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第1話 あなたが一緒にいてくれるだけで。

 水と炎と風と大地


 水


 水は癒しをあたえてくれる。


 あなたが一緒にいてくれるだけで。


 憧れの大きな街


 四年に一度おこなわれるいなくなってしまったたくさんの人や動物たちの魂を遥か彼方にある空へとおくるための四つの神殿の巫女の祈る大精霊祭の七日間のお祭りの日


「まいったな。迷っちゃった」

 大きな街の中でスィーは迷子になった。いくら地図を見てもよくわからない。(古い街の地図には確かに赤い丸が描かれているのだけど、そこがどこなのか、そして自分が今どこにいるのか全然わからなかった)

 どうせまた迷子になるんじゃないんですか? くすくすと小さく上品な顔と声と仕草で笑いながら水の神殿を出発するときに幼馴染の友達のクォに言われた通りになってしまった。(ちょっとだけくやしい)

 えっと、こっちかな。

 顔をななめにしながら、とても綺麗に作られている石の道の上を歩いていく。

 歩くたびにスィーの美しくて長いツインテールの黒髪がゆらゆらと小さく揺れている。

 迷子になってしまったけど、スィーはとっても元気で、大きな青色の瞳をきょろきょろと(子供みたいに)動かしながら、その美しい顔はにっこりと笑ったままの笑顔だった。

 だってずっと憧れていた街にやってくることができたのだから。(大きな街を初めて見たときには感動して泣いてしまいそうになった)

 スィーは背の高い自分の足元まである長い水色のマントを羽織っている。

 その水色のマントには水の神殿の紋章が描かれている。それはスィーが『水の神殿の巫女』であることの証でもあった。

 水色のりぼんで髪を纏めていて、青色の上質な絹の服と白色の短いハーフパンツを履いている。とっても長くて綺麗な足は素足で、可愛らしい白い靴を履いていた。

 背中には白くて大きな荷物袋を背負っている。そして、まるで『芸術品のように美しい水の神殿の宝でもある水色の長い槍』をその背中に荷物袋と一緒に背負っていた。(荷物は重かったけど、スィーの背中はぴんと伸びていて、その歩く姿はとても綺麗だった)

 大通りでは道をうまく歩けないほど人がたくさんいたのだけど、迷っている間にどんどんと人が少なくなっていって、今は周りの景色の中に見える人はスィー一人だけだった。

 なんだかいつのまにかに『よく似ているけど、違う別の街(あるいは世界)の中』にでも迷い込んでしまったみたいだとそんなことをスィーはふと立ち止まって、誰もいない古い街並みをぐるりと見ながら思った。

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