすりながら頷く。

「大学入学からの付き合いってことか?」

「ああ、新入生代表の挨拶で……」

「おおっ、カンビアッソ、優秀だな」

「いいや、あいつはそんなに頭が良くないぞ?」

「へ? それじゃあ、ウットゥーツか?」

「私も違う」

「どういうこったよ?」

「挨拶のタイミングで二人同時に大きなくしゃみをして恥ずかしかったんだ」

「なんだよそれ⁉」

「それがきっかけで仲良くなったの?」

「いいや」

「は?」

 幻が首を捻る。

「あるサークルの新歓コンパで……」

「ああ、偶然隣り合わせになったのね」

「隣り合わせになったが、二人とも同じタイミングでおならをしてしまってな……恥ずかしくなって、すぐ退散した。帰る方向は別々だったな……」

「そ、そうなの……」

「その後、厳しいと評判の教授の講義で、二人とも居眠りをかましてしまい……」

「ああ、それで退席させられて、仲良くなったんだ……」

 刹那がうんうんと頷く。

「いや、居眠りはバレずに、何事もなくその講義は終わったな……」

「「「いつ仲良くなるの⁉」」」

 陽炎たち三人の声が揃う。

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