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セカンド・ライフは突然に

話のテンションの方向性はこのままで良いのか少しばかり不安になったので、感想とかコメントがあれば頂けると嬉しいです。

みんな大好き異世界転生。


転生、とだけ聞くとどこかの家庭へ新生児として産まれ、所謂[弱くてニューゲーム]状態となるのが普通と捉えられるが、この日文宵紬と百川祝治は[記憶を持ち][特別なスキルを持って]転生する為、世界的な辻褄を合わせる為にも……


そのままの状態で


異世界へと


放り込まれる


と言った事態に陥ってしまったのだ。


---《貿易国家ヴィーネ・中央通り》---


「うおっ」


「フッ……!」


神の手によって転生先へと転移させられた私達は、賑やかな商店街と隣接した路地裏に着地した。


カラッと乾いた空気に乗って嗅ぎなれない香辛料の匂いが鼻を通り抜ける。人々の笑い声や話し声からして治安は悪く無く、言葉も無事に通じると解った。


むしろ、言葉が通じなければ最初からハードモードなのだが。


「なぁ、百川君。とりあえずここからどうするよ?」


そんな事を呟きながら、何気なく現状唯一の仲間(?)である百川君の方に振り返る。


「なに、そんな事は俺の持つ[座標把握]のスキルで直ぐにわか……ん?なんだ?俺の顔になにか着いてるのか?」


「あっ………………その…………なに、異世界に行くと髪の色も変わるんだなぁって思ってね」


神とのゴタゴタの時には百川君は茶色寄りの黒髪だった事を鮮明に記憶している。


それが、異世界に来た今ならどうだろう。シックな緑色の髪の毛へと生え変わっている(??)のだ。


「そういうお前は紫色に黄緑のメッシュがこう、シュッて入ってるぜ?」


ブドウじゃないか!(呆然)


「で、よ。とりあえずその座標ナントカってスキルで何か解ったのかい?」


「おうよ。今俺達が居るのは…………[貿易国家ヴィーネ]って国の真ん中ぐらいにある商店街で、細かく言うなら入口付近の裏路地ってとこだ」


「なるへそ。それじゃあとりあえず表に出てみようか!」


狭い裏路地を抜け、光差し込む表通りへと繰り出した。


「いやぁ、予想以上に異世界って実感が湧くねぇ……」


「うおー!すっげぇぇ!!見た事ないモノが沢山あるぞ!!!」


ちょっと声が大き過ぎやしないかな、百川君!ほら、歩いてる人こっちチラチラ見てるし!そこの……なんかオオカミっぽい獣人の姉御もこっち見てるよ!


……百川君へのツッコミもそこそこにして、今私達が居る状況を説明しておこう。


目の前に広がる商店街では、テレビとかで見る地中海の市場の様な光景が広がっていると言えば想像するのは安易だろう。市場には見たことの無い野菜やフルーツ、何かの肉、他には軽食を提供していそうな店等が連なっている様だ。


市場のテントは特筆する事はそんなに無いが、地域性なのか建物や地面は砂岩で出来ているみたいだ。という事はここら一帯はカラッと暑く夜になると冷え込むのだろう。


多分。


「とりあえず、昼飯でも喰わねぇか?そろそろ昼飯時だろうしよ!」


「何故時間が判るのだ。……まあたしかーに小腹が空いてきたよね。じゃあ何か買い食いでもしようか!異世界一発目の食事は何になるのやら……」


腹が減っては観光出来ぬ。


神からの囁かなサービスなのか、服のポケットにはこの世界での通貨が少しばかり入った小袋が仕込ませてあった。


少し見直したぞ、佐藤二百郎にそっくりな神よ。


という事で一番近くにあった軽食屋(っぽい店)の前へと歩いてきた訳だが、1つの問題に直面していた。


「いやっ……やめてくださいっ……!急いでるんですっ……!通して下さい……!」


「へっへっへっ……お嬢ちゃん!ちょっとぐらい良いじゃねえか!なあ!」


「そうだぜ~?ちょーっとだけ付き合っておくれよ~?」


「良く見たら大層なべっぴんさんじゃぁ~ん?ほらほら~」


3行で今の状況を説明しよう。


・なんか高貴そうな少女が

・これみよがしなチンピラ×3に

・お約束の様に絡まれとる。


既視感アリアリアリアリな状況じゃないか!!

ほら!!!なんかもう!!如何にもって感じのチンピラだし!!!


高貴そうな少女ってこれもう今後の展開に大きく関わる感じだし!!!!


「さて、どうするよ百川君……おーい!百川君!目が!目がキラッキラに輝いているぞ!!!もしや貴様ワクワクしているな???ほらもう聞いてない!私のセリフ聞いてない!!向かって行くな!!慎重に行く事を知らんのかーーーっ!!!」


「そのかわい子ちゃんから離れやがれーッ!!!」


私の制止も功を奏さず、待ってましたと言わんばかりにチンピラA(仮称)へと飛びかかって行った百川君。


チンピラへ殴り掛かる腕が真っ赤に染まっていた事から、何かのスキルを使っている事が見て取れた。


「うおおおおお!!!喰らえ!!!!!」


「うぎゃぁぁあああ!!!!!」


そんでもって、そのパンチがチンピラに当たった。殴られたチンピラはテンプレートの様な悲鳴を上げながら商店街の出口の方へと吹っ飛ばされて行った。え?この威力で人を殴ったの??大丈夫???1日目にして殺人起こしちゃうやつ???


どよめく人々の向こう、吹き飛ばされたチンピラはよろよろと起き上がってこちらを睨むと、腰に着けていたナイフ(ボウイナイフだと思う)を握り締めて叫んだ。


「おぉ……こんのやろおおお!!!!お前ら!!!やっちまえ!!!!」


「兄貴の仇ぃっ!!!!!」


いや死んどらんよ??兄貴生きとるよ??


「よくも兄貴をっ!!!」


お前らの中での兄貴の扱いはどうなっているのだ


このままだと戦闘の素人×2と絶対普通の身分じゃ無さそうな少女×1 VS 刃物を持ったチンピラ×3 のバトルになってしまう。とりあえず逃げた方が良いだろう。地の利も確実に向こうの方が有利なんだし……おや、百川君?


「へへっ……望む所だぜ!」


百川くーん?


「巻き込んでしまい申し訳ございません……!私も手伝いますっ!」


え、君もなの??意外と好戦的なの??


「えっ……戦いたくは無いンだけどなぁ……」


何故百川君と高貴少女(仮称)は意外そうな顔で私を見るのか。更に何故チンピラも意外そうにしているのか。


もしかして間違ってるのは私の方なのか!?


「おっ、おりゃぁぁぁぁ!!」


チンピラBがナイフを振りかぶって百川君へと襲いかかる。やめといた方がいいのに。


「よし来いっ!!うりゃぁぁぁああ!!!!」


百川君はなんか両腕に赤いオーラ的な何かを纏い、両腕で思いっきりパンチをぶち込んだ。


「腕が2本ならパンチ力も2倍!!どうだ!!!この俺のパワーは!!!」


チンピラBは数十メートル程吹っ飛ばされ、街路樹の幹へと激突した。頭を強く打ったのか、気絶していてラッキーだった。


「くっそーーっ!!!なんか弱そうなお前から殺ってやる!!!」


待てや。私を狙うな!!痛いの嫌ですっ!!!


「うおおおおゴメン出来ればやめて欲しいなぁっ!!!!ほら!!!ナイフを下ろして!!!ほら!!!平和に行こうっ!!!あ、ダメ?」


プライドは元の世界に置き忘れてきた。


ナイフが私の身体目がけて突き出される。


そう言えば私にも[プラスチックを操る]スキルが振り分けられていたのを思い出した。


上手く使えば盾になるかもしれない!


「ぬぅぅぅ……護れ!!!」


頭の中で盾を強くイメージし、心臓から肩、腕から手、そして手から外へと至る流れを強く意識した。


するとどうだろう。両手からプラスチックの盾が召喚され、ナイフを防いだではないか!



……ってなれば良かったんだけどねえ。


「なんで盾じゃなく3ミリ厚のプラ板が出てくるかなぁっ!?」


ナイフはプラ板を突き破り、ギリギリの所で姿勢を変えたことが幸いして、心臓では無く私の左腕を突き刺した。


「いっ……てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!うおおおお!!!!」


刃物が身体に突き刺さると、どうやら痛みよりも流れる血液の熱さを強く感じる様だ。なるほど、勉強に……なるかいっ!!!お陰様で大怪我だよ!!!おい神!!!!スキルの使い方ぐらい教えてよ!!!!!!


「へへっ……今のは練習っ……!!次でトドメだーっ!!!ウヒャヒャーッ!!!!」


まずいぞ。人生初の大怪我で身体がビビって動きが鈍くなっている。このままだと転生1日目でゲームオーバーじゃないか。


---チンピラCが私へと飛びかかるその瞬間、真横から飛んできた如何にも魔法っぽい衝撃弾がチンピラの顔面へとヒットした。


「ブベラッ!!???」


「旅の方っ!この隙にお怪我を治療しますっ!!」


おっ、もしかしてゲームとかで良く見る治癒魔法で治してくれるパターンだな?1度こういう治癒魔法(ホイミとかケアルみたいなの)を受けてみたかったんだよ。


「この軟膏を塗って加護を受けた布で包むと傷が直ぐに治るんですっ!」


魔法やないんかいっ!!!


「アイタタタ……わざわざこんな初対面なのに、どうもありがとうございます。助かりました」


包帯で左腕を巻かれながら、礼儀正しく感謝の念を伝えた。


「いえ、元はと言えば危ない所を助けて頂いたので……そう言えば、もう1人の方は……?」


やっべ、百川君忘れてた。


「あ、百川君は……あいつどこ行ったよ!?」


焦ったのも束の間、最初に吹っ飛ばしたチンピラの方からざわめきが聞こえた。


「ゴメン、連れの様子見てこなきゃ!」


包帯で巻かれた左腕の痛みを堪えながら、商店街を駆け出した。


「百川君!!ストップ!!!ほら!!!!彼、ぐったりしてるから!!!オーバーキルってご存知???」


「かわい子ちゃんを襲ったんだ……!!許しちゃ置けないぜっ……!!!」


「この場合、この場で一番暴力性が高いのはアンタだよっ!」


「そうか?」


「そうだ!」


と、その時。通りの向こうの方から鎧を着た如何にも[城の騎士]っぽい人達がゾロゾロとやってきた。


「姫様!よくぞご無事で!!」


「なっ……どうして此処がわかったのですかっ!」


「何やら街で喧嘩が起こっていて、更に王女様がまた家出をしたとなるとまさか巻き込まれているのではないかと心配になったのです!」


騎士×4が高貴そうな少女……改めヴィーネの王女の側へと駆け寄った。


なんか騎士がこっち見てるんですけど。


百川君、アンタがやり過ぎたせいで私達睨まれてないか?


「あのー、私達は……」


「話は城に戻ってからじっっっくりと聞かせてもらうぞ!」


百川君、君のせいで大変な事になって来たぞ!


「俺はなーんにも悪い事はしてねぇっ!!」


胸を張るな。堂々と宣言するな!そのドヤ顔を辞めろ!!


「お前もコイツの仲間だなぁ~??」


首を横に振りたい気持ちが大きいが、流石にここで百川君を1人にするのは心配だ。


「お手柔らかにお願い致します……」


異世界生活1日目。早速捕まりました。


冤罪ですけど。


冤罪なんですけど!!!!!

感嘆符は感情の波をわかりやすく表せるので良い文化。

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