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黒縁家の女装メイドさん  作者: お薬手帳
3/3

2.最悪な再会

投稿が遅れてしまいました。

不定期に投稿していくつもりなので続きはあまり期待しないでください。

あと今回は強姦等を匂わせる表現や多少の流血表現があります。

そう言った表現が苦手な方は多少文章を飛ばしながら読まれるかブラウザバックを推奨します。

ちなみに強姦表現が苦手な方は冒頭を飛ばして読まれるといいかもです。

この話はあくまでもフィクションであり、実際の事件及び、団体、個人とは全く関係は御座いません。

多少前書きが長くなりましたが、どうぞごゆっくり読んでください。



俺はたまに悪夢を見る。

暗い路地裏で自分と瓜二つの容姿をした少女が男達に囲まれ、なにかされている夢だ。少女は泣きわめき、男達がしゃがみこんでいる隙間から破れた服やら何やらが地面に散らかっている…その様子から何をされているのかは察せた。だが、自分は何故かその場から動けず声もあげられない。ただ少女が犯されている様を黙って見る事しか出来ない。そんな悪夢を見る。


今日もそんな夢を見た。


「…ホント胸糞悪ぃ夢だな…」


俺はそう言い、タバコを吸う。正直言って少女の事は知らないし、知る気も更々無い。こんな事言うのもあれだが、所詮他人だ。何をされようと俺は知ったこっちゃ無い。自分でもそんな考えおかしいのは分かっている。だが、そう思わないと自分が救われない様な気がした。


もうそろそろミーティングの支度しなければ…

俺はタバコの火を消し、ベランダを出る。


今日も元気よく借金返済のために頑張るか…



「おはようございます!今日も元気よく仕事をこなしましょうね〜」


ミーティングが終わり、皆が各自の仕事場に行く。

…そういえば俺持ち場とか聞いて無かったな


「あの…すみません…」

「んー?どうしたの天苺ちゃん?」

「私の担当場所とかあったりします…?」

「特には無いけど…」


まだ新人だもんな…無いなら無いでサボれるから別にいいんだが。まぁ…一応自分の株を上げとくか…。


「あ、えっと…それじゃお手伝い出来る事はありますかね…?」

「んーそうねぇ…じゃあ食器洗いでもしてもらいましょうかね!」

「分かりました…!出来るだけ頑張ります!」


皿洗いか…まぁ他の仕事より軽いもんだな…皿洗いはアルバイトで慣れてるし。



俺は厨房に行き、皿洗い場を探す。貴族様は厨房もでっかいんだな…そう思いながら厨房を彷徨っていると、奥の方に何かが積み上がっているのがわかる。

…何か嫌な予感がする。その予感はすぐに当たった。食器の山が2つぐらい出来ている…


「うっわ…何この食器の山…全部洗うのかよ…」


思わず声に出てしまった。いや、出さない方がおかしいだろう。何故これ程に洗い物を後回しにしているのか疑問だ。まぁ出来るだけ頑張るしか無いが…


「給料の為だ…頑張るしかねぇ…」


俺は食器を手際よく洗って、山を消化させていく。大きいサイズの物からナイフやフォークまで山に埋まってた…いや、危な過ぎるだろ…。

とゆうかここまで洗って無い食器の山が出来てるのに食器が足りてるとかどんだけ金持ちなのだろう…。


「痛っ…!」

そんな事を考えながら仕事していると、割れた皿で指を切ってしまった。乱雑に置きすぎだろ…

結構深めに切ったのか、結構出血している。とりあえず応急処置しないとだな…


「確か救護室があったはず…」

厨房を後にし、救護室に向かって走った。



救護室に着き、扉を勢い良く開ける。すると奥の方から"ガタンッ"と何かが倒れた音がした。音がした方に目を向けてみると、見覚えのある金髪の青年が居た。


「痛てて…あれ…貴方は…」


黒縁翡翠だ。彼は頭をさすりながらこちらを見ていた。どうやら救護室にある椅子で仮眠していたらしい。睡眠の邪魔をしてしまって少し申し訳無いが、こちらもこちらで緊急事態だ、急いで止血しなければならない。


「翡翠様、仮眠の邪魔をしてしまいすいません。不躾なのですがガーゼと包帯を取って貰えないでしょうか?私、今少し片手が使えなくて。」


俺はそう言いながら怪我した手を見えるように少し手を挙げた。

彼は数秒固まった後すぐさま救護室の奥の方に行き、ガーゼと消毒液そして包帯を取ってきた。

我ながら雇い主に命令するなど馬鹿げているとは思ったがあとでも謝罪は出来る。


「どうしてこうなったのか聞きたい所ですけど先に処置しますね…!」


彼は慣れない手つきでガーゼで止血をする。

近くで見る彼はやはり綺麗で、まるで陶器で出来ているかの様な白い肌や鮮やかな色をした金髪。本当に同じ人間なのかを俺は思わず疑ってしまう。…よくよく考えてみると年下の少年に見とれている成人近い男の俺が少し気持ち悪い気がする…。

そんな事を考えていると彼は手当を終えていた。


「ありがとうございます翡翠様。手当までさせてしまい本当に申し訳ありません。」

「いえいえ…こちらこそお見苦しい所を見せてしまいすみません…。それよりどうして怪我してしまったんですか?」


心配そうに彼はこちらを見てくる。改めて慈悲深い方だな…としみじみ思う。


「食器洗いしてたら割れた食器で切ってしまって…」

「なるほど…それは不運でしたね…」


彼は俺の怪我した手をそっと撫でた。


「そういえばこれ…昨日忘れてましたよね…?」


そう言ってガサゴソとポケットから手袋を取り出し、渡して来た。その手袋は確実に俺が昨日ワゴンに忘れた手袋だった。彼はどうやら肌身は出さず手袋を持ち歩いていたようだ。


「ありがとうございます…!えっと…昨日は失礼しました…」

「いえいえ…初仕事だと迷いますもんね…」


ホントに聖人みたいな人だな…俺は心の内でそう思った。

実際大抵の貴族は使用人に対しては扱いが酷いのが普通で、あの使用人達の性格から主人自体に問題があるのかと思っていたが、使用人個人が酷いだけのようだ…。


「それでは私はこれで…」

「ちょっと待ってください…!あの…えっと…名前を伺ってもいいですか…?」


彼はそう言い、俺の腕を掴む。名前を言うほどの身分では無いんだけどな…


「えっと…新しく入った天苺です…」

「天苺…いいお名前ですね…!あ、引き止めてしまってすいません…」


お世辞文句だとわかってもいても、名前を褒められ少し嬉しかった。


「お褒め頂き有難う御座います…翡翠様もとてもいいお名前ですよ…それでは失礼します…」


俺はそう言いそそくさと救護室を出た。

扉を閉める時、彼は少し手を振っていたのが見えた。



この世の穢れが一切ない綺麗な物だけを集めたような彼は、輝いていた。

その輝きは俺にとっては眩しく、とてもその場にいるだけでも耐えきれなかった。


きっと自分なんかじゃ到底触れることができない程、遠くて眩しい存在の彼が羨ましい。




読んで頂き有難う御座います。

初めての強姦表現だった為、解像度が低いのはお許しください。あと無いと思いますが、強姦は立派な犯罪な為あくまでもフイックション内でお楽しみください。

今回は物騒な話が多くなりましたが、お楽しみ頂けたのなら幸いです。

良ければレビュー及び誤字の指摘などを頂けると作者が大変喜びますので良ければお願いします。

それではまた次の話で会いましょう。さようなら。

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