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第4章

健堂に引き続き、もう一人の自分との対面――。そのまさかの姿がなにをどうしたのか阿修羅像の自分。

今の自分よりかはときに冷静で鬼の正体について具体的な説明を受けた。ついにすべてのあの始まりの真実が明らかになる。

「そこのイケメンのお兄さん、そろそろ起きてくれる?」


 意識が遠のき、今度は若い女性の声が聞こえてきた。テレパシーかと思いきやどうやらそうでもない。俺は起きると、これまでに見たことのないあの白い空間とそしてその目の前には鏡の形をしたワープゲート、そして会ったこともないが雰囲気だけで百戦錬磨の環境下で己自身を鍛え上げたアーマーを来た女性がそこにはいた。


「え?」


 てっきり俺の実践は始まっていると思いきや、姿も今の俺のままだった。状況を飲み込めず思わず声が出てしまった。


「え?じゃないわよ。話はああ、あの阿修羅の人から聞いてるわ。行く前に注意点をしっかり説明するかよく聞きなさい」


 彼女をよく見るとアーマーの部分に黒塗りの証でもある八卦が施されている。この八卦を見て祖父のはあのゼロポイントの守護者とゼロポイントを狙う悪の存在について思い出した。しかしこれだけでは彼女が味方なのか敵なのかわからない。祖父の話によれば一見は敵のように行動するからだ。


 あれこれ考えていると彼女にまた声をかけられる。


「あなたのそういうところよ~昔のあの阿修羅本当にそっくりだわ あなた、今私が敵か味方か考えていたでしょう? そしてあなたの祖父のしてくれたゼロポイントの守護者の話は若干ずれてるわね」


 やはり霊界にいる連中は、俺の考えていることは筒抜けのようだ。健堂にしても阿修羅像の俺にしても考え込むと考え込んでいる内容をドンピシャで当ててくる。まるでプライバシー空間なんて存在しないかのように人前で歩いているだけでその人が何を考えているのかが聞こえているかのようだった。


「確かに別の世界線では裏切ったわ、敵の組織に潜り込んでいろいろあったけど、最終的にはそうせざるを得なかった、あまりにも結果が酷すぎて、一旦世界を分断するしか方法はなかったわね、それをあなたのお祖父様は一部分だけ切り取って裏切るって表現したのかしら。それもこれもあのジョーンズが…おっとあの男がヘマしなければこうはならなかった。途中でセブンに連絡するからこうなるのよ」


 ジョーンズという名前にどこか懐かしさを覚えていた。我々の世界にも今こうやって現実にジョーンズが来ている。欠片をもとめて。


「今、ジョーンズといったか?現実783に欠片の回収しにきている」


 すると、女性の剣幕がましていった。怒りに満ちた表情で。でもその表情はジョーンズの話になるとどこか寂しそうではあった。


「ぇ、あのジョーンズまだゼロポイントをおいかけてたのかしら。 でももう私に会うことはないでしょう。ジョーンズに別の世界線に行くように指示をして分断させたのは紛れもなくこの私。ラストリアリティから完膚なき作戦を立てビッグバンを起こさせて存在ごと葬りさった――同時に犠牲として元々いたジョーンズと私の世界も破滅した。その後の私の話は誰もしらないけど、あなたと同じように霊界に放り込まれた。そこでこれまでのビジョンをみせられ、なぜ私が黒塗りの存在なのかを知り、自分がゼロポイントの守護者であることを思い出した」


 祖父の話にはものすごい冷徹で頭の切れる人間がゼロポイントの守護者かと思いきや、彼女を見た瞬間印象がガラリと変わってしまった。頭が切れるが人間味が溢れており、それをあえて言語化しないところがどうも俺ににているような気がする。


「余計なことをべらべら喋ってしまったわ。さてここからが本題よ、イケメンのお兄さん」


「その呼び方にはしっくりこないな、大吾でいい」


「わかったわ、大吾。1回しか言わないからよく聞きなさい !


 その1、ここから先の空間はあなたの時間軸に基づきあなたの半生が再構築されます。理科の実験室だと思ってもらえればいいけど、現実と違うところは、ここでの出来事は全てのあなたの時間軸に影響すると思ってちょうだい。


 その2、あなたが変わるまで無限ループします。イベントが終わってこのワープゲートがあれば、できなかったところからやり直しです。イベントが終わって達成できたら次に進むわ、全部終わったらこの空間に戻ってくるわ。


 その3、これは再構築です。1ミリも違うところはありません。違うところが出てきたら引き返しなさい。

 強制的に戻れなかったこの通信機で私をよびなさい、あと私以外の黒塗りの連中に遭遇しても私に似た黒塗りの連中に遭遇してもその時も私を呼び出してちょうだい、決して戦おうとは思わないことね」


 注意事項を説明され、俺は理解した。特に3番は昔流行った8番出口のような間違い探しゲームと思ってしまった。全くわけのわからないことを言われるかと思っていたが、意外とルールは現実と共通していた。


 スマホのような通信機を渡されボタンには彼女の顔が施されている。こんなのが本当に通信機かと思うくらいに見た目はまるでおもちゃだった。


「ところでええと……ありがとう……その」


「ああ、私の名前?スローンよ いってらっしゃい、大吾」


 俺はスローンにお礼をつげワープゲートをくぐった。このスローンがまさかゼロポイントの守護者だったとは思いもよらなかった。文献で彼女の話はいくつか見たことがあるが、とにかくやってることが酷かった印象しかない。そしてその元部下がジョーンズであることも驚きを隠せなかった。


 ゼロポイントが人の魂だ。ジョーンズもジョーンズでかなりやっていることがえげつなく思えてくる。それを回収して人間の都合のいい道具に使おうとするとここから見たら言語道断なのは明らかだ。


 あの頃のやり直しが始まる。懐かしい香り、木々の生い茂るようなあの森の香り、俺が気がついたときには自分の部屋にいた。

 そして両親の悲鳴が聞こえてきた。同時に禍々しい声も――。


「ハハハ、力を、力を手にしたぞ……仮面一族のチカラァァァァ!!!」

「あなた、どうしたの!?」


「おい、そこから離れなさい!! この鬼め!うちの息子に何ていう仕打ちを!!!!!!!!!」


 鬼は父の身体を完全に乗っ取り、今にも原型を保つことなく完全な鬼に慣れ果てた。仮面から角が、歯は人間とは思えない牙に変わっていた。


「……………………っ!!」


 祖父はなにかの呪文を唱えているがその鬼には全く持って効果がないように見え、父に取り憑いた禍々しい鬼はピンピンしている。


「ああ、見掛け倒しの真言か?そんなものは俺には効かぬわ!!

 さすが一族の長男を恐怖に陥れ、堕落した人間にさせたかいがあるというもの、お前では成功しなかったが、この男は見事に欲にまみれてくれた ハハハハハハハハハ!!!

 過信、盲信、恐怖美味で最高のご馳走だ!!

 これらを周りの人間が何も疑わずに演じてくれる、いいね最高だよ!!

 息子がこうなったのも原因はお前にもある… ああ、そういえばもう1つ最高のご馳走が残っていたな」


 そうしてその鬼はお母さんに向ける。


「こないで、この化け物!私の旦那を返して!!!」


 この顔は見たことがある。恐怖で支配されたときの顔だ。絶望に満ちどうしようもなくなり何も手段がのこされていないときにする表情。

 俺はこのときにトラウマになる。たしか何日も呆然と立ち尽くしなにもかもやる気力がなくなった。


 そして何の抵抗もなく俺の母さんは鬼に食い尽くされていった。そして鬼はまだ満足げな顔をしていたが、まだ何かを求めているようだった。


「そういえば、この男にも長男がいたな・・・フフフ」


「まさかお前はうちの孫にも手を出すのか!!そうはさせん!

 孫だけは、この命に変えても守りきる!お前には絶対に差し出さない」


「そういっていられるのも今のうちだ、仮面の一族よ。この状況下でお前は考えないのだな、その孫がこの状況を見ていたらどうなるとおもう? これもこの出来事で真っ先にトラウマを抱え、そのトラウマはさらなる恐怖を生み出し、将来はこちらの味方になってくれるだろうよ。

 恐怖と欺瞞で己のことも理解しない人間になるのが目に見えてる」


 俺はこのとき本当ならば昼寝をしていたが、途中で目が冷めてしまい襖の奥から覗き込むように一部始終を見ていた。姿は幼少の頃の俺だが、理解力は今の俺だった。そして講義を受けたことも反映されている。しかしこれほど残酷な出来事を目にしてもトラウマどころか、阿修羅像の俺のいったことのが先行していた。


(鬼や霊界の悪い連中は恐怖を常套手段としている)


 そしてこの鬼は、まるで復習のように鬼は阿修羅像の俺がいってたことを全部言ってくれた。これをそのまま飲み込んだらトラウマになるだろうが、やはり2度目の再構築と知っていたら、フィルムの向こう側から見る感覚に近かった。


 そして、そう考えているうちに自分がいる襖の方へ足音が近づいてくる。襖が開いて祖父が抱きしめてくれた。


「大吾……!見ていたんだな…… 大丈夫、おじいちゃんがずっとお前を守ってるからな 怖ったな、よしよし――。」


 俺は涙も流していなかったのだと思う。あまりにも鮮烈でなかなかあの残酷なシーンが抜けなかった。祖父の身体は暖かった。気がついたらもう何時間も経っており、明るかった空が、残酷にもなにもなかったかのように満天の星が輝いていた。


 祖父は俺の部屋に連れていき、俺を寝かしつけてくれた。


 俺は今日の出来事一つわかったことがあった。あの鬼は完全に俺をターゲットにしている。そして父は皮肉にもその手駒にすぎなかった。腹ただしいがこれが現実である。阿修羅像の俺がこれを教えてくれていなかったら今のでワープゲートが現れ、何度もこの光景をみることになっただろう。


 しかし、不思議だ。あの鬼には見覚えがある。雰囲気が健堂のシミュレーションで見た俺を食い殺した得体のしれない禍々しい闇の存在にそっくりだ。でも姿がみたものとはまるで違う。これはどういうことか考えていたがその答えは先程の講義の内容でどういうことかが完全に理解した。


 残酷だが人が成長するように、鬼や霊界の悪い連中も人の恐怖の感情を餌にして成長する。こう考えると辻褄があう。この出来事から俺を狙っていたあの鬼が恐怖の感情で養分を吸い取った姿だと。と思うとその鬼はまだ強いが弱々しいことになる。そしてこの鬼に養分を与えなければそれ以上成長することがない。俺はもう一度阿修羅像の俺の言葉を思い出した。


(あいつらにとって最悪なのが獲物として捉えたのに途中で恐れの正体をしった人間になったらもう奴らは消滅するしかなくなる)


 いやしかし、さすがにこの姿の俺では手も足も出ない、戦闘するには無理がある。でももし俺の予想が当たっていたら、明日からその鬼は確実に俺に忍び寄る。俺が考えつかない想像以上に残酷な方法で。相手は一枚どころか五枚も六枚も上手だ。


 俺はいつの間にか眠りについた。本番はここからだと。


「うん?この男の長男は俺の知っている長男ではない、はて獲物を間違えたか?そんなはずはない。

 俺は知ってるぞ、お前が一部始終を見てトラウマになってそこから全部背負い込むことを……。

 明日から俺の仕込んだ狡猾な罠で出来損ないだと信じてくれるはずだ……。

 でも時には蜜を与えて自分が能力者だと思い込ませる……そうだあれがいい!

 今この地上で流行っている将来が見えるなんたらってやつ!それにしよう!

 そしてこいつがおとなになったら俺の味方になって最高のご馳走になってくれることも知ってる……

 それなのにこの長男はなぜここまで冷静でいられる?

 人間の子供は無力で何も知らず見たものをそのまま飲み込むから餌にはいいと聞いたがあの上司は嘘を言ってるのか?

 俺を騙しているのか? ああ、不安が消えない、満ち足りない、そもそも足るを知るってなんだよ。

 次から次へと湧いて出てくる、人間の魂を俺のものにすれば楽になれるって聞いたのに、足りない!あれだけの最高のご馳走を食べてもまだ足りない!

 俺のこの足りないのはなんなんだ!! 俺だってもう終わりにしたい、自分でもなにがしたいのかがわからない、満ち足りないから本能的に純粋なところへいって食い尽くしても満足しない、俺の何がいけないんだよ。

 人生終わったら楽になるって信じてたのに、実際は真逆じゃないか!畜生!


 誰も本当のことなんて教えてくれない、この見かけじゃ近寄ってくる連中もみんな俺の同類で考えていることも皆同じ。最初は気持ち悪いとさえ思った、俺のような人間がごまんといた。しかし慣れはおそろしいものだ、なんとも思わなくなってきてる、もうどうしようもないのか鬼の目にも涙ということわざがあるが、もう泣きたくて喚き散らしたくてしょうがない。でも衝動が言うことを聞いてくれない」


 この鬼は文句を言いながら大吾の寝ているそばに忍び寄りが内心はためらっていた。自分が消滅するかもしれない危険を察知したからだ。そうするとその鬼の前に仮面をつけた武士風の男がそばに立っていた。


「仮面一族に執着し渇望で悩んでいるそこの鬼よ、貴様だ 本気で終わらせたいのならついてきなさい」


 この男な鬼に対してついてくるように促した。俺は眠りについているのに俺の前にこのシーンが映し出される。寝ていないのか幻なのかはわからない。その仮面は千のお面で飾っている仮面と同じだった。つまりこの男は仮面一族の誰かになる。しかし俺はそのような男にまったく見覚えがなかった。


 そしてここから仮面一族というものがなぜ仮面を作ることになったのか古くからそしてどこか忘れ去られた仮面一族の本当の歴史をしることになる。最初見たときはとにかく胸糞悪かった。なぜ自分の両親を食い尽くした鬼を助けるようなことをするのかと。更生なんて無理だろと思いこの頃から俺は仮面一族であることに恐ろしさを感じていた。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

スローン博士の設定は、公式の設定が黒塗りであることから、何だったら黒塗りに考えたところこのゼロポイントの守護者が思い浮かびました。どうやら仮面一族についてはかなり深く知っているようで謎に満ちた彼女。次回はついにフォートナイトの主人公が登場

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