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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界で生きていく

ダンジョンの意味って、知ってる?

作者: 大罪人

とある世界のお話。


その世界では、ダンジョンと言うのは魔物(試練)を与えるモノ、魔物(資源)を与えるモノ、そういった神様からの贈り物でした。魔物がダンジョンから溢れる、なんて事は無く、階層毎にきっちり強さの揃った魔物が待ち構えて居ました。


ダンジョンが出来るのは、人が増えすぎた街の近く。

街を維持する為の魔物(資源)が街の周囲で賄えなくなってきた時に発生するのです。明らかに街の統治の失敗ですが、神様は人に甘いので、ダンジョンと言う便利な代物を与えます。


ところで、人というモノが堕落する生き物なのはどうしようもない事です。いくら神様が人に甘いと言っても、堕落させるしまえば人に未来等有りません。極端な事を言えば、人同士の戦争、そういう過酷な環境において、人の欲望が人の発展へと繋がってしまう程です。そこで、魔物(資源)は同時に魔物(試練)


ダンジョンは、魔物こそ、人が(物理的に)豊かになる為の資源であり、また(精神的に)豊かになる為の試練でもあったのです。



以上、ダンジョンマスターの為のダンジョンの概要。












俺はダンジョンマスターとか言うモノになった。

一般的にはダンジョンを運営するモノの事だそうだ。


ダンジョンマスターは悪魔の一種で、醜悪な姿を持つ、元人だ。

そう、俺は元は人だったのだ。


禁忌って知ってるか?ほとんどは神子が持ち込む技術の中で、神様が直々に忠告して開発の禁止が言い渡された物や考え方。

しかし、それ以外に魂に関する物が有る。事故的に自身の魂を変形させた者が居たらしいが、自身の魂ならまだ自業自得とも言い切れる。しかし、名前を核に思考回路、精神、記憶、そしてスキル。そういった物の塊である魂を、他者の魂をなぶる事は最大の禁忌と言っても良い。


俺はその禁忌を犯した。


だから神罰をくらい囚われた。


このダンジョン(地下牢)に。






ダンジョンマスターの仕事はほとんど無い。

魔物は階層毎にLvが統一され、種族はランダムで一定数に保たれる。そこはなぶれない。

罠や宝箱を仕掛けられ、環境を変えられる位か。

環境と言っても例えば火山地帯を氷河地帯に変えるとなれば数ヶ月かかってゆっくり変化するだけ。

罠も宝箱も作った場合、仕掛けられる階層は固定。

難易度に関する部分は全く変えられない。


実際は、ダンジョンマスターと言うのは、罠や宝箱、環境でダンジョンの個性を出すためだけに存在しているのだろう。ダンジョンの歯車の一つ。ダンジョンマスターに寿命が有るかは知らないが食欲も睡眠欲も無く、また必要もなく存在している。



罠を増やし過ぎては冒険者が減る。宝箱は増やしてもあまり見向きされない。

冒険者は増えようが、減ろうが構わないと思っていたが、そんな事無かった。俺が、耐えられなかったのだ。変化の無さに。


冒険者が居ない階層がどうなっているか、知っているか?

まるで石像のように魔物は動かなくなるんだ。時を止めたように変化が無い。ダンジョンの魔物は、いや、人が見ていない場所の魔物も皆そうなのかもしれない。魔物は生き物なんかじゃない。資源で、試練なのだ。


ダンジョンに囚われたダンジョンマスターの俺は生き物なのか?神罰で一度死んだ俺は。ダンジョンマスターは。


ダンジョン内部しか見れない俺の娯楽は、冒険者の行動だった。俺が作った罠に、宝箱に一喜一憂する。


それに、ダンジョン内部を見ようとしない時、俺の居る空間は出口も行き止まりすら無い洞窟の中だったから。意味わかんねえ、直角に曲がったばっかりなのに振り替える度に直線の通路になったり、階段が出来たり……。


しかも、俺が居る場所が最下層だとしたら……。





神様が作るダンジョンだ。

ダンジョンの最深部の記録は確か102階だと聞いた。未だ人が見たこと無い本当の最下層は何層目か数えようとしたことが有る。

Lv1の魔物しか出ない、地上に一番近い階層を1として。

2、3、4……、

10、……


30……







100……

200……










1000。


1001。




俺は察した。

禁忌を犯した俺は、世界(ダンジョン)が滅びるまでたった一人、こんな所で……。

一応、作者の書いた別作品と同じ世界ですが、単独で読めるハズです。

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