最終回「私、旅の終着点。そして」
人類最後の日から3年の月日が経った。世界の魔力は元に戻りつつあり、世界のバランスも安定に向かっていた。火花によって不死となっていた”復讐の狼”のメンバー達も不死が消え、自分の意志を取り戻した。
しかし、肝心の主は戻っていなかったのだ。
ミシロ達は最後の戦いの時に爆発した城の跡を必死に探したが、火花の姿はなかった。(ついでにミャノンも探したがいなかった。)。
そのため数年は混乱する世界の統治と、破壊された(主に火花が燃やしたり壊したりした)場所の復興に尽力していたのだった。そして復興も落ち着き、ミシロ達はレジィナの店に入り浸る生活になっていた。
昼下がり、レジィナの店。ミシロはジョッキのお酒を一気に飲み干すと、テーブルに叩きつけた。その音に周りの異種族達も驚いてしまう。
「ぶはぁ~!ひばにゃさま…どこれすか…(火花様どこですか)。しんじゃったんれすか…(死んじゃったんですか)」
その荒れた様子に同席しているティガも呆れた。
「チビシロ、飲みすぎだぞ。おいアリア、なんとか言ってやれよ。」
俺は見かねてカウンターで飲んでいるアリアに声をかけると
「しにんのめぇ~…わたしをおいていくにゃ~…うううう…」
ゴミだった。俺の横で飲んでいるロードは、すでに寝息を立てていて、空のグラスの数は一目で数えるのをやめた。
「あ~あ。飲みに飲まれて一か月か。クソみたいな生活だぜ。張り合いもねえ。あねさん、どうすりゃいいんだ…俺達」
火花はメタトロンのもとへ戻されていた。灰しかない空間に火花は佇んでいた。最後の戦いの時のままで、フェンリルと同化したままだ。
「おかえりなさい火花。目的は達したわね。なかなかサポートできなくてごめんなさいね。他の神達の邪魔も入ってね。貴女が危険だと…。」
「おかえりなさいじゃないわよこのカス。おかげで他の世界の私まで殺すことになっちゃったわよ。」
「本当に辛い思いをさせてしまった…。でもこれで貴女のいた世界は救われたのです。さぁ元の世界へ」
「そう。救われたのね。それさえ分かればもういいよ。ねぇメタトロンさん、私が旅した世界へ繋げられる?忘れ物……しちゃんたんだ。」
「忘れ物…あぁ、ミャノンね?ちゃんと返すつもりとは偉いわ。ゲートはこちら」
メタトロンが開いた扉の先には私が冒険してきた異世界が映っていた。
「これ、ゲートってメタトロンさんの力なんですか?」
「ええ、そうです。ゲートは城の跡の場所でいい?」
「ふーん…そっか。あ、行く前に」
火花はメタトロンを抱きしめた。その行為にメタトロンはあっけにとられてしまった。
「あら?火花、どうし…がっ!?」
メタトロンは突然自分の口から大量の血が吐き出されたことに混乱し、そして次の瞬間に自分の胸をダークルージュが貫いていることを理解したのだった。火花がそのまま耳元で囁いた。
「前に言ったよね。私の記憶をいじった借り、ね?あと、ミャノンはここに来る前にぶっ殺したからもう返せないんだ。アレ、これから先邪魔になるからさ」
火花はダークルージュを刺したまま闇と炎を纏わせた。その熱さと苦しさにメタトロンは悲鳴を上げた。
その悲鳴が聞きたかった。
「なぜ!?なぜなのです火花ぁぁああ!?やめてえええ!!」
メタトロンは徐々に闇の中へと飲み込まれていく。フェンリルの力でメタトロンは力を使えなくなっており、なんの抵抗もできなかった。
「あっはははは!燃えろ燃えろっ。ごめんねぇ、異世界へ行く力が欲しくなっちゃってさ!だから、消えちゃって?」
「あ、がぁっ…か、神々は…あなたをゆるさな…」
ダークルージュを引き抜き、メタトロンの首に突き刺した。
「私は神々を許さないよ。全部、全部燃やし尽くしてやる。」
メタトロンの力を吸収した私はこみ上げてくる笑いが我慢できず、灰の世界で笑った。
「あっははははははは!やった!うふふ、あはは!もう、もう誰も私を止めるものはいない!」
そして異世界へのゲートを開き、仲間の元へと向かった。待っててね。すぐに迎えに行くからね。
レジィナの店では変わらずミシロ達は酔いつぶれていた。ティガも根負けして飲みすぎ、テーブルに突っ伏していた。
「魚汁団子、お待ちです。」
注文したようなしてないような曖昧なままティガは「そこ置いといてくれ」と言い、顔をあげない。
「あねすぁん……」
「魚汁団子、お待たせ」
「そんなに頼んでねえよ!……って、あ、ああ、ああ!」
「ティガさん、うるさいですよ…って、ひ!ひばばば!」
「ミシロ、静かにして…ずっと寝てることにしてなななな!?」
「黙れ~…それは私が注文し……にんのっ!」
「あねさん!」
「「火花様!」」
「死人の目!」
四人に抱き着かれ私は床に倒れてしまった。マジ苦しい。
「生きてたのですね!生きてたのですね!火花様火花様火花様ぁ!」
「わかった!わかったから!お前たち犬か!ほら準備して!行くわよ!」
「行く…ってどこにだ?」
「他の世界の人間と神様を皆殺しに行くの。とぉ~っても楽しいと、思わない?」
ミシロ達は酔いが冷め、再び心に光が射した。もはや殺すこと、滅ぼすことが問題ではなく、火花と共に再び戦いの旅に出られることが嬉しかった。
「火花様と共に進みます」
「私も、魔族の生き残りとして火花様に忠誠を誓うわ」
「俺はずっと一緒さ。行こうぜ、人間殺しと神殺しに」
「もはや神に仕える私はいない。どこへでも行くさ」
私は別世界へのゲートを開き、仲間と共に歩み出した。不死隊もまた召喚され、後続につく。
「ふふふ、人間は皆殺し。神も皆殺し。そして異世界は全部私の物!あーはははははっ!さいっこーー!!うふふ、あははははは!」
両手を広げながら高らかに笑う火花は、かつて自分の世界を救おうとした優しさと光は消え去り、ただ思うままに滅ぼす存在へと変貌していたのである。
「さぁ、三千世界の人・神殺し、みんなで朝寝をしようじゃない」
彼女の笑いは”様々な世界”へ響き渡り、仲間と共に駆け出した。
そして時は流れ、火花達によって5つの異世界が滅び闇に飲まれた。神々も72人のうち52人が火花に力を吸収され、殺された。異世界の人間だけでなく種族も星も滅ぼされるようになり、火花を止められるものはいなくなった。
こうして、一人の少女は闇に飲まれ、闇を飲み込み、魔王となった。
私、人間を裏切って人間を滅ぼすことになりました 1章 完
一年間とちょっとのご愛読ありがとうございました!なんとか「私、人間を裏切って異世界を燃やし尽くすことになりました」の序章的物語を完結することができました!ミスも多く、読者の皆様にはご迷惑と待ちぼうけをさせてしまうこともありましたことを謝罪いたします…。ここまでこれたのは皆様のおかげでございます。
この作品の続編に関しましては現在検討中となります。
今後とも私の作品をご愛読していただき、様々な感想をお待ちしています。
改めまして、ありがとうございました。新規連載の方もよろしくお願いいたします。
つじぎりっか~花篝ノ章~
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私、異世界の勇者も魔王もすべて殺します~女子高校生は復讐しか考えません~
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