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フィフス・センス/plus[Alpha]

感想やコメント下さい!!!(先手必勝)

夜も遅くなってきたが、師匠の行きつけの店に行けばまだ情報の収穫があると思ったのでついて行く事にした。


夜のヴィーネは夜店もそこそこな数が営業しているため、メインの通りは夜でも充分に明るい様だ。昼間は普通の八百屋とか惣菜屋だったのが、夜になれば軽食を出したり呑み屋になったりとスタイルが変わっているのが面白い。


「おぅい、置いてくぞ~い」


「待ってくださいよ師匠~ぅ」


少しぐらい夜のヴィーネを観光したいもんだけどなぁ。まぁ、置いて行かれると迷子になるのでそれだけは避けたい物なんだけどね!


---《西通り・居酒屋[うまあじ]》---


なんかこう……タイムアタックの時に立ち寄るとメリットが大きそうな店名の……居酒屋だなぁ……って思いました。(初見の感想)


「いよぅ!やってるかの?」


「まだまだズンドコやってるわよ~ん♡」


無闇矢鱈と店員の癖が凄いんじゃぁ~(人気芸人・万鳥ネブのモノマネ)


「あら、その子は誰かしらん?」


「よくぞ聞いてくれたのぅ!やっと見つけたワシの弟子なんじゃよ!」


「あっ、ええ。日文宵紬です。ついさっき弟子になりました」


「うぅ~ん!中々イケメンじゃなぁ~い♡幾つ~?」


「私は20歳ですが……」


「ヒューッ!1杯イッとく~?」


「ちょいちょい、まだ大事な用があるから今日は酒はお預けじゃて」


「んも~ぅ、わかったわ♡で、大事な用って何かしらン?」


「ワシが前使っていたMBEってまだ此処に置いてあるかのぅ?」


MBEって何だろう……また知らない単語が出てきたぞ……メモメモ。


「やっだぁ~、ピッカピカにして裏の倉庫に置いてあるに決まってるじゃなぁい!」


「流石じゃのう!で、じゃ。何時でも乗れる様にして貰いたいんじゃよ」


「あら、久々に乗るのかしら?でも確か前に二度と乗らないとかなんとかって……」


「昔の話を蒸し返すのはやめて欲しいのぅ。いやいや、わしゃ乗らんよ?弟子にプレゼントじゃて」


え?プレゼント?そのMBEが何かは知らないけど嬉しい流れになってるじゃあないか!


「って事は何?まさかお弟子さん自力でセイハ荒野突っ切るのかしら?」


「その通り!強くなるには丁度いいじゃろて!」


おっと不穏な雰囲気


「素敵じゃな~い♡良い男に磨きがかかっちゃいそうね♡



……生きてたら、ね♡」


流石に不穏なんですけど???話の流れが怖いんだけど???


堪らずに話を遮って質問してしまった。


「えっ、すいません。情報が渋滞してるんですけど……一体何がどうなってるんですか??」


「カカ、まずはMBEについて教えてやらんとのぅ。MBEっちゅうのはそうじゃな、身体に装着するパワードスーツみたいな物じゃて。魔力をエネルギーとして消費して体の動きを軽くしたりパワーを強めたりするんじゃ。何種類かタイプがあるんじゃが、その中でもワシが昔愛用していた[ブレード]っちゅうタイプのMBE……まぁ、とにかく軽くて動きやすいのが特徴なんじゃが、色々あってそれをこの店に預けてたんじゃよ」


「えっと……MBEがブレードで魔力がパワードスーツで……???」


「カカカ!そりゃ最初はよくわからんじゃろて!簡単に要約するならば[軽くて動きやすいパワードスーツをお前さんにやる]っちゅう事じゃ」


「パワードスーツ……剣と魔法の世界に……あるんだ……」


世界観的に見たら常識を外れたオーパーツ的存在なんだけどなぁ……国によって技術の発展レベルが大きく違うのかな?


「それで、じゃ。弟子にプレゼントを送ったのは良いんじゃが、ここで一つ!お前さんに課題を出すぞい!」


多分セイハ荒野を自分達の力で通り抜けるんだろうなぁ(予想)


「魔物ひしめくセイハ荒野を1人で突っ切ってティクバ帝国まで行くのじゃ!!!」


「は?」


おっと口に出てしまった。失敗失敗♡


---じゃねーよ!!!


「は?とは何じゃ!強くなりたくば戦え!場数を踏んでこそ鍛錬!実戦を重ねてこそ真に強くなるのじゃ!」


「あいや、そのですね!師匠!私はまだマトモに戦った事が無いんですよ!!??チンピラには刺されるし!奴隷商人相手には気まずい空気にするだけだったし!むしろ優し過ぎるって心配されたんですけど!」


「だーかーら、じゃ!無理矢理戦闘をしなければならない環境こそが己に眠る力を引き出すにうってつけの環境なんじゃよ!」


「死にたくなけりゃ戦って生き残れって話ですね……」


「そうじゃ。まあ安心せい。スキルの使い方や応用の仕方はちゃあんと教えてやるぞい!」


「スキルをフルに使って果たして生き残れるのかどうか……」


「なんじゃ、ワシの教えは意味が無さそうじゃと?ワシの実力を舐めとるのか?」


「いやいや滅相も無いですって!」


師匠、予想はしてたけどスパルタ教育なんですね……


あーあ、宿でぐーっすり眠ってる百川君は楽に強くなれていいなぁ。


「お前さん、今弱気になったじゃろ。顔に書いてあるわい![連れの方が直ぐに強くなれて良いなぁ]ってのぅ!」


「えっ……はい。本音を言うならその通りです」


「大丈夫じゃ。何も不安がる事は無いんじゃて。[最初から良く切れる出来合いの刀]と[大事にじっくりと刃を焼き入れて愛情を注いだ刀]、最後まで折れないのは後者じゃよ」


「なるほど……」


確かに、某ポケットな怪物を戦わせるゲームでもアイテムだけでLv100にしたのと地道に特訓してLv100にしたのとは強さが段違いに違うもんなぁ。なるなる納得!


……ふと気になる事があった。


「あのー、すいません。普通の人はセイハ荒野はどうやって移動するんですか?」


「あら、そんな事も知らないの?[巨大陸船ガレオン]が定期便で出てるから普通はそれに乗るわね」


「巨大陸船ガレオン……なるほどなぁ……って、それが無いと死ぬかもしれない様な環境なんですよね!?」


「じゃからこそ、そこを自力で突破するんじゃ!この場合は[突破]よりも[制覇]って言った方が良いんじゃろて!カーッカッカ!」


上手いこと言ってる場合か師匠ーーっ!!!


「ちなみにお前さんの連れにはガレオンに乗って普通に移動してもらうぞい」


「問題を起こさないか不安だなぁ……」


「なぁに、何とかなるじゃろ!」


暫くすると、店員さん(名前は[スイーティ・グレイプソーダ]らしい)が山盛りの料理を運んできた。師匠曰く、[カキのペペロンチーノ・ニンニク多め]らしい。


山盛りのパスタをつつきながら、師匠からセイハ荒野の特徴や歩き方、MBEの動かし方について色々と教えて貰った。途中で入ってきたグレイプソーダさんもネットリとした話し方でティクバ帝国への道のりやティクバの歩き方等を教えて貰った。


「それにしても、宵紬ちゃん。ティクバに行ったり修行して強くなるのは良いんだけど……その後、当面の計画性はどうなっているのかしら?何か目標でもあったり?」


考えて無かったり。


どうしようか……異世界転生したはいいけど別に魔王がどうとか勇者がどうとかの話は聞かないし……うーむ……


「…………そうじゃ。良い情報があるぞい!」


「なんですか師匠?」


「このウィアデニアの何処かには[この世のものとは思えない絶景]が見えるスポットがあって、そこで願い事をすると素敵な事に、それが叶うらしいんじゃよ!」


なんだかロマンチックなスポットがあるみたいなんだなぁ……願い事かぁ……。うーん……特に無いけども……


「そのスポットは理由はわからんのじゃが、気紛れに位置が変わるみたいでのぅ。余程ラッキーじゃない限り辿り着くことが出来ないらしいんじゃ」


「何故そんなスポットへ向かわせようと……」


「お前さんはこのままじゃとフラフラその辺をさまようタダの根無し草じゃぞ?とりあえず、まずは一つ目標を定めると良いんじゃよ。そこからどうアプローチするのかがその人間の価値を作るんじゃ!」


「なるなる……そうだ!この世界中を旅して色々な体験を重ねて、それを1冊の自伝に纏める……なんていいと思いません?」


「あら!そんなのすっごく素敵じゃな~い♡」


「よしよし、その意気じゃ!異世界人ならではの視点で世界を観るんじゃ。ベストセラー間違い無しじゃろ!」


目標が決まった瞬間、無性にワクワクする感情が胸の奥から湧き上がってきた!燃え上がってきたぞ!!


「ところで、じゃ。そろそろ体を休めたほうが良いんじゃないかのぅ」


「確かに、もう日付が回ったとこよ?宿をとってるのならもう戻った方が良いんじゃないかしら?」


「そうですね。ではそろそろ宿へ……」


「ワシはもうちょい呑みたいから、すまんがお前さんは1人で帰ってくれんかのぅ」


「えっ……でも道を良く覚えてなくて……」


「それも修行の一環じゃ!そら、修行開始!頑張るんじゃぞ~!」


幾ら20歳でも、知らない世界の知らない夜道を歩くのは怖いものである。


無事に辿り着けた時には、既に夜が明けかけていたのは内緒だよ。


---《宿屋[スヤリティ]・宵紬の個室》---


結局ウトウトし始めた頃には、百川君がクソデカボイスでモーニングコールを入れて来たから満足に眠れなかったのだ。


今一番貪りたいものは惰眠。


二番目に貪りたいものは盛りそば。


何となく和食が食べたい気分だ。


「おーい宵紬!今日はどうする!?」


「悪いが今日は自由行動の日にしないか?昨日色々あって眠いんだよ……。夕方ぐらいに合流したらその時にその[色々]について話すよ」


「そうか!じゃあ俺はフィーと一緒にこの街を観光してくるぜ!じゃあまた夕方にな!」


さて、うるさい連れもドタドタも居なくなった事だし、ここらで1つ二度寝でもするか……


………………


……………………zzz

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