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チークムーンの独白
窓を打つ雨音が聞こえない静かな朝、私は窓の外に広がる青空を想像する。
遮る灰色のカーテンを開けると、雲ひとつない空が広がる。『青い』空はいつもそこにあるけれど、今の私はそれを認識できなかった。
全てを受け入れてくれるように広がる『青空』を暫く眺めた後、ゆっくりと私は目を閉じた。そこに広がる『色』を瞼の向こうの景色に重ねる。塗り絵のような、そんな作業をあの日からずっと続けている。
それは決意だった。
この景色をいつか必ず取り戻すための、強く、静かな決意だった。
2年前、私は魔女と遭遇する。
そしてその日を最後に、私の世界から『色』が消えた。