表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

一件落着?

「怪我ないか?」

「うん、大丈夫」

僕はユイカの手を取って、彼女を立ちあがらせた。

よほど怖がっていたんだろうな。まだ手が小刻みに震えている。

僕は彼女から離れて、男の手から刃物を奪った。

「無事でよかった」

「コノト……」

「時間進めるぞ。スティルオフ」

ユイカに笑いかけて、僕は針を動かした。

「なんだ!? あの女はどこ行ったんだ?」

「ここよ!」

ざまあみろ、とでもいうように、ユイカは叫んだ。

「ユイカ、下がってろ」

ユイカは教室のあたりまで下がって、クルミに抱き付いた。

それを確認した僕は、さらに男に近づいた。

「ユイカに手出したこと、後悔させてやるよ、おっさん」

「この野郎!」

挑発するように相手をあおると、男は胸元から何かを取り出した。

「拳銃……?」

「本物だ。動いてみやがれ。血を見ることになるぞ」

拳銃を隠し持っていたのか。詰めが甘かった。

「スティル」

「喋るんじゃねえ! 死にたいの」

「オン!」

男にかまわず、僕は叫ぶ。彼の言葉は途中で止まった。

銃口から放たれた弾丸を回収して、僕は拳銃を窓の外に投げ捨てる。

「コノト、そいつどうする気なの?」

「んー。とりあえず警察送りかな。クルミ、なんか紐みたいなものある?」

「縄跳びでいい?」

教室から出てきたクルミは、縄跳びを持ち出してきた。

それ、僕のじゃないか? まっ、いっか。

「ありがとう」

僕は自分の縄跳びを受け取って、男の手首と足首を縛った。

「スティルオフ」

「か!」

か、ってなんだよ。死にたいのかの『か』か。

「もう終わりだよ」

「コノトくん!」

宮尾みやお先生」

僕と仲のいい、英語の宮尾先生。

あとは、彼に任せることにした。

寺田てらだ先生、松森まつむら先生。犯人の始末お願いします。怪我はないか? コノトくん」

「大丈夫です」

「あんまり無茶するんじゃないぞ」

宮尾先生が、僕の頭をなでる。ちょっと恥ずかしいな。

「わかりました」

「宮尾せんせーい」

「はーい」

先生はほかの生徒に呼ばれて、どこかへ行った。

一件落着かな?

みんなに、僕の能力はバレてないのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ