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終結

 二の門に運ばれた史華達はすぐに祭殿へと運ばれ、安静の措置がとられた。


 千夏たちが史華を捜しに行っている間に、安全になったことを知らされた美緒と玲も二の門に来ていた。


 千夏に聞かれ、僕は獣繭の治癒に関する知りうる限りのことを思い出したが、「本人が落ち着ける場所で安静に過ごすこと」ということしか分からず、速攻性のある療法を示すことはできなかった。

 しかし、白狐に聞いたところ、史華達はここに連れて来られたことで安定を取り戻しており、数日中には目を覚ますだろう、ということであった。


 千夏は白狐の話を聞き安心したのか、座り込むと史華の髪をやさしく撫で汚れをはらっていった。そして、近くにいた女の子に、体を拭くものを用意させるとともに、三人に着させるようの服と寝具を持って来るよう指示していた。


 僕に向かって「役立たず」などと散々罵ってきた美緒も、その顔には「三人が無事でよかった」という安堵が浮かんでいることが分かった。

 美緒はその後しばらくの間、自らの霊獣である黒猫の≪ミャーオ≫を出しては寝ている史華達にその肉球部分を押し付けたりしていた(本人は癒しを与えていたつもりだったそうである)が、やがて邪魔だと千夏に追い出されてしまうと、とぼとぼと五の門への帰途についたようだ。


 玲は史華達の無事を確認した後、僕や公治と一緒に残る四人の処刑を粛々と済ませて、自らの地区が留まっている三の門へ帰っていった。二匹の鳥が織り成す鳥葬という名の虐殺は玲からの三人に向けた手向けだったのかもしれない。



 四人を処刑する際に聞いた話で、どのように史華達をさらったのかも判明した。

 史華達をさらう際にもあの札が使われたらしい。あの札は人間にも有効なようで、彼らはそれを史華達に使用したらしい。しかし、人間に使ったがために、主人の窮地を察知した霊獣が体内に入りこみ獣繭状態になったようだった。

 そのことが三人続き、目的である祖国に子供を連れ帰るということが出来なくなった狂信者たちは次の狙いとして、岬を目標にしたようである。弟たちを利用することで脅し、岬を連れ帰る予定だったみたいであるが、思いの外弟たちの抵抗が激しく、最終的にあのような悲劇につながったということであった。




 狂信者を始末してから、三日後。史華達の移送の準備も整ったので、僕たちは二の門を離れ普段の生活へ戻ることを決めた。

 ようやく今までと同じような生活を取り戻すことができたのである。

 この三週間様々なことが起こり、悲しい出来事もあったが、それでもなんとか僕たちは自分の力で切り抜けることができた。


「とにかく生きること」


僕たちは、それを目標に明日もこの地で生き続けるだろう。



<終わり>

終わりです。

一週間くらいで書いた処女作なので、詰めの甘い部分もあると思いますが楽しんでいただけたなら幸いです。


名前は出てるけど、活躍できなかった(活躍させることができなかった)人物がいるのが心残りといえば心残り。

続編書けたら、そちらで活躍させてあげたいところです。


読んでくださった方ありがとうございました。

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