誰が誰
合コンで好みの女性に出逢うことは簡単ではない。
一生のうち一回出逢えれば、それはもう奇跡である。
それなのに今日は、見た目がドストライクな女性が一度に三人も来た。
例えるなら、宝くじを三枚買って、三枚とも高額当選するようなものだ。
フワフワした心のままでは、なかなか決められないので、直感を信じて真ん中の女性にすぐロックオンした。
“みなみなみです。”
“なみななみです。”
“ななみみなです。”
終わった。
唯一の弱点である記憶力の隙間に入り込まれた。
三人とも『な』と『み』だけの名前だというのはしっかりと記憶している。
でも、真ん中の女性の名前を全く思い出せない。
他の二人の女性の似たような名前に全部壊された。
それにしても、三人の女性はとても仲がいい。
よく考えてみれば、あんなに名前が近い三人なのだから、これは当たり前のことだ。
そんなに仲良くない僕たち三人に、恋愛の女神がなかなか微笑んでくれないのは、当たり前のことか。