クラスメイトは訓練されている
よろしくお願いします。
もうひとつの長いタイトルの小説を読んで頂けたら、幸いです。
今日の給食はクリームシチュー、コーンスロー、ミルクロールパン、デザートのプリンです。皆が机を引っ付け、向かいあわせになる形で食事を続ける。
「いや〜、1日の食事のうち給食が1番栄養のあるものを食べている気がしますね」
と丸々とした顔をもちもちと揺らしながら、ロールパンを一口で食べたのは満くん。ご両親は家族経営のスーパーをしており、普段の食事はお店に出す総菜が多い。彼は脂っこいものをよく食べているので体はムチムチしている。
「また、脂っこいものばかり食べているね。」
「えぇ 最近、食卓に並ぶのが売れ残りの揚げ物ばっかりですので、野菜なんて給食でしか食べませんね」
「それはいけない。肥満を原因とする病は沢山あるから、気をつけねば」
「全くです。この歳で糖尿病になったらどうしましょう」
「そうだね。少しぐらい食べなくても平気だろうね。君の身体には十分な栄養が詰まっているように見えるよ。この給食よりも十分な栄養が。少しばかり食事を抜いたところで死にゃしないでしょうね」
「たっぷり詰まっていますから〜」
そう言うと満くんは膨れた腹をパンパンと叩いた。なかなかいい打楽器だなぁと思い、周りの同級生はワハハと笑い合う。
端っこのお誕生日席に座っていた担任は
「サラリーマンの昼食風景か?」
と顔をヒクヒクさせていた。
皿に盛られた給食を平げ、何をおかわりしようか考えていると突如胸ぐらを掴まれた。引っ張られた先には、顔の半分が負傷を負った始末屋 まきちゃんがいた。相変わらず目つきの悪い三白眼をしており、今回は更に眉間にシワが寄っていた。正義の味方とは思えぬ、凶悪な感じだ。自分何かやったかなぁー?
「ちょっと ツラ貸せぇ」
腹から絞り出すような声を出し、胸ぐらを掴んだ手に力を込め、椅子から無理矢理立たせられた。そのままシャツの襟を引っ張られながら、教室のドアに連れて行かれる。途中で給食のカゴから一つパンを取り出し、口にして咥えた。あとはされるがままそのまま教室の外に向かう。そのとき、満くんのそれで足りるかい?と声がしたので親指を立てて、グッジョブとサインを送った。後ろを少し振り返るとクラスメイト全員がグッジョブとサインを出していた。うん、助けてはくれないのね。みんなのそんなとこが好き!
連れて行かれたのは音楽室。お互い部屋の真ん中に向かい合う形になった。
「なになに?何事ぉ?告白という雰囲気ではないのが残念だね」
「てめぇに聞きてえことがある」
「未婚 恋人なし 好きなタイプはムチムチして噛みごたえがある人」
「それじゃねぇ。満がタイプか?」
「筋肉が足りない」
「あぁん 御託はいい。茶番はいらねえ」
まきちゃんはこちらに近づき、自分の耳元に口を寄せてきた。そして、泥田兄妹のアパート周辺住民が死んでいることが知らされた。