蝉と僕
空が染まる 暁時<あかつきどき>
明星は まだ 僕を見下ろす
今日の始まりを告げる蝉の声
命の終焉を迎える 切れ切れの蝉時雨
いつが始まりで いつが終わりなのだろう
七日の命
真夏の刹那に何を成そうというのか
力の限り 泣きわめき 何を成そうというのか
八十年の命
僕は何を成せるだろうか
ただ 平々凡々と日々を送るだけの僕が
何を成せるのだろうか
必死で七日を生きる 蝉
なまけて 扇風機の前に陣取る 僕
命を燃やす 蝉
命をふいにする 僕
今日だけでもやる気だそう
クーラー切って 窓開けて
蝉の声聞きながら 今日の僕は机に向かう