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初めてのエンカウント

次への繋ぎで短めになってます。

翌日、トトマラ達の世話になった俺は4人でラタセントの街を旅立つ。

あの後服を買い教えてもらった宿に泊まると、持っていた金貨は半分ほどにまで減っていた。

この世界のお金の価値はまだ分からないが、持っていた金貨は本当に餞別程度だったらしい。

このままでは一文無しで路頭に迷うのは時間の問題であり、なんとしてでも食い扶持を稼がなければならない。

置かれた状況の厳しさを自覚すると、改めてパーティーに加わりたいという気持ちが強くなった。


次の依頼を受ける為に、ホームである街へ戻る3人へ着いて行く。

目的の街はアメドリムといい、ここから徒歩で2日もあれば着く距離らしい。

道すがら、この世界の事について色々話を聞く事が出来た。


まず、冒険者協会と違い各街にある商会は基本的に全く別物であるという事。

商会では日々独自の商品が作られており、依頼を受けた冒険者がそれを他所の街まで運び、取引が成立すれば商会へお金が振り込まれる。

ただし、取引金額があまりに低いと失敗とみなされ、当然冒険者には何の報酬も支払われない。

逆に想定より高値で取引できた場合、その割合に応じてインセンティブの様な物が付く。


もう1つの仕事は、依頼のあった商品の納品である。

これはモンスターの素材が主で、依頼を受けて必要数を納品すればそのまま報酬をもらえるというシンプルな仕組みらしい。

冷静に考えて、今の自分ではモンスターの討伐は出来る気がしない。

やるのであれば各街にある商会を渡り歩き、取引を成立させていくしかないだろう。


「この森を抜けたら街はもうすぐだよ。」

先導するトトマラに続き森の中を進んでいた矢先、意志を持った樹木のようなモンスターの集団が見えた。

その姿を確認すると3人は顔色を変え、すぐさま臨戦態勢に移る。

初めての剣と魔法が飛び交う戦いが見られる状況に、興奮を抑えながら見逃すまいと目を凝らす。


「ヤァァァァっ!!」

トトマラは果敢にも魔物達の中に切り込んでいく。

攻撃を器用に捌きながら時折剣で斬りつけていき、魔物達の視線を一身に集めている。


「エンチャント」

仕込み杖の様な刀が青白く光ったかと思うと、ウルレアは身を屈み樹木型のモンスター達へ一直線に近づき、枝を切り落としていく。

その動きはまるで舞っているかのように美しく、見ているこっちまで圧倒される。

1人後方にいるアリスは何やら呪文を詠唱している。

何と言ってるかは聞き取れないものの、きっとすごい呪文なんだろう。


そうこうしてるうちに、ウルレアの斬撃によって残りのモンスターは1体しか残っていない。

ここでようやくアリスが口を開く。

「2人共下がって。」

「邪悪なる者よ、消え失せろ。エンシェントブレイズ!!」

アリスの放った光はまっすぐ残りのモンスターへ向かうと、対象を消し飛ばし徐々に光を失っていく。

その先の地面も抉れているのが見え、威力の高さを伺わせた。


「ふぅ、トレントなんて私達にかかればこんなもんね。」

ドヤ顔で呟くアリスを横目に、このパーティーの戦闘スタイルについて少し理解出来た気がした。


そうしてしばらく歩いていると、先頭を歩くトトマラが声を上げる。

「休めそうな場所見つけたよ~!」

休憩出来そうな場所を見つけ1人先に駆け出すと、早くおいでよと手招きする。

日も沈んできた為、今日はここで野営をする事になった。


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