第31話「私、アリアとの共闘。もう一人の私の企みを知る」B
前回のあらすじ。
いよいよ戦いは最終局面へと向かっていた。
遅くなって申し訳ございませんでしたぁぁあああ!!!
次回か次次回、重大発表あります!!!
ミシロは双剣を持つ手が震えていた。目の前の10歳程度の少女を殺すことをためらっていた。
私は火花様と共に人類殲滅まであと一歩というところまで突き進んで来ました。今まで人間を殺すことに戸惑いはありませんでした。老若男女皆殺しにしても気になりませんでした。でも、ここまで来て火花様が人間を殲滅させた後何もかも滅ぼしてしまうのではないかという不信が私の中に芽生えていたのです。
そして目の前にいる少女、幼げな姿に似つかわしくない強大な魔力と加護の力でわかります。あの勇者ブルースの娘だと。もし……本当に火花様が人間だけでなく世界を滅ぼしてしまうようなことになるならば……。
「あ、あなた名前は……」
名前を聞いた途端、少女はその小さなナイフをミシロの首元へ突き立てた。驚くほど正確で迷いがない。しかし、それは残像であり少女は地面に組倒された。
「ぐあっ!……あ、アンナリーゼ。」
「勇者ブルースの一人娘ですね?貴女に……賭けます。もしかしたら火花様はこの世界だけでなく全てを滅ぼす存在になるかもしれません。その時は、貴女が火花様を倒すのです!」
「な、なにを言って!?きゃあ!?」
私は魔法でアンナリーゼを浮かせ、空の転移魔法陣へと向けた。転移魔法はどうやら少しだけブルーサファイアに向けて繋がってしまっているようだった。
「恨んでいるでしょう。憎しみの心もあるでしょう。ブルーサファイアで力を蓄え、もしもの時は火花様を討つのです!その時が来たら私が呼びに行きます!」
「きゃああああ!?」
アンナリーゼは私の魔法で転移魔法の中へと消えていきました。もしもの時の準備は必要ですから。そして街角でずっと見ていたはずのロードへ声をかけます。
「ロード、いるのでしょう」
影からロードがアクアスラッシュを抜刀した状態でゆっくりと歩いてきました。私の答えによっては斬るつもりなのは明らかです。
「ミシロ……一体どういうこと?」
「私は火花様に忠誠を誓っています。部下ですから。でも火花様は今後何をするかわかりません。一つだけ、対策を準備しただけです。ロード、貴女も薄々と感じているのではないですか?火花様の変わりように」
「っ……」
ロードも考えないようにはしていたが感じていた。人を殺すことへの執念、異種族から逆らう意思と死ぬことを奪った冷酷さ、アリアを生き返らせ利用している巧妙さ。ブルーサファイアを救うために来たと言っていたが人間殲滅をした後、簡単に自分の世界へと帰るとは思えなかった。
「ロード……これは私と貴方だけが知ることです。勇者ブルースの血を引く彼女を逃がしたことを怒るかもしれませんが、ここはどうか見逃しを」
「わ、わかったわ。これは私達の秘密で。あ、そうだ!ミシロじゃないとわからないことが!エレナの血関係の化け物が現れたの!でも防御の魔法陣がかかっていて手が付けられないの。今ティガと不死隊さん達が足止めしてるはず!」
「わかりました!急ぎましょう!」
その頃、火花とアリアはすでに騎馬隊を皆殺しにし、城門前へと進んでいた。
「へぇ~、なかなか立派なお城じゃん。お邪魔しまーす!」
城門を炎で吹き飛ばし、中へと進んでいくと巨大な広間に一目で数えるのを諦めるほど多くの人々が荷物を持って隠れていた。皆怯え、命乞いの声が響き渡る。
「わーお、こんなにうじゃうじゃと生き残ってたのねぇ?綺麗に…燃やさなくちゃ!」
爆音が城の外まで響き、ティガが驚いた。
「お、姉さん派手にやってるなぁ。早く合流しなくちゃっと!」
なんとか暴れ狂う化け物を足止めしていたティガと不死隊達は戦いの流れで少しずつ城に近づいていたのだった。
「ティガさーん!」
そこへミシロとロードが合流した。
「おっ、迷子のチビシロ!遅いぞ!なんかわからねえがさっきあの空の魔法陣に何か飛んでっちまった!」
「すみません!あれは…大丈夫です!それより魔法陣というのは…わかりました。特殊な上位防壁魔法ですね。解く間、動きを封じられませんか!?ほんの少しでいいのです!」
「では我ら不死隊が囮を!周囲を取り囲みます!」
「俺は空から煽ってやる!」
「私は荊で取り囲んでみる!」
「ではみなさん!よろしくお願いします!」
城内まで進んだ火花は、桃色の鎧を着た自分そっくりな人物とであった。城の上へと繋がっているであろう広場に、まるで待っていたかのように悠々と立っていた。
「こんにちは、3番目の私。ずいぶんと今回は荒れてるじゃない?」
「前回が覚えてないから知らないけれど、貴女の目的は?あるんでしょ?」
二番目の私が言っていた、この桃色の私は半端なく強いらしい。油断できない。目的もあるはず。
「目的……そうね。世界を回すこと……かな。」
「どういうこと?」
「世界の平和ってあるじゃない?あれを止めること。世界が平和になるとどうしてもその世界の生き物は考えを止め、進化が停滞し、衰退していくの。だから私は……わざと争いを起こし、戦争をけしかけて、世界を動かす役割なの。でもこの世界って予想以上に人間が馬鹿でね?ほら、世界の命である潜在的魔力を使いきりそうになっちゃったでしょ?だからいっそのこと貴女に全部綺麗に燃やしてもらおうかなって」
「ま、まさか」
「そ、私もメタトロンに召喚されたの。だから貴女と二番目を利用させてもらった。二番目の私やどっかの神様には悪い事したわねぇ。わざわざあの空にいたクソビッ〇まで用意させちゃったし。見てて傑作だったわ」
「火花、なんの話だ!」
「そん…な。じゃあ……この世界の人間を早く止めることも貴女はできたはず!」
「できたわね」
「どうして!どうして止めず、わざわざ私の世界に進行するように!?」
「私は世界をただただ回すだけじゃつまらなくなってきたの。私の思うままに、世界を滅ぼしたくなったのよ!アハハハハハ!」
笑い声と共に桃色の鎧の私は巨大な剣を構え、突進してきた。私は久しぶりに本気でむかついた。
「アリア!あいつを倒そう!この世界をめちゃくちゃにした張本人だ!」
「詳しくは知らんが、主人の命令だからな!行くぞ!」
三人がぶつかり合っている頃、ミシロは魔法陣を解除した所であった。
「今ですみなさん!一気にあの頭にある赤い結晶を破壊してください!」
「「「うぉりゃあああああ!」」」
ティガ、ロード、不死隊の攻撃が化け物の結晶に直撃し、その体は大量の血しぶきをあげて消え去った。
「ふ~…終わったか。って、おい…この死体……」
血しぶきの流れ落ちた場所に、二人の遺体が無残にも転がっていた。
「勇者の仲間の、ガルドとメルバです……。なんて苦痛な顔を……。」
「ミシロ、ファイアで焼いてちょうだい。見るに堪えないわ」
「はい……。ファイア」
炎で焼かれていくその無残な死体は、まるで悲鳴を上げるような音を立てて燃え尽きていく。
「けっ。俺との結着をエレナの血なんかに頼るからだ。」
「でも変じゃない?あの勇者の仲間が化け物になるエレナの血を使うかしら?」
「それもそうだが…まあいい。まずは姉さん達と合流しようぜ!」
「あら?ミャノンは?」
「さあな。あいつのことだ。勝手に追いついてくるだろ」
ちょうど後方から復讐の狼達も合流してきた。
次回、最後の決戦が始まる。




