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第7話「私、完全に異世界の人類を敵に回します。」A

前回メイロンドの人間を滅ぼし、実験材料だったエルフを開放した火花は、エルフ達へとある提案をするのだった。

 

「あなた達エルフに問うわ!そのままでいいの?人間に復讐を、やり返したくないの?」


 ミシロは驚愕した。火花はエルフを傘下に加える気なのかもしれないと。しかし、そのかもはすぐに核心に変わった。


「目の前にやり返せるチャンスが現れたのよ?」


 エルフ達は困惑していた。立った数分前まで殺戮が行われていた場所で、見知らぬ少女が厳格に叫ぶのだ。そして火花の考えを察したミシロも声をあげる。


「もし!もしあなた達が戦う意思があるのなら!武器を取り、立ち上がってください!」


 そして一人の褐色のエルフが静寂の中声を上げた。


「あ、あんた達の目的は、なんなんだ!?ここはヴェルカンディアスの研究者達の集まり、それを全部やっちまったってことはつまり!全世界の人間に喧嘩売ることになるんだぞ!?」


「とっくに宣戦布告は済ませてあるわ。私達は人間を殲滅する!」


 広場にどよめきが走った。


「あ、あんた魔族みてえだがどうかしてる!この世界はもう滅んじまう!あの天にいる審判の女神様によって!それに人間はブルーサファイアへ行こうと画策してて、もうこの世界の住人はどうしようもないんだよ。」


「なら、そのままみじめに死ねば?」


「っ!?」


「そうでしょう?人間には敵わなかったのは分かる。けれどたった一度負けただけで、生きてるじゃない。なぜ再び立ち上がろうとしないの!」


 その台詞に目に光を失っていたエルフ達に、一瞬光が戻った。


「たしかにどうせ待ってればいずれ死ぬよ。たしかに死ぬ。でも死に方は選べるわ!ただ黙って滅ぶのを見過ごすか!武器を手に取り!くたばれと叫んであの人間達を滅ぼして自ら平和を勝ち取るか!私は後者を選んだわ。自分の世界を守るために。」


 そしてミシロも叫んだ。


「この大陸の先にある宝玉の海の街マリアブルで待ちます!もし戦う勇気があるのなら!生きたいのなら!この数百年の恨みをぶつけたいなら!武器を持ってきてください。今から三か月後に私達は到着予定です。到着してから三日、三日待ちます。なので皆さんもなるべく早く決めてくださいね!ち、ちなみに火花様はもう前の人間の街は滅ぼしています!そ、それじゃ!」


 漁った物資を兵達に持たせて進もうとする火花に、先ほど一番最初に声を上げた褐色のエルフが再び問う。


「本当に、人間達に一発やりかえせるのか!?」


「一発どころか、両手両足の指じゃ数えきれないくらいやり返せる!待ってるよ」


 にこやかに笑顔を向けたその魔族は、朝焼けの向こうへと進軍していった。希望が、現れやがった。その金の瞳は朝日に輝き、希望を見つめていた。


「火花様、エルフの皆さん来ますかね」


「さぁ。選ぶのはあのエルフ達次第。でも最低でも一人は来るわ。あの金の目のエルフ。」


「あー、唯一のダークライトエルフでしたね!戦いに強いエルフですから、ぜひ傘下に加わってほしいです!」


「ふふ、そうね。さて、次の街は?」


「次は人間の餌になる豚や牛を作る農業地帯の街、ブーモウです。」


「ぷはっ!変な名前!さて、早速滅ぼしに行こうか!」


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