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時を刻むモノ  作者: ライアーさん
第1章 役目を継ぐ者
2/4

鍛錬

ホイ一話目

時を刻み込むモノ。

それは僕が父さんから受け継いだ、レスター家の役目。僕達がなぜ「王の友」として生きているのか...

それを表す称号の名..忘れ去られていた大切な...役目。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

「レイド!お前は今日から父さんの役目である「時を刻み込むモノ」を受け継ぐんだ!」


「とうさんのやくめ?」


「そうだ!父さんが今まで果たしてきた、我々レスター家の大事な大事な義務であり、責任だ!」


「...とうさん?どういうこと?」


「がっはっはっは!..お前はまだ分からないだろうな!..だが、いずれ分かる。その言葉の意味がわかった時に正式にこの役目を...父さんの代わりに継いでくれ。」


「...?よくわかんないけど、ぼくがんばるよ!とうさんみたいにつよいきしさまになる!」


「そうか...父さんみたいな騎士になる..か!!素晴らしい!..よし!今日から父さんが稽古をつけてやろう!ハハハ!」


(いつだったか...昔の記憶だ..)

夢の中で自身の幼い記憶が再生されていた。赤い髪の紫の瞳をもつ少年と赤髪碧眼の大男が会話している。レイドとレイドの父、ガルドルフだ。

(まだ..まだ僕には役目が分からない)

場面が切り替わり、少年が一年か二年ほど成長し、木剣を振っている姿が現れる。


「手首の握り方が違う!もっと指を使って握れ!」


「わかった!父さん!」


「よし!良い声だ!あと百回足してやろう!フハハハ!」


「えぇ....」


「どうした!素振りのキレが落ちたぞ!よーし!そんなにレイドは鍛錬がしたかったのか!ならばあと百回増やそうか!優しいだろう?」


「なんでっ?!」


「ほーら振れ振れ!」

(父さん、ホントにスパルタなんだよ...もう..)

またもや場面が切り替わり、次は金髪で紫の瞳を持つ女性と少年が映り、少年が胸の前で手のひらを空へ向けると何も無い場所から本が現れる様子が流れる。


「わっ!ほんとに出た!」


「あら?一回で成功したのね、貴方は理術の才能があるかもしれないわ。」


「ところで母さん...」


「なあに?」


「この本..白紙なんだけど、どんな効果が..」


「知らないわ」


「知らないのっ?!」

(僕の理術は今も分からない..白紙の本を生み出すとしてなんの意味があるんだ..)

また場面が切り替わろうとして..


「レイド様。起きてくださいませ」


「んむぅ...んん?あれ?朝ぁ...?」

寝ぼけ眼を擦りながら少年-レイド-が起き上がる。その姿は少年の夢の中で見た幼かった少年よりさらに二年ほど時が過ぎているようだった。


「ふぁぁぁ...もうちょっとだけ寝かせてくれてもいいじゃないかぁ...」

そう言ってレイドはまた目を瞑ろうとするが


「ご主人様が既に庭で待っているとしてもですか?」

このメイド服を来た女性の一言ですぐさまレイドは跳ね起き、直立する。


「んんっ?!そうなのっ!?それならそうと早く起こしてよリース!」


「レイド様が昨日の夜遅くまで本を読んでいるからです..まったくもう..」

レイドはすぐさまメイド服を着た青い髪の女性から受け取った訓練用の汚れても良い服に着替え、立てかけてあった木剣を手に取り、慌ただしく庭へと駆けて行った。


「ほんとに、本が大好きなんですから..」

一人室内に残ったメイド-リース-はそう呟き、自身の主人の息子がはね起きたせいで荒れに荒れた寝具を片付け始めるのであった。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

レイドが庭に飛び出すと、既に赤髪の大男が庭で剣の素振りに勤しんでいた。


「父さん!」

レイドが呼びかけると大男-ガルドルフ-は振り向き、

「おお!レイド!やっと起きたか!遅れた罰として素振り百回追加だ!ガッハッハッ!」


「うわぁぁ!!」

レイドは悲しみの籠った叫びをあげながら渋々木剣を構える。

ブォン...ブォン..

木剣が空を切る音が響く中、ガルドルフは唐突にこう呟いた。


「レイドも十才になって体も出来てきたようだし、俺と実戦形式の稽古に変えるか..」


「ほんと?!」


「ああ、本当だ。だが今日の素振りはしっかり気合いを入れてしろよ!」


「うん!任せて!」

(こうしているうちは、可愛いものだがなぁ..)

木剣を振る息子の様子を見るうちに自分の息子ながら毎夜毎夜遅くまで本を読み続けることを思い出し、夜更かしは体に悪いのだが...と内心苦笑するガルドルフであった。

戦場に出れば勇猛果敢に戦い、豪快に見えつつその実、巧みな剣術を振るうため「レスターの鬼」と恐れられるガルドルフも子の前では立派な父親なのだ。


「二百九十九っ....三、百ゥ!だぁぁぁ!疲れたァァァァ!!」

と、そんなことをガルドルフが考えている間に素振りが終わったようだ。ガルドルフがレイドに話しかけようとすると足音をたてながら金髪碧眼の美形の青年が近づいてきた。


「っと..父上とレイドか。稽古中かい?お疲れ様」


「うぅ..?アグル兄さんか...またアルロッドからのしごきから逃げ出したの..?」


「に、逃げ出してないさ..少し休憩をね..?」


「逃げ出したんじゃん」


「に、逃げ出してないよ!」

レイドの兄であるアグルは時期領主としてレスター領の政事を学ばなければいけないため、執事であるアルロッド・アルブスから教育を受けているのだ。ちなみにアルロッドはリースの夫である。


「あら?また逃げだしたの?アグル」


そう言いながら家から出てきたのはマリーナだ。髪を揺らしながらレイドたちの方へ近づいてくる。





















うわー...キレわっる...要勉強...

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