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伝説の幕開け

2020年の中央競馬は当年のジャパンカップを頂点とし、まさしく語り継がれるような1年になった。

しかしながら、その山の始まりは決して華々しいものではなく、人々に暗い影を落とす所から始まった。

「特別措置法32条に基づき、緊急事態宣言を発出することと致します。」

2020年4月7日、牝馬三冠の緒戦、桜花賞を週末に控えたこの日に緊急事態宣言が発出された。国内での新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から2月29日に国内における中央競馬の無観客開催が行われており、それが続く最中の出来事であった。

パドックを中心に集まる観衆、ファンファーレの際に巻き起こる手拍子、歓声もない。ましてや、歓声と拍手をもって勝者を称える音も無い。馬の走る音だけが響くとても静かな環境でレースは執り行われていた。

そんな中無観客ながらも無事に開催が決まったクラシック戦線、牡馬の主役は3頭に絞られつつあった。

未勝利戦、一勝クラスを連勝し、2019年に亡くなった父ディープインパクトの名を冠し弥生賞ディープインパクト記念となったレースを武豊で、父を思わせるような鮮やかなマクリで制したサトノフラッグ。

次に、新馬戦、サウジアラビアロイヤルカップを底を見せぬ勝ちっぷりのまま突破し、その勢いのまま暮れの朝日杯を2馬身半差の圧勝で大物ぶりを見せつけたハーツクライ産駒のサリオス。

最後に、新馬戦勝利の後、東スポ杯2歳ステークスを桁違いの2歳コースレコードで圧勝、その勢いのままホープフルSを快勝し、サリオスとの争いを制して最優秀2歳牡馬に輝いたコントレイル。

この3頭が強いというのが皐月賞直前の下馬評である。

片や牝馬はどうであろうか。

この世代はまさしく混戦というのに相応しい世代だ。

2歳女王に輝いたレシステンシアは阪神ジュベナイルフィリーズを5馬身差で圧勝したものの、年が明けたチューリップ賞ではマルターズディオサに逆転を許している。

新馬戦、エルフィンSを2連勝したのがデアリングタクト。エルフィンSでは、直線追われて楽に突き抜けるという目覚しいパフォーマンスを発揮し、クラシック候補に躍り出た。とはいえ、テンションが上がりやすい性格から桜花賞に直行することによる不安も囁かれた。

そこに牝馬ながらシンザン記念を制し、今後の活躍に大きな期待を背負うサンクテュエール。この3頭が混戦ながらも、桜花賞の有力候補として挙げられたが、まさに多士済済と言わんばかりの大混戦であり、桜の栄冠を争う戦いは激しさを増していく。


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