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第22話「私達、アウラの元へと向かいます!そして思わぬ共同戦線です。」

砂漠にある邪神像神殿。そこはヤギョウの総本山であった。そこに現れたのは神罰部隊とアリア・デルセン。すでに風の竜アウラはヤギョウの手に落ちているという。共同戦線を提案するアリアにミシロは……。

 

「貴様、今何と言った?」


 アリアがミシロの目を見て睨みつける。ミシロが言った言葉が信じられないものであったからだ。


「もう一度言います。アウラは私に下さい。そして戦いが終わったら私達を見逃すと約束してください」


「調子に乗るなよ子娘がぁ。私達になんのメリットがあるんだ。」


「まず、アウラや他の竜の力を引き継げばあの天使をどうにかできる可能性があるからです。どうやるかはわかりませんが、火花様ができます。そうすればこの世界に落ちてくることはないかもしれません。なので見逃してください。」


 その目は全く怯えておらず悪びれない。私は間違っていないという強い意志をその瞳に感じたアリアは少しほほ笑んだ。


「ふっ、まだこの世界にお前のような奴がいるなんてな。分かった。だが、貴様らが戦いの最中何かあっても助けんからな。」


「はい。私もあなたを絶対助けません。では、作戦は…?」


「作戦だとぉ?そんなものあるか。突撃して殺す!それだけだ!お前らは裏から回り込むといい!」


「隊長待ってください!」


 アリアは笑顔を浮かべながら敵陣へと突っ込んでいった。どこかその姿は火花に似ており、ミシロは自分の気持ちに違和感を感じつつため息をついた。隣でもう一人、補佐の女性もため息をついた。


「ろくでもない上司を持つとお互い大変ですね」


「あの人おかしいんです。死なないからって。でも補佐なんでいかないとダメなんです。アウラ、宜しくお願いします」


 ミシロ達は正面で殺し暴れまわるアリアが敵を引き付けている間に邪神像神殿の裏口を見つけ、中へと侵入していった。中は薄暗く、地を這うようなうめき声が聞こえてくる。


「ロードさん、ミャノンさん、後ろに下がっていてください。」


 しばらく進むと巨大な石作の扉が見えてきた。それをそっと開くと、大きな広間へと出た。中には三体の巨大な人型の石像が立っており、その石像はミシロが見たことも無い人型でこの世界にはいない顔をしている。見上げるほど大きな巨人像はじっと足元のミシロ達を見つめるように佇んでいる。


「知らない種族です……。ロードさんは知っていますか?」


「私より知識が多い貴女が知らないんだから分かるわけないわ。ミャノンは?」


「私にもわかりません。しかしこの世界にこんな種族がいないのは確かなので、おそらくヤギョウ達が崇める神的存在なのではないでしょうか」


 途端、悍ましい叫び声と共に扉を破壊してドロドロに身体が朽ちた竜が現れた。


「グォアアアアア!!」


「ひゃあ!?なっ、なに!?」


 とっさにミャノンは二人を抱えて飛び上がり真ん中に立つ巨人の手に乗った。それと同時に武装したヤギョウ達が現れ、竜を取り抑えようと鎖で巻きつける拘束魔法を放つ。


「グォア!グォオオア!」


 しかし暴れ狂う竜には効かずヤギョウ達は恐ろしく速い尾の攻撃で切り裂かれていく。口からは嵐のような風のブレスが放射される。それと同時に大量の血も流れていた。


「あれはっ…アウラ?間違いありません!アウラです!風の竜アウラです!」


「でも…酷い姿よ。ボロボロじゃない」


「おそらく先ほどアリアが言っていた通り、ヤギョウがアウラの力を無理矢理奪おうとしたのでしょう」


「かわいそうに……。人間の身勝手な欲望であんな姿にされるなんて。」


 ー悲しいことだー


「えっ!?」


 三人は身構えた。どこからかわからないが、頭の中へ直接話しかけてくる者がいる。


 ーこの世に生まれ望むことを望み、生きるため生きてきた者達ー


 気配を察すると、それは頭上にいる巨人から発せられていたのだ。その声を聞いた途端、アウラは暴れることをやめ、静かに力尽きた。周りにいたヤギョウ達も気を失って倒れていく。


 その圧倒的な存在と声に三人は身動き一つ取れない。まるで神を見たかのような衝撃であった。真ん中の巨人だけが光り輝き、ミシロ達へと語りかけてきたのだ。


 ー小さき者達。この世の人という生き物を滅ぼす者達よ。何故滅ぼすー


「わ、私達は黙って死にたくないからです!人間にいいように使われ、最後はこの世界が滅ぶから一緒に滅べなどという傲慢さに屈したくないのです!


「そ、そうよ!これは復讐なのよ!私は諦めたくない!魔族の生き残りとして、この誇りをあいつらにぶつけてやりたい!」


 ー復讐か。それも命与えられた者に許されたこと。お前は我ら78柱の神の一人に造られた者だな?お前は?ー


「ファ…はい。私はメタトロン様に造られたただの指輪でした。なぜ人の姿へと変わったかはわかりません。しかし、こうして人の姿としてある今、俺は主人の望む事へ力を貸したい」


 ミャノンはダークルージュを握り、思いを伝えた。


 ーこの世界の人という生き物は、すでに(ことわり)の道を外れ進んでいる。後戻りも再生もできない。小さき者達よ、その復讐を果たす意思があるならばあのアウラの力を継いでいけー


 瀕死のアウラを片手で持ち上げた光の巨人は三人をアウラの精神世界へと送り込んだ。周囲は光に包まれた。

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