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時を刻むモノ  作者: ライアーさん
第1章 役目を継ぐ者
3/4

話し合い

2話目ー(´・ω・`)


「母上まで...僕は逃げ出してないよ..」


「そう?おかしいわね..アルロッドが探し回ってたけど..気の所為かしら?」

マリーナが少しニヤリとしながらアグルに目を向ける。


「いや..すこし休憩しようかなって..ね?」


「ガッハッハ!それくらいで許してやれマリーナ!俺も頭が回らぬからアルロッドに仕事を全て丸投げしているのだ!フハハハハハ!」


「そう?貴方が言うならこれくらいで許してあげましょう..ふふっ」

苦笑しながらアグルがその場を立ち去...れなかった。


「おお!ここに居ましたかアグル様!ささ、まだ経営学の途中ですよ!全く...すぐ逃げ出すのですから」


「ああっ!話してるから見つかっちゃったよ..」


「やっぱ逃げてんじゃん」


「バレたか...ハハハ..」

アグルは力の籠っていない苦笑を残し、アルロッドに連れていかれた。これから散々時期領主としての勉学に勤しむのだろう。頑張れ。


「ところで母さん。メレーナ姉さんは?」


「ああ、メレーナならレイミーと一緒に行商人さんのところへ食料品とかを買いに行ったわよ?」


「メグルさんのとこか。メグルさんもよくこんな辺境でいつ争いが起こるかも分からないレスター領に来るね...」

そうなのだ。ここ、レスター領は初代当主ガイスト・レスターが国王から拝領したのだが、三百年前から隣のアルダイラ帝国との小競り合いが五十・百年単位でよく発生するのだ。そのためエルガルド王国とアルダイラ帝国の緩衝地帯であるレスター領は最近で1番多く争いが発生しているといってもいいだろう。


「よし!レイド!休憩はもういいだろう!いまから稽古を始めよう!」

ガルドルフはそう言いながら木剣を手に取り、レイドの対面に立ち、構えた。


「さあ!どこからでも打ちかかって来い!」


「うん!うおおお!」

レイドは走りながら中段に剣を構え、頭...は狙えないので胴体目掛けて剣を振った。


「やはり剣筋が読みやすいなぁ!フハハ!」

だが簡単にガルドルフに受け流されその勢いのまま..

ゴンッ..

「痛ったぁ...」


「まだ素振りぐらいしかしていないからな!俺に剣を当てられるわけがないだろう!フハハ!」


「こっのー...もう1回!」


「いい心意気だ!さあ!何度でも来るがいい!」

その日はマリーナがニコニコしながら見守る中、何度も剣を振る音と鈍い音、そしてレイドの痛みに呻く声が庭に響くのであった。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

次の日。レイドはリースに起こされる前に起き、いそいそと練習用の服に着替えて庭へと向かった。

だが、いつまで経ってもガルドルフが来ない。

(うう...筋肉痛だし、まだ頭が痛い気がするよ..あれ?父さんは寝坊なんかしないはずだけどな...すこし覗きに行くか..)

玄関から入りリビングに行くと金髪で紫の目の少女が椅子に座り、一人本を読んでいた。


「ねえ、メレーナ姉さん。父さんや母さんを知らない?」


「え?お父様はまだ庭に出ていらっしゃらないの?」


「メレーナ姉さんも知らないのか...」


「恐らく、執務室でお話し合いをなされているかと思います。」

と、答えたのはいつの間にか背後に立っていたプリムだ。プリムはレスター家の三人のメイドの一人でメレーナと気が合うのか良くメレーナの傍にいるのでメレーナの専属メイドのようになっている。


「わかった。ありがと!」

そう言ってレイドは執務室へ向かった。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

執務室ではガルドルフとマリーナ、アルロッド、アグル、リースが一枚の手紙を囲んで顔を突き合わせていた。

ガルドルフが重々しく口を開いた。


「この手紙はアルダイラ帝国に潜伏している隠密の者から送られてきた手紙だ。なんでも...帝国が戦争の用意を始めているらしい。」


誰かが唾を飲む音が聞こえた。ここ100年近く起こらなかった戦がまた起こるというのだからわけも無い。


「ただの小競り合いでは無い。戦の準備だ。これからはレスター領の戦力を図るために小規模の争いが起こることも考えられる...アルロッド。レスター領の兵力は?」


「約五千人程おります。元々は一万のはずが王都の貴族連中が足を引っ張ろうと...小賢しい。」


「ふむ...国王陛下に兵力を増やすことを打診してみよう。対応してくださるかもしれぬ。」


「ですが父上、今更国王陛下に願い出ても間に合わないか、間に合ったとしても王都の貴族に握り潰されるだけでは?」


「恐らくそのどちらかだろう。だがやってみないとわからんからな...出来るだけ兵を死なせたくはない。そのためには兵力の増加のために猫の手も借りたいほどなのだ。」

マリーナが口を開いた。


「ならば、私とメレーナの「召喚」の理術を用いて戦に備えましょう。」


「いいのか?マリーナはともかく、メレーナはまだ「召喚」で狙った魔物を召喚することは難しいだろう?」


「ですが召喚することはできるのです。味方を攻撃するような魔物が出たとしても敵軍目掛けて召喚すれば戦力にはなるでしょう。メレーナの召喚した魔物でしたらあなたであれば危なげなく討伐できるのです。それに、まだ戦が今日明日で始まるわけではありません。それまでに私がメレーナの「召喚」の教育を進めておきましょう。」


「そうか...助かる。そういえば、もし小規模な争いが起きるとしたらアグルはレスター家のために残らなければならないためレイドの初陣となるだろう。レイドも鍛えておかねばな...」


「では私はできる限り混乱のないように、戦が起こるかもしれないということを民に知らせておきましょう。」

アグルはその話の間、下を向いていたが唐突にこう言った。


「父上。僕も戦に連れて行っては貰えませんか?」


「なぜそのようなことを言うのだ?」


「僕はレイドが戦に行き、僕は安全な場所で皆の無事を祈るということを、したくありません。」


「しかしなあ...アグルは時期領主として安全を期する必要があるのだ。わかってはくれないか?」


「ですが父上!僕は..僕は恐ろしいのです。僕だけがのうのうと生き残り、レイドや父上、母上やメレーナが死んでしまうことが..」


「そうか...ならば、こうしよう。三日後、アグルとレイドで模擬戦を行う。そして勝った方が...俺と共に戦に行くぞ。さあ!忙しくなるぞ!我らでこのエルガルド王国を...レスター領を守ろう!ガハハハハッ!」






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