第21話~これからの話~
ここから第二章です。もうちょい更新スピード上げたい泣
「ヴァイオレット?」
「っ、な、何?」
「えっと、会見も終わったし、社長のところ寄らないといけないなーと、思いまして」
と、ブルークが変な感じに話してくる。まだ、気にしているのだろうか。まぁ、分からないでもないけど、気にしないでおこう。
「じゃあ、いこっか。車は用意してもらってるから」
「うん」
テレビ局を出てすぐに車に乗りブルークの所属するチームのビルへと向かう。目的地について車を降りると目の前に壁があった。……………ビルだったわ。
「でっっっか」
「そりゃ、日本一は伊達じゃないからね。ほら、早く行くよ」
「う、うん」
ブルークが所属するチーム、ウルティマは日本トップレベルの実力を持つプロゲーマーたちが数多く所属しており、総合的に言えば日本一は堅いだろう。東京でもかなりの大きさのビルを持っている。
若干気圧されながら中に入ると中も、なんか、すごかった。……………語彙力ないなぁ。
「お金かけすぎじゃない?」
「まぁ、それだけ稼いでるってことでしょ」
「その一端を担ってる人がなんで他人事なの?」
「ヴァイオレットもすぐにそれぐらい稼げるようになるよ」
「本当かなー?」
「まぁとりあえずいこっか。社長室は最上階だよ」
豪華なエレベーターホールからエレベーターに乗り最上階を目指す。
チーンという音を立て、到着を知らせるエレベーター。めちゃくちゃ長かった。冗談抜きで5分ぐらい乗ってた気がする。エレベーターから降りて通路を歩く。重厚感のある扉の前までくるとブルークが思い出したように話しかけてきた。
「あーっと、社長は別に礼儀とか気にしない人だからいつも通りでいいよ。それに、変態だけどいい人だから」
「そっか、よかった。ん?変態?変態ってどういう」
「サァー、イコウカー」
聞き返そうとしたけど聞く前にわざとらしく話を切って進み出すブルーク。………嫌な予感がする。
ブルークはコンコン、とノックをしてから扉の向こうへ話しかける。
「蒼太です。社長、例の子を連れてきましたよ」
「はーい。はいっていいよ」
「失礼します」
扉の中から聞こえてきたのは思っていたよりも高い、女性のような声だった。部屋に入ると女性が二人いた。
「いらっしゃい!待ってたわ。あなたが噂のヴァイオレットちゃんね?ふむふむ、聞いてた通りの美少女ね」
「は、はぁ」
「あら、緊張してるの?同じ女の子同士、仲良くしましょう?」
「は、はい。お願いします」
「うーん、かたい。どうしたの?やっぱり社長だから?」
「い、いえ、その、なんというか。社長って、女性だったんですね」
そう、日本一を誇るプロゲーミングチーム、ウルティマの社長は女性だった。
「そうよ?もっといかついダンディーなおじさんだと思ってた?残念!本当はぴちぴち20代のお姉さんでした!」
「いやあなた先月30歳になったおぶぅ⁉︎」
「そうたくぅーん?いっていいことと悪いことがあるよねー?」
「いやだって、嘘ついたから「蒼太くぅん」はい。なんでもありません。だから無言で拳握るのやめて」
「よろしい。さて、それじゃあ自己紹介といこうか。私の名前は右京 詩織、一応ウルティマの社長だよ。まぁ、社長と言っても名ばかりのお飾りだけどね」
「いえ、そのようなことはありません。社長はしっかり働いていますよ」
「ありがとね、雫。あぁ、この子は澪川 雫、私の秘書よ」
「ひ、秘書」
秘書なんて初めて見たよ。ていうか、どっちも仕事ができる感じのお姉さんだし、何より美人だ。ブルークがさっき30歳とか言ってたけど言われなければ20代前半って言われれば騙されると思う。
「じゃあヴァイオレットちゃんにも自己紹介してもらおうかな?」
「はい、新城 菫です。今は高校2年生です」
「高校2年生かー。若いねぇ。にしても蒼太くん、こんな可愛い子を捕まえるなんて君も隅に置けないね」
「そういうんじゃないです。からかわないでください」
「ふふふっ、さてと、軽く自己紹介も終わったところで本題に入ろうか。まずは菫ちゃん、ウルティマ仮入社おめでとう。仮とはいえ、君が最年少だよ。それにうちは女の子が少ないから仲間が増えて嬉しいよ」
「あ、ありがとうございます。これからよろしくお願いします」
「うん、それじゃあ早速だけど仕事の話に移ろうか。まず菫ちゃんがするべきことは一刻も早く新人というイメージを払拭すること。新人というだけで舐められたり、侮られたりするからね」
「って言ってもどうすれば?」
「ふふふ、菫ちゃんはあれ知ってる?」
「?何をですか?」
「アラタキが新しく開発したゲーム、Held world onlineだよ!菫ちゃんにはそのベータテスターとしてそのゲームの面白さを配信してもらう!」
「へ?」