第12話「私、最後の魔族の幼女王に出会います。そしてダークルージュが目覚めます。」C
前回のあらすじ。
ロードを助けた火花はマルク王の軍勢と戦う。
火花へと立ち向かう敵兵は次々と打倒されていく。傷一つ与えられないその圧倒的な炎と剣が敵を炎で埋め尽くす。
「この炎はスヴァローグの炎。ダークルージュの力は?」
火花は一旦スヴァローグの炎を抑え、剣のみで立ち向かう。敵兵の巨大な斧が振り下ろされ、受け止めた。その瞬間敵兵はまるで斧で真っ二つにされたかのように綺麗に斬り落ちた。
「えっ?」
今度は槍や剣で襲われ、全てを振り払うとその武器を持っていた者達がダークルージュに触れてもいないはずなのに切り刻まれていく。
「まさか、攻撃を返しちゃうの?」
今度は敵兵が魔法を放ってきた。魔法は炎や雷や氷の槍が凄まじい勢いで火花に向かう。それを一振りで当てると、全て適格に魔法を放った者へと弾き返っていく。それどころか魔法の威力は倍以上になって返り、広範囲にダメージを与えていくのだ。その光景に思わずミャノンが叫んだ。
「ご主人様!これはダークルージュの力です!全反射効果とは!まさに最強の力ではあーりませんかっ!」
「うわうるさ。全反射?もしかしてこんなことできちゃったり?」
火花がペルーンの雷を刀身に纏って横薙ぎにすると、凄まじい雷が地面を走り、敵兵だけを狙って黒焦げにしていくのだ。
「わーおマジ!?」
その光景を避難して見ていた群衆も恐れていたが、その姿に失っていた希望を思い出している。次々と敵兵は打倒され、残りはマルク王のみとなってしまった。
「たっ、助けてくれ!金なら!金ならいくらでも出す!」
「そんなものいら、、あとでもらっておくけどあなたは殺す。」
「ひ、ひぃぃ!?」
火花は躊躇せずマルクの首をはねた。血しぶきがあがり、広場には死体と静寂だけが残っていた。
「火花様!あーあ、やっちゃいましたね。これで異種族の一部も襲ってきますよ?」
「上等。ダークルージュもやっと抜けたことだしこれからも全身全霊で人類殲滅がんばろー!」
「「「オオオオオオオオ!!!!」」
フェンリルやミシロ、そしてチェルノボウグ騎士隊達の歓声にロードはあっけにとられていた。
「あ、あ…。あ!助けてくれてありがとうございます!名乗り遅れました。私はロード・レイ・ヴァルキュラル。魔族最後の生き残りです。でした?」
「お礼なんていらないよ。私は東雲火花。さて、あなた最後の魔族の女王だよね?貴女はこれからどうするの?」
「あっ…これから……。なにも。私は死ぬ定めだったので」
「ならさ、私と人間殲滅の旅に出ようよ。もう少し先にあるマリアブルからヴェルカンディアスを滅ぼしに行くんだ」
「に、人間を滅ぼす!?」
「そう!この大陸にいた人間は全部殺したよ。残るはヴェルカンディアスにいる人間達」
「なぜそんなことを?」
「この世界の人間は私の世界を乗っ取ろうとしてるの。あの審判の女神を魔法で転移させてね。だから滅ぼしてるんだ。やられる前にね」
「あなたのような魔族は見たことがないわ。先の戦争ではどこにいたの?」
「私人間だって…まぁいいか。違う世界から来たから前にはいなかったんだ。さ、どうする?ここで世界が滅ぶのをただ見つめる?それとも私と抗ってみる?」
「……私は、私は生きたい!抗いたい!」
「オッケー!さてこの国の皆さん!聞いての通り魔族の女王様は私と人間を滅ぼす旅に出ます!諦めないで抗うそうです!あなた達はどうするか、考えてみてくださいね」
火花の声に恐れて隠れていた群衆達は顔を見合わせて思考していた。
「んじゃ、私はヴェルカンディアスに行くためマリアブルへ行きます!そこでエルフさん達が来るか3日待ちます!と、いうことで。」
3日以内に決めて来いという真意はしっかりと伝わっていた。いつの間にか宮殿から金品を奪ってきていたミシロはすぐに勘定を始めていた。旅の資金管理もでき、有能だ。
「あ、私ミシロと申します!火花様にお仕えする身です。」
「よろしくねミシロ。私はロードでいいわ。」
二人の握手を見届けると火花はチェルノボウグ騎士隊を剣に戻した。
そして火花はフェンリルに二人を乗せて駆け出していく。こうして火花は幼女王ロード・レイ・ヴァルキュラルを仲間にしたのだった。
次回、マリアブルのついた火花を待っていたのは信じられない光景だった。




