第4話 再会の地へ
米の神様達?をありがたく召し上がり、俺とシズクは街の中心に向かうことに。
ビジネススーツに袖を通すと、目の前にゲームで見る様なステータス画面が現れた。身体状況が表示され、スーツの耐久力ゲージが見える。
スーツを着る翔の姿をニコニコした顔で見ていたシズクが口を開いた。
「見た目は普通のビジネススーツだけど、このスーツはこの世界でご主人をサポートしてくれる。神機と同じく、意志と感情に反応して変化し、特定の能力を発揮するの。それがこの『世次元』で生き延びるための鍵になる。」
人差し指を立てながらシズクはドヤ顔で説明した。
「具体的には?」
「例えば、そのスーツには自動防御機能が備わっています。攻撃を受けた時、スーツが反応して防御を強化する。攻撃を仕掛けるときは、スーツが攻撃力を上げるようにアシストしてくれるの。」
シズクの説明を聞きながら、俺はスーツの感触を確かめる。見た目は確かに普通のスーツだが、感覚は言ってみれば何も着ていない様な感覚。普通、服を着ていれば肌に触れる風は遮られるが、このビジネススーツは風を感じる。そして、服の重さを一切感じなかった。これが俺の意志と結びついているという事かもしれない。
次にシズクから神機になったビジネスバッグの説明を受ける。
「ご主人。先ず神機には式神が宿ります」
そう言ってシズクがパチンと指を弾いたその瞬間、突然神機が震え出し、神機の中から勢いよく無数の黒猫が飛び出した。黒猫達は彼女の指示に従って辺りを索敵し始める。
「これも隠された機能の一つ、式神だよ。敵の動きを察知したらすぐに知らせてくれるの。これで私たちが安全に動けるようになります」
「!!」
黒猫達は半透明で実体はなく、あらゆる物体を通り抜け移動している。宝石の様に蒼く輝く目は周囲を索敵していた。
「え?!.……可愛い」
俺は萌……。感心しながら式神が周囲を警戒する様子を見守った。
「でも気をつけてね、ご主人。式神は長時間は顕現できないから、使いすぎには禁物だよ」
ジズクがパチンと指を弾くと式神達は神機の中に戻って行った。
「了解。頼もしい神機で心強いよ」
シズクは嬉しそうに笑顔で応えた。
「あとねご主人、式神を呼んだ後に両手で指を弾くと式神は神使になります。神使いは攻撃がメインの式神で数の多い敵に出会った時は、式神を神使にして戦うのがお勧め」
「神使ね」
「式神が神使になると圧倒時な攻撃力を得られるけど、神使でいられる継続時間は式神の時より更に短いの。だから使い所は考えて」
「わかった」
「あとね。ミサイルも入ってるの」
「…すごいな」
流石に冗談だろと思いながら俺は神機をまじまじと見つめた。
一方、シズクは腕を組みながら誇らしげにうんうんと頷いている。そうして雫の説明を受けたあと実家を後にした。
最初に向かうは商店街。